2026/09/07 08:43:38
(43LvqraM)
ガチャガチャという音とギィという重い鉄の格子の扉を開ける音にリズベットは、薄っすらと目を開けた。
使用人であるシオンを初めとする獣人たちの心配をしながらも、憲兵団に連行された挙げ句のダーウェルによる取り調べという名目の凌辱に心身共に疲れ果て いつの間にか眠ってしまっていたのだ。
どのくらい眠っていたのだろう…地下の牢には日の光も届かず廊下にあるランプの灯りだけで、いまが何時なのかも分からない。
「朝メシだ…」というアリスの冷たい声で朝だと分かった。
無造作に置かれた盆の上には固くなったパンとひとかけらのチーズと一杯の水…食事と呼べるようなものではなかった。
ベットから降り床に置かれた盆を取るリズベットの傍らでアリスは牢の隅にある桶を覗き込み「チッ」と舌打ちをし、いかにも汚いもののように桶を持ち上げ出口に向かう…実際にリズベットの小便が入っているため汚いものではあるが、アリスの態度は余りにも露骨だった。
「私はコレを処分してくる…その間に食事を済ませコレを着ておけ…」
アリスが1枚の囚人服をリズベットに放り投げ、牢の鍵をかけ出ていくとリズベットは朝食を食べ始めた…温かいスープに柔らかなパン、こんがりと焼いたベーコンとソーセージ、屋敷の庭で採れた新鮮な野菜を使ったサラダ…つい昨日のことだが、たった1日で自分の置かれた立場が大きく変わったことを改めて思い知らせた。
リズベットは、固いパンを水で無理やり飲み込むと、アリスから渡された囚人服を手にする…おそよ服と呼べるものではなかった。
簡単に言えば麻袋に顔と両手が出る穴を空けたようなもので、着るというより頭から被るという感じだ。
丈は短く少しでも屈めば尻が見えてしまうほどだが、全裸のまま牢に放り込まれたリズベットには有り難いものだった。
暫くしてアリスが戻ってきた…アリスはリズベットに手錠をかけると牢の外へと引っ張り出した。
また取り調べ室へと連れていかれると思ったリズベットだが、アリスは地上に上がる階段はと向かった。
地上への扉が開くと思わずリズベットは目を細める…朝の光がこれほど眩しいものだったのかと思う…空気も淀んだ地下とは違い清々しいもので生き返った気がした。
そんなリズベットだが、すぐにそれが間違いだと気づいた。
アリスに手綱を引かれ官舎の中を歩かされるリズベットに行き交う団員たちの好奇な目が向けられたからだ。
リズベットの取り調べは団長であるダーウェルが行っていることは、団員全員が知っていることであり、地下で行われる取り調べ…特に女に行われるソレがどういうものかを知っていただけに団員たちの視線は厭らしく、リズベットにもハッキリと分かるほどだった。