2016/07/12 12:59:07
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僕が幼稚園の頃、近所に住む子供たち4人で軍団が出来ていた。夏休みにもなれば、毎日4人で遊んでいた記憶がある。
でも小学生になると、学年やクラスが変わってしまって、この軍団も自然消滅をしてしまいます。
小学4年になった僕。ある日、母から『塾に行きなさい。もう頼んであるから。』と言われました。訳もわからず、その塾に向かいます。
普通の民家でした。講師のお婆さんが元先生をやっていて、退職後に自分で塾を開いたのだと思います。
部屋に入ると、大きなテーブルに生徒8~10人が輪を作るように座って勉強をしていました。その中に彼女を発見したのです。
軍団の中では一番年上だった高畑さんでした。6年生なので、僕より2つ年上です。昔はよく遊んだけど、さすがに歳月が経っています。
すぐには話しなど出来ません。小学生で2歳離れると、思った以上にお姉さんです。もう遠い存在になっていました。
ところが、塾の休憩の時間に彼女が話し掛けて来ました。幼なじみなのを度外視して、以降仲良くなって行きます。
テーブルを囲ってという勉強システムなので、自分の席などなくて、好きな場所に座ることが出来ました。彼女はいつも僕の隣に座りました。
バスケ部だった僕。ある日、先輩から『高畑がお前のこと好きだって言ってたぞ。』と聞かされました。全く予期していませんでした。
仲がいいお姉さんと思っていただけです。小4の僕に恋愛感情なんていう回路は、まだありませんでした。
『このお姉さんが僕のことを好き。』、嫌でも意識してしまいます。かといって、付き合うとかそんな感じはありません。そこまで気が廻らなかったのです。
時間ギリギリで高畑さんが塾に飛び込んで来ました。慌てた様子でした。『変な人につけられたぁ!』と先生に話し、みんなが耳を傾けました。
来る途中で、不審者につけられたようです。一通り話を聞いた先生は『ユーくん、一緒に帰ってあげて。』と言います。確かに帰る方角は一緒ですから。
不審者が現れても何も出来ませんが、とにかく彼女の護衛として帰ります。それは5~6回続きました。
その頃から、テーブルの下で彼女から小さな紙切れ(手紙)を渡される事が多くなりました。『今日も一緒に帰ろ。』とか、最初はその程度のことでした。
ところがいよいよ内容が、『私、好きな人がいます。誰でしょう?』とその手の手紙になってきます。最終的には『ユーくんです。』と告白されてしまいました。
その日の帰り、外灯の少ない道でキスをされてしまいました。今考えると、うちの嫁はマセてたんですねぇ。