2024/10/19 23:47:35
(NGVGctf6)
「ただいま戻りました…遅くなって申し訳ありません…デオドール様とのお話が長引いてしまい…」
アレクが屋敷に戻ったのは、サリーナと再び街に出かけると約束した日の昼前だった。
予定では出かける先日には戻るつもりだったが、思っていた以上にデオドールへの報告に時間がかかったのだ。
馬から降りたアレクに抱きつき心底安心したようなサリーナ…帰りが遅れることを伝える術もなく、出先で何かあったのではないかと夜もほとんど眠ることができなかったのか、目の下にはクマができ少し窶れたように見える…
「サリーナ様…ちゃんと睡眠はとられましたか?顔色が悪い…少しお休みになられては?私も少し眠りたいと思いますので、お出かけは、そのあとに…」
「無理をしなくても大丈夫ですよ…」とサリーナはアレクに気をつかうが、「出かける」というアレクの言葉にどこかの嬉しそうでもあった。
街に出かけることは、長い間、床に伏せっていたサリーナにはアレクたち普通の人間には想像もつかないほと楽しいことなのだろう…だが、それだけではないとアレクは感じとっていた。
サリーナに快楽を教え込んできたが、丸2日間も放っておいたことはない…道具によるオナニーは日課にさせたが、アレクが相手をしない日はない…サリーナの嬉しそうな表情の中にはアレクとの行為を期待するものが含まれていると…
これは、サリーナのアレクへの依存度が高まった証でもあり、急遽デオドールへの報告に出かけなくてはならなくなったが、意図せずアレクの企てが順調なのを証明することにもなったのだ。
「デオドール様とのことは、街へ向かう馬車の中でゆっくりとお話しますので…」
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「それで姫のご様子は?」
「はい…レイウス様からお預かりして薬を飲みはじめから病症は明らかに良くなりました。近頃では少しずつてすご、外出もできるようになっただけてなく、たしょうの運動をされても発作も出なくなりました。
食欲も旺盛で、お窶れ気味だったお顔も血色が良く…私は医師ではありませんが、もうご病気のほうは大丈夫かと…」
アレクは、サリーナの状態をこと細かくデオドールに報告した。
サリーナの言った「ザーメンミルクのおかげで…」などとは言えるはずもないが…
「そうか…それはよかった…レイウス様もお喜びになるだろう…姫は勿論たが…お立場上、愛する娘を僻地に幽閉せざるを得なかったレイウス様の心情をお察しすると…」
アレクの報告を受け、デオドールはホッとしたように呟き、目にはうっすらと涙を浮かべた。
フローレンス家を支える2大貴族家…そのひとつはグラベル家なのだが、デオドール家は、謂わば下級貴族…帝都にある王立学校で同郷であることからレイウスと親交を結んだ関係…本来ならばレイウスの側近になることはあり得ないのだが、デオドールは優秀で王立学校を首席で卒業したほど…
国元に戻り先代に仕えることになったが、レイウスの代になり取立てられ右手にまで上り詰めた人物…レイウスは友であり恩人でもあり、その娘となれば自分の娘のようにサリーナを大事に想っていて、その涙は本物であった。
「城に戻り次第、レイウス様にはお前の言葉を伝える…きっとすぐにでも姫へ迎いをだすことになるだろう…長い間、お前にも苦労をかけたな…今しばらく姫の事を頼むぞ…」
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馬車の中でサリーナはデオドールとの事を聞いて涙ぐんだ。
「ここでの暮らしもあとひと月ほどです…もっと元気になってレイウス様やメイサ様にお会いてきる日を待ちましょう…それと城に戻れば私たちの関係もどうなるかわかりませんし…今は2人の時間を思いっきり楽しみましょう…」
どうなるか分からない2人の関係…その言葉にサリーナは一瞬哀しそうな表情を浮かべた。
サリーナもアレクの婚姻が、すんなりと認められるとは思ってはいないようだが、唇を噛み締め何かを決意するような様子をアレクは見逃さなかった。
サリーナのその表情がアレクの思惑通りであるにしろないにしろ、残されたひと月という時間を無駄にはできない…
「今日は街をゆっくりと散策して海の見えるレストランで夕食をとったあと、公園に行きましょう…」
テオドールは兄のよう…とありましたが、レイウスと同級にしました。
背景とこ色々考えて話を進めていくつもりですが、どこかで辻褄が合わないこともあるかと思いますが、ご容赦ください。
メイサについては、希望を言うかもしれませんが、お互い楽しく進められるといいですね。
返信のことは、お気になさらずに…ゆっくりと考える時間があ
ると思えばいいので…