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2022/07/16 15:31:57 (m9UOQMXj)
幼馴染の夏芽と貴方
高校生になっても2人で登下校し、休みの日は2人で遊んで…。

付き合うとかそういう話は未だないけど、どこかで結婚してずっと一緒にいるんだろうな…なんて思っていた貴方ですが、ある夜とあるサイトを見つけてしまい…。

そこのサイトには夏芽が義父から調教されている動画が大量に投稿されており…。


NTR、BSS的なイメになります。
流れは相互1、2レス程度幼馴染シーンを行い、その日の夜の新着動画内シーンに映るような形で多ラウンド的に行えたらと思っています。夏芽の調教に対するスタンスは嫌々です。

こちら返信遅めですのでご了承ください。


【好み/躾/尊厳破壊/言葉責め/露出/絶頂責め/小スカ(大スカも一応可)】
 
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459
投稿者:遠藤拓海 ◆Y2PumnYwuE
2023/06/25 19:36:28    (2z0Kd70A)

「そうなんだ…ふたりとも未成年だし難しいかもね…それにしても夏芽ちゃん、やるじゃない!駆け落ちなんて…勇気あるわね…」


昨夜、次郎から佐竹に夏芽がいなくなったと連絡があり、その時一緒にベッドにいた美紀も夏芽の駆け落ちの話は既に知っていた。
愛人である佐竹の親友であった次郎だが、美紀本人は次郎に対していい感情は抱いてなく、次郎が夏芽にしていることに腹ただしささえ感じていた。
それだけに夏芽の力になってやりたいと思った。

「今、どこにいるの?へぇ…結構遠くまで行ったんだね…あのね…夏芽ちゃん…ウチのジム…隣の街にもう一軒ジムを開設するの…そこで新しく人を募集してて…またこっちに戻ってこないといけないけど、そこで働いてみる?社長には私から頼んであげるから…OKが出れば多分住むところも大丈夫かも…そこのジム…ウチの持ちビルで上の階に空き部屋があるから…」

美紀からの話は夏芽たちにとって願ってもない話だが、気がかりがないわけでもない…社長の佐竹と次郎の関係だった。
佐竹から次郎に話が伝わるとことは十分に考えられる…そのことがあり返答に困っていた夏芽だった。

「大丈夫…社長には黒崎さんに黙ってもらうよう私から言うから…」


美紀は夏芽の気持ちを察し、そう告げた。

「とりあえず彼氏…拓海クンだっけ?相談して返事をちょうだい…」


…………


美紀は電話を切ると社長室ねと出向いた。

「夏芽ちゃんから美紀に電話?そうか…やっぱりたいへんだろうな…高校生が駆け落ちなんて…うん…わかった…黒崎には黙っててやる…夏芽ちゃんたちさえよければ働いてもらおうか…」

佐竹が頼みを聞いてくれるとは思っていたが、想像以上にアッサリとOKを出したことに少し驚いた。
次郎とは女のことでは誰よりもウマが合う佐竹…そな佐竹が次郎に黙っているというのは、何か別の魂胆があるに違いないと美紀は思った。

「社長…まさか夏芽ちゃんに…ほどほどにしてくださいね…まだ高校生なんだから…」

「何バカなこと言ってるんだ…お前は…」

佐竹はそう答えながらニヤリと笑みを浮かべた…



458
投稿者:黒崎 夏芽 ◆vy.SQ3GcuQ
2023/06/25 18:09:42    (KpgOEFcU)


「あ、おはようっ。先に目が覚めたし、コンビニでご飯買ってきたよ。」

拓海より先に目が覚めた夏芽は身嗜みを整え、コンビニでパンなどを買ってきておいた。
疲れもあってぐっすりと眠り、朝早くに自然と起きた。

「もうっ、寝癖ついてるぞっ!早く起きろーっ!あははっ!」

ベッドの上で未だ眠そうにしている拓海に飛びかかり、ぐしゃぐしゃっと髪を触る。

昨晩、身体を求められることを覚悟していたが、何もされなかったことで拓海に対する信頼が一段と上がっており、スキンシップも激しくなっていた。
胸や太ももを拓海の身体に押し付けてじゃれるが、朝の寝起きということもあり、布団の中で硬くなっている拓海のものに気がつき…、

「あ…っ、えっ、えっと、じゃあ、ご飯食べて準備したら早速チェックアウトしようか…」

ボッと顔が赤くなり、わたわたとベッドを降りて椅子に腰掛ける。
食事を摂り、希望を持って意気揚々とホテルを出たものの、やはり不動産会社はまともに取り合ってくれず、住み込みのバイトをやっていそうなお店などに飛び込んでみるも、成果はなかった。

(そりゃそうか…、未成年でお金なくて、保証人もつけられないんだからなあ…。)

「やっぱりそう簡単にいかないよね…、拓海は本屋とかで求人雑誌でも見てきて。もしかしたら住み込みの求人とかあるかもだし…、私は美紀さんに電話してみる。」


夕暮れ時になり、途方に暮れて公園のベッドで一休みする二人。今日もラブホテル泊まりになりそうだった。
今日の宿泊は大丈夫だが、これが続いていればいずれ資金が底をつく。
二人は少しずつ焦りを覚えていった

電話をかけるためスマホを取り出してみると、次郎と美奈子から数十回ほど電話がかかってきていた。

(お母さん心配してるのかな…、お義父さんはそうじゃないだろうけど…。)

掛け直すことは当然せず、美紀に電話をかけると、数回の発信音の後、美紀に繋がった。

「あっ、美紀さんっ、あの、まずはごめんなさい…、急にバイト辞めなくちゃいけなくなったんです…。」

美紀に簡単に町にいられなくなった事情を伝え、住むところや働く場所に困っていることを伝えた。

【いえ、ご提案ありがとうございます!】
457
投稿者:遠藤拓海 ◆Y2PumnYwuE
2023/06/25 12:43:35    (R1XFh3ZS)

「美紀さん?へぇ…ジムのバイト先の…そうだなぁ…明日もまた不動産屋とか店とかあたってみるつもりだけど簡単には見つかりそうにもないし…うん…1度美紀さんって人に相談してみて…」


お互いシャワーを浴び、明日からの相談をする…夏芽の話に同意し、ホテルに入る前にスーパーで買った値引きされた弁当を食べた。
汗を流しお腹が膨れると1日中歩き回った疲れがどっと押し寄せる。

「まだはやいけど…もう寝ようか…明日もたいへんだし…」

一つしかない大きなベッドに2人て潜り込む…仕方なくとはいえ2人で泊まることになったラブホテル…
なんとなくソワソワして疲れているはずなのにすぐには眠れなかった。
幼い頃は一緒に1つ布団で寝たこともあったが、落ち着かないのは夏芽も同じなのか背中を向けたままだ。

(ヤバい…こんなんじゃあ寝られない…)

2人で暮らす…それはともに生活をすることで、当然それにはセックスも含まれる…拓海が夏芽を求めれば拒否はしないだろうが、義父とのこと…三宅のこと…夏芽のされてきたことを考えると…

夏芽は拓海にも犯されると覚悟をしていたが、あのレイプ事件は美奈子とのプレイにすぎず、本来の拓海のもつ性癖ではない…夏芽の大事さを知らされた今、疲れいる夏芽に己の欲求をぶつけることはできなかった…

しばらくして夏芽の寝息がして、拓海もいつの間にか眠りに落ちていた…



提案にのって頂きありがとうございます。
とりあえず美紀と電話で相談することにしましょう。



456
投稿者:黒崎 夏芽 ◆vy.SQ3GcuQ
2023/06/25 11:40:51    (KpgOEFcU)

「はあ…、ごめんね、私のせいで…」

不動産会社を数件あたったがほとんど相手にされず、ダメ元で個人経営のお店をあたってみるも、そう都合がいいことはなく、途方に暮れてしまった。
希望に溢れた駆け落ちだったが、初日から現実を知ることになってしまった。

夕暮れ時になり、ため息をついて拓海に謝ると、「そんなことない」と拓海は言ってくれるが、

(私が拓海を巻き込んだんだ…、明日もどうにもならなかったら、風俗とかもあたってみよう…)

うまくいかないことに焦り、拓海が反対すると知りながら、密かに覚悟を固めていった。

「うう…ん、ホテルとかは高いよね…。公園かどっかで寝るにしても、補導されたら連れ戻されるかも…」

途方に暮れながら駅まで戻ると、駅前にはホテル街が広がっていることに気がつく。

「あれ、意外と安い…?…あ、御休憩とか書いてる…。」

この辺のホテルは思ってたより安い、と思ったが、『御休憩』という言葉を見て、どういったホテルのなのか理解して頬を赤く染める。
とはいえ、普通のホテルよりも一泊料金が安く、無人受付であることもあり、ここに泊まることにした。

「んん~っ、ベッド大きくて気持ちいい…っ!…はぁ、今日は疲れたね…。」

大きなベッドに飛び込み、疲れた身体で伸びる。
このまま目を閉じたら眠れそうだが、まだまだやるべきことはある。

「うん、これからどうするか考えないとね…。じゃあ、先お風呂いいよ。それとも一緒に入る?…えへへっ、冗談だって!」

拓海のシャワー音を聞きながら、ソファに腰掛け、リモコンでテレビの電源をつけると大画面に男女の営みが映し出される。

(うわっ、びっくりしたっ!…、いっぱいエッチなことしてきたけど、そういえばラブホテルは初めてだな…。仕事どうしよう、ジムのバイト経験あるとはいえ、普通のバイトじゃなかったしなあ…)

AVが映ったテレビを消し、ぼーっと天井を眺めながら考える。
ジムでのバイト経験ありではあるが、インストラクターとかではなく、破廉恥な格好して男性を喜ばせていただけなのは理解している。

(ん?そういえば、美紀さんなら何かお仕事とか知らないかな…。風俗で働くにしても、未成年だとまともなところで働けないだろうし…)

風呂から上がった拓海と入れ替わるようにシャワーを浴びる。一日の疲れが泡と共に流れていく。
その時、思い出したのは美紀のことだった。身近で頼れる大人であり、簡単な相談に乗ってもらったり、勉強を教えてもらったこともあり、夏芽はかなり慕っていた。

「明日も何軒か行ってない不動産会社に行ってみて、ダメならまたお店を回ってみよっか。もし明日見つからなかったら、バイト先のお世話になってる人に相談してみようと思う…その人は女の人で頼りになる人だから、何かいい方法教えてくれるかも…」

シャワーを終えると明日について打ち合わせする。拓海から石鹸の香りがして意識してしまい、少し頬を赤らめるが、拓海も同じであったことは気が付かなかった。

そして、明日に備えて寝ることにし、二人で同じベッドに入る。

(拓海に犯されるんだろうな、ラブホテルだし…。好きな人相手ならセックスも楽しいのかな…。)

背中合わせになって目を瞑るが、鼓動が高鳴り、とても眠れない。
二人っきりで同じベッド、それに手を出されても夏芽は逆らえない状況。
これまで出会ってきた男からすると、夏芽は確実に犯されると思っていた。
セックスは気持ちいいものの、我を失うほどの快感だったり、頭が書き換えられるような感覚がして怖いものだと感じていた。

ベッドに寝転んでからしばらく、拓海は未だ夏芽に背中を向けたまま。

(あれ…?何もしてこない…。拓海は他の男の人と違うのかな…。大切にしてくれるのかな…)

拓海とセックスしたいと思う気持ちもあるが、それ以上に恐怖もあった。
しかし、拓海が何もアクションを起こさない様子に安心し、ゆっくり眠りについた。



455
投稿者:遠藤拓海 ◆Y2PumnYwuE
2023/06/25 06:23:11    (hAbp259.)

「そうかも…でもダメ元で不動産屋にあたってみようか…」

夏芽とふたりで何軒かの不動産屋をあたってみたが、予想通りだった。
見るからに高校生らしき二人に部屋を貸してくれる不動産はない…親の同意書が必要だとか身元保証人がとか…加えて敷金礼金の話をされては今のふたりにはどうにもならなかった。
これまで1人前のようにできていたのは親のおかげだと痛感させられた。

「やっぱり夏芽が言ってたように住み込みで働かせてもらえるところを探すしかないよな…」

不動産屋を何軒も周り、ふたりはコンビニでパンと牛乳を買って遅い昼食を海の見下ろせる公園でとっていた。

「海って薬飯いいよな…絶対この街で住むとこと仕事さかさなきゃな…」

海…夏芽にとっては三宅たちとの合宿を思い出させるものであったが、拓海の言葉に「うん…」と頷いた。

「このあと色んな店…飛び込んでみよう…」


パンを食べ終わるとふたりは、あちこちの店に飛び込んで「働かせて欲しい…」と頼んでみた…当然といえば当然、そんなに都合よく見つかるはずもなく、いつしか日は傾きかけていた。

「やっぱり簡単には見つからないな…それにしても疲れた…どうしよう?今日の夜…」

拓海1人なら公園で野宿してもいいのだが、夏芽をそんなところで野宿させたくはない…かといって必要以上の出費も避けたいところだ。

とりあえず駅に荷物を取りに戻った時、駅裏のいくつもの派手なネオンの看板が目に入った…ラブホテルだった。
入口には料金表が掲げられいて、泊まりなら普通のホテルより安く済むことを知り、ふたりは、その中でも料金の1番安いラブホテルに入った。
料金が安いだけに部屋にはドンと大きなベッドがあって、その脇に小さな2人がけのテーブルとイス、トイレと風呂はついているが、いかにも「する」ためだけの部屋…

「早く住むとこ探さなきゃな…」

拓海にとってラブホテルは初めて…仕方ない状況とはいえ、夏芽とラブホテルにいるということに妙にドキドキとしてしまう…

夏芽はラブホテルとか来たことあるんだろうか…ふとそんなことを考えてしまい、慌ててそれを打ち消す…そこから守るために2人で家を飛び出したのだから…

「先にお風呂に入って…お風呂から出たら明日のことを相談しよう…」


…………

拓海と夏芽が海の見える街を歩きまわっていたころ、学校では、拓海が三宅を殴ったことが既に広まっていた。
拓海が夏芽の腕を掴んで学校から足早に帰っていくのを見た生徒…
拓海や夏芽が揃って学校を休んでいること…
2人との連絡が取れないこと…
それらの理由で「2人は駆け落ちした」という噂までもが流れていた。
だが、夏芽の動画についての噂にものぼらなかった…

拓海に殴られ夏芽を連れ去られた三宅…この時点で2人が駆け落ちした確証もなく、また仮に噂が本当だったとしても動画をバラまく気はなかった…
あの動画は自分だけの「夏芽を脅す道具」であり、夏芽が居なくなり脅しの道具としての役目をなくしても、自分だけの「オカズ」…オカズを他人に分けてやりたくはないセコい考えのお陰で流出を間逃れていた…



この先ですが、夏芽ちゃんに風俗もいいですが、仕事も住むところも見つからず困り果て、考えた末に頼ったのは、ジムのインストラクターの美紀…どうでしょうか?
454
投稿者:黒崎 夏芽 ◆vy.SQ3GcuQ
2023/06/24 18:00:35    (.NltEvxy)

「な、なっ、夏芽ちゃんがっ!?私知らないですっ、拓海くんとは仲違いしてからあまり話もしてなかったみたいだし…」

夜勤明けで寝ていた美奈子は次郎の怒号で目を覚ます。
差し出された置き手紙を読むと、目を見開いて固まってしまった。
次郎から疑いの目を向けられるが、左右に強く首を振って否定する。
実際、夏芽は拓海との付き合いは消えていたと思っていたし、何より美奈子自身、負い目から夏芽を遠ざけていた。

(二人とも心配だけど…、でも、これで良かったのかも…。拓海くんと仲直りできて一緒になれたなら…。)

ーーーーーーーーーーー

「そうだね…、お金にも余裕はないし、お仕事とかも探さなきゃね」

リュックをコインロッカーにしまいこみ、今後について考える。

(もし、どうしてもお金に困った時は風俗だってなんだってやってやるんだから…。生半可な気持ちじゃこれからは厳しいだろうし…)

家を飛び出して、学校の友達や親などを振り切る形で出てきた二人。こうなった以上何でもする覚悟を決めていた。

「不動産会社行っても、多分審査とか通らないよね…。未成年二人だし…。どこか住み込みで仕事できるところとか探した方がいいかも。個人経営の食堂とか、二階で住まわせてもらったり…、みたいな?」

未成年二人で住むところを見つけるのは簡単ではない。とはいえ、補導を考えると野宿するわけにもいかず、今日中に住む場所を見つける必要があった。
453
投稿者:遠藤拓海 ◆Y2PumnYwuE
2023/06/21 04:19:01    (3Ag9tClz)

「逃走は北って…それドラマとか映画みたいじゃん!北もいいけど…俺たちは逃げるんじゃない…新しく出直すんだ!だから…南へ行こう…もっとも夏芽と一緒ならどこでもいいんだけど…」

拓海の提案に夏芽は頷いた…「逃げるわけじゃない…」拓海の言葉には夏芽への想いが詰まっていた。
この時はまだ予想以上の困難が待っていることなど思いもせず2人は自分たちの未来が光り輝くものだと信じていた。

「そろそろ時間だな…行こうか…」

東の空が明るくなりはじめたころ、2人は駅へと向かった。真っ赤に染まる朝焼けの空の下、2人を乗せた電車は南へと走り出した…


………

「お、お父さんっ!た、拓海がっ…拓海がこんなもの残して…」

拓海と夏芽の電車が出発した頃、目を覚まし拓海のメモを見つけた拓海の母親が父親を起こしていた。

「ど、どういうことだ?夏芽ちゃんと行くって…な、何かあったのか?あの2人…お前…何も聞いてないのか?」


夏芽の家でも時を同じくして先に目を覚ました次郎が夏芽のメモを見つけ美奈子を叩き起こしていた。

「あの2人…別れたんじゃないのか?美奈子…お前、夏芽があのガキと居なくなること知ってたんじゃないだろうな?どうなんだ?」

次郎にしてみれば、美奈子に拓海を誘惑させ、その現場を夏芽に見せることで2人が不仲になったことと、このところの調教で夏芽が快楽に溺れ出していただけに夏芽の家出は予想外のものであった。

三宅という男の存在も夏芽を追い込むことになっていたが、次郎は三宅の存在には気づいておらず、自分がアップした夏芽の動画が全ての原因で、自業自得といったところだ。

(くっそぅ!夏芽のヤツ…必ず見つけ出してやるからな!)


……………

何時間か電車に乗り、2人ご降り立ったのは、海が近くにある大きな街…
これから2人は住むところを探し仕事も見つけなければならない…ある程度の都市でなければ…と2人で決めたのだ。

「う~ん…風が潮の香りがする…ここが俺たちの街になるんだ…とりあえず荷物はコインロッカーに預けて住むところを探そう…」






452
投稿者:黒崎 夏芽 ◆vy.SQ3GcuQ
2023/06/20 22:08:47    (xdsMnFJp)

悩んだ末、書き置きの横にメモを一つ残して家を出た。
書き置きには、『お義父さんへ。お母さんをよろしくお願いします』とだけ、書いておいた。

まだ約束の時間には全然早いが、次郎は勝手に夏芽の部屋に入ってくるし、いつばったり出くわすかわからず、そっと裏口の窓から外に出た。

深夜に一人で出歩くのは初めてで、補導などされないか、ビクビク怯えながら公園を目指した。

「ふぅ…、怖かった…。暗めの公園だし、ベンチで待ってれば見つかったりしないよね…。」

公園に着くと、ベンチに腰掛けて約束の時間を待つ。
電灯が少なくて薄暗い公園は、一人で待つ分には心細く、嫌な想像ばかりしてしまう。

(お義父さんにバレてて連れ戻しに来たりしたらどうしよ…。そもそも拓海来なかったら…。)

グルグル嫌なことばかり考えてしまい、ベンチに深く腰をかけて星空を見ながらひたすら待った。

「ううん、全然待ってないよっ。さっき来たばっかり。」

本当は2時間近く待っていたが、背後から拓海の声がして、満面の笑みで出迎える。
約束通り来てくれたことが何よりも嬉しかった。

「あ、あはは…、うん、ちょっと寒かった…。あったかいし、拓海の匂いがする…」

全然待ってない、と強がったものの、少し肌寒くて震えていたのがバレ、そっと上着をかけられる。
優しさや温もりに触れ、隣に座る拓海に肩を寄せる。

「早く朝になるといいね…、北の方に行こうよ。こういう逃亡する時はそういう決まりじゃない?」

手を握り、身を寄せ合いながら戯れて笑い合った。
今この瞬間だけは誰の邪魔もない二人だけの世界だった。
451
投稿者:遠藤拓海 ◆Y2PumnYwuE
2023/06/20 21:32:07    (BiySDqNB)

さすがにこの時間になると、街はしんと静まり返り人影はない…たまに通り過ぎる車のライトに気づくと物陰に身を隠した。
夜間パトロールのパトカーにでも見つかったら間違いなく職質される。
もしそんな事になったら夏芽との約束も果たせず、今回の計画も親に知れてしまうだろう…

足早に待ち合わせの公園へと向かう…まだ約束の3時より早く着いた。
公園へ足を踏み入れると、すでに公園に着いていた夏芽が拓海の元に駆け寄った。

「ごめん…待たせちゃった?」

どうやら夏芽は1時間以上前から公園に来ていたようだった。
始発まで2人は公園の遊歩道脇の東屋で時間を潰すことにした。

「寒かったろ?」

拓海は、自分が羽織っていた上着を夏芽にかけてやる…もうすぐ夏ではあったが、この時間はまだまだひんやりとして、長い時間公園で待っていた夏芽は少し肩を震わせていた。

拓海は夏芽の肩を抱き手を握った…その手の指には、おもちゃのリングがはめられたまま…

「俺…頑張って…いつか本物の指輪をプレゼントするから…」

夏芽は「うん…」と頷いた。



450
投稿者:黒崎 夏芽 ◆vy.SQ3GcuQ
2023/06/19 18:24:37    (iBdtQJV/)


無言で抱きつき、拓海も夏芽の背中に手を回し、抱きしめる。
すれ違いあった二人だったが、抱きしめ合うとやっと一つになれた実感が湧き上がる。

「え…っ、い、嫌かも…、家帰るの…」

拓海から一旦家に戻って支度しよう、と提案されると、表情を曇らせて嫌がる。

(お義父さん家にいるはずだし、お母さんは確か夜勤だけど…。動画のことがバレてたら面倒だし、事が大きくなってたら最悪お母さん家にいたり…)

と考えるが、「制服のまま夜中や平日動いてたら警察に補導されちゃう」と諭され、仕方なく頷く。

「絶対来てね、3時だから寝ちゃわないようにね。やっぱりやめた、とか絶対嫌だからねっ」

別れ際になれば寂しくなってしまい、自分でも鬱陶しいと思いながらも何回も確認してしまう。
その度に拓海が苦笑いして優しく頭を撫でてくれた。

「拓海が望むなら、エッチなことだって何だってする…、恥ずかしいこととか、あと、痛いこととか全部頑張る…。だからずっと一緒にいてね…」

夏芽はそうして拓海の手を両手で包むように握る。美奈子のレイプ事件から拓海の性癖がサディスティックなものと勘違いしているが、それでもいいと口にする。
拓海は夏芽の痴態を思い出して表情を曇らせるが、夏芽は首を振って続けた。

「ロマンチックな話じゃないけど…、でも大事な話だと思う。だって、私たち、け、けっ、け…結婚するでしょ…?将来…」

そう言って顔を真っ赤にして俯いた。
今はまだ子供で到底結婚なんか無理だが、結婚も夢みている。そういう意味でも拓海を選んだということ。

「ね、私さ、まだこれ持ってるんだよ?拓海が昔お祭りの屋台でプレゼントしてくれたやつ。もう一回、プレゼントしてくれてもいいんだけどなあ…」

スクールバックのポケットから取り出したのは、小さい指輪のおもちゃ。リングにハートの石が埋め込まれたソレは300円くらいで売られていたおもちゃだが、当時プロポーズされたような気分になったのを覚えている。

拓海にリングを渡し、そっと左手を差し出す。
恥ずかしそうに手を取る拓海と目が合い、クスクス笑い合って、左手の薬指にリングが通った。

プレゼントされた小学生のときはブカブカで入らなかったけど、今は少しキツイくらいだった。

ーーーーーーーーーーーーー

(玄関から入ったらお義父さんに見つかるかも…。裏口のほうの窓、いつも鍵開けてるし、そこからこっそり中に入ろう…)

自宅に着いたものの、義父に会うのは嫌で、ローファーを脱いでこっそり窓から侵入する。
足音を立てないように忍足で二階の自室へと向かった。

「バイト代、手伝いの名目だからほとんどないけどちょっとは足しになるかな…。着替えは適当に詰めて…っと。…下着、ポケット付きのしかないけど、仕方ないか…」

ジムのバイトは手伝いという形だからほとんどないが、お小遣い程度に貰っていた。貯金箱を崩し、数万円程度のお金を封筒に詰めてリュックに入れる。
着替えを二、三日分入れ、リュックのチャックを閉めた。

「黙って出て行くと…、警察に通報されて面倒になるかな…。それにお母さん、泣いちゃうかも…。書き置きくらいして行くか…」

『拓海と一緒になります。お母さん、今までありがとう。そして、ダメな娘でごめんなさい』

(こんな感じかな…?お礼と謝罪も入れられたし、長々と書いてもね…。まだ1時前だけど、早く家出ちゃお…。)

制服から動きやすい格好に着替え、そっと自室を出た。

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