2025/08/15 06:38:56
(9S1ziNih)
「リーゼロッテ様…メイサ様は、どうされるおつもりですか?」
ベッドの端に背中を預け煙草の煙を大きく吐き出したリーゼロッテにアレクは尋ねた。
メイサを散々にこき下ろしたリーゼロッテが、メイサを責めたバイブを舐めさせ綺麗にした後、ようやく椅子に拘束されたメイサを解放した。
親友だと思っていたリーゼロッテに裏切られたことと、その元親友にあられもない恥態を晒したダブルショックで解放されたにも関わらずメイサは立ち上がることもできなくなり、そのままアレクの部屋で眠らせることとなった。
その一方でアレクがリーゼロッテの寝室のベッドにいるのは、リーゼロッテの出した同衾の権利を行使したためだ。
取り引きを持ち出した当初は、リーゼロッテもサリーナやメイサと同じように堕とすつもりだったが、プリムローズ家の滞在時間の残りを考えた時、リーゼロッテを服従させるより同盟関係を持った方がいいと結論付けたのだ。
この同盟関係…一見すればリーゼロッテに有利なものだが、実はそうではない。
リーゼロッテにすればメイサと不義を働いたアレクにも、あの録画した映像は、アレクがマスクで顔を隠しているとはいえ、決定的なモノと考えているようで、メイサ同様レイウスに報告すればアレクを破滅させられると思い込んでいる。
もし仮にリーゼロッテがレイウスにあの映像を見せたとしても、メイサがあの1件は、リーゼロッテに薬を盛られ嵌められたとレイウスに訴えればレイウスはリーゼロッテよりも妻の言葉を信じるに違いない。
アレクとの不義を認める訳にはいかないメイサにすれば、おそらくそうするだろう…あと、リーゼロッテが調べたアレクの過去についてもメイサの口からリーゼロッテの作り事だと言わせればいいだけ…
リーゼロッテは、そこを読み違えているのだ。
あの映像は、リーゼロッテにとって諸刃の剣だと気づいていないのだ。
「そうねぇ…どうしようかしら…とりあえずメイサには、暫くここに滞在してもらうわ…すぐに帰しては勿体ないもの…レイウス公には、メイサの名で伝言を飛ばしましょう…私に引き留められたとか適当に…」
改めてリーゼロッテのメイサに対する妬みの大きさに呆れるが、連日の貴族としての振る舞いを押し付けられているアレクにとって面白い余興となるのは間違いない。
今のところはリーゼロッテに自分が優位な立場であると思わせるのが得策であり、敢えてアレクはリーゼロッテの機嫌を取るよう振る舞った。
「私にいい考えがあります…実は休日を頂いた時に街に出かけましてね…その時に知り合った男がいるんですが…この男…街で裏社会の顔役でして…街で娼館など幅広く手掛けてまして…そのひとつに見世物小屋があるんです…もちろん動物を見せるわけではありません…お察し通り女です…」
アレクの話に興味を持ったようでリーゼロッテは、「それで?」と不敵な笑みを浮かべた。
「リーゼロッテ様は、厄介な取り引き相手がいると仰ってましたよね?その相手にメイサを賄賂として渡すんです。
見世物小屋の男には、借金に困った貴族と紹介してストリップをやらせて、その取り引き相手には公爵夫人だと明かした上でを見世物小屋に招待して…
一介の商人が公爵夫人を玩具にできる機会などあるはずもありませんし…口外もしないでしょう…自分の身が危険に晒されますから…どうでしょう?メイサは、借金に困った貴族として見物人の前でストリップ…リーゼロッテ様は取り引きか上手くいく…一石二鳥だと思いませんか?」
何か勘違いされてるなぁ…とは思っていましたが…そうですか…リズベット…どんなイメだったんでしょう?興味があります。
もしよければ教えてもらえますか?