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2015/06/21 04:34:02 (w0ZiyAa1)
義母の亜紀子が退院して十日ほどが過ぎました。
 また妻の由美を含めた三人の同居生活に戻り、僕も表
向きは義母との間には何事もなかったかのような平然さ
で立ち居振舞っていました。
 義母のほうも表面的には何もなかったような素振りを
見せていましたが、やはり僕とは一線を画すかのように、
おそらく意識的にだと思いますが、自分から声をかけて
くることも、視線を合わせてくることもありませんでし
た。
 それでも僕たち二人の秘め事に、まだ全然気づいてい
ない妻の由美の手前もあり、あからさまに僕を避けるこ
とはなくて、居間でたまに三人で寛ぐ機会の時は笑みを
浮かべたりして平静を装ったりしていました。
 それと幸か不幸か、由美と結婚してまだ一年そこそこ
で、入婿の僕と義母の間にはまだ忌憚なく話が交わせる
関係にまで至っていなく、お互いにまだ遠慮し合ってい
る分だけ会話が少なかったということもあり、妻の由美
に妙な不信を抱かせることはありませんでした。
 義母は松葉杖生活を余儀なくされ、普段の動きにも何
かと支障が出たり、当然一人での外出もできない状況で
したが、僕たち夫婦が(といっても僕の出番は皆無でした
が)それなりに手助けすれば、普通の生活はほぼ支障なく
できるようでした。
 それでも時折ですが、廊下や居間で二人きりでばった
りと対面し合ったり、思わず視線を合わすことがあった
りします。
 そういう時は大抵は義母のほうから逃げるように身体
をよけたり、目を逸らせていきます。
 強引で暴力的な行為ではなかったといても、あれだけ
の恥辱を僕から受けた義母です。
 それはそれで仕方のないことだと僕は割り切っていて、
特段に気に病むこともありませんでした。
 しかし義母が退院して三日も過ぎた頃には、正直なと
ころ、あの艶やかで滑らかな義母の柔肌が恋しくなり、
悶々とした気持ちにもなったのですが、そんな時には少
し後ろめたい気持ちのまま、妻の由美の弾力のある身体
を激しく求め、あの時以来、自分でも信じられないくら
いに急激に旺盛になった性欲を発散させる僕でした。
 やはり妻のいる家の中では、義母と二人きりになる長
い時間の確保は困難を極めましたが、こうして同じ家に
一緒にいることで、義母は僕とのことを断ち切り忘れる
ことはできないであろうし、僕は僕で毎日の僅かな時間
でも、清楚で気品のある色香をそこはかとなく漂わせる
彼女と対面できるのが喜びの一つでした。
 蛇足といっていいのかどうかわかりませんが、あの病
院の看護師の野村加奈子から、またしても訳のわからな
いショートメールが僕の携帯に入っていました。
 (先日は失礼しました。私の正直な気持ちをお伝えした
いので、メアドよければ教えてください)
僕にはまだ彼女の意図が何なのか皆目わかっていなかっ
たのですが、つい可愛い顔につられメアドを送ってやる
と、お礼の言葉と、自分の気持ちをきちんと整理して、
いつかまたメールします、との返信がありました。
 そして義母の退院から二週間ほどが過ぎたある日の、
家族三人での夕食時のことでした。
 妻の由美が僕と義母に向かって、
 「また急な話なんだけどね、今度は校長からの命令で、
明後日から九州の福岡である教職員研修会に行ってくれ
といわれたの」
 と切り出してきたのでした。
 「ああ、そうなの」
 と僕は口と箸を動かしながら、ちらりと斜め前の義母
の顔を伺い見ると、やはり驚きの目をして少し困ったよ
うな表情に見えました。
 「二泊三日の出張で、どこが主催するのかまだよくわ
からないんだけど、女性教員限定の研修会なんだって」
 まだ二人のことは何も知らないままの由美は、屈託な
さげに僕と義母に淡々と報告したのでした。
 「近頃の教員も大変なんだね。学校内の仕事ばかりじ
ゃないんだ」
 僕は行儀悪く口の中にものを入れながら、首を頷かせ
て他愛なさげにそういって平常を装っていましたが、内
心は卑猥で邪淫な期待感で胸が破裂しそうなくらいの思
いでいました。
 「だからあなた、お母さんの面倒お願いね」
 由美からの声かけに、僕はこくんと頷いて義母をまた
横目で見ると、彼女の眼鏡の奥の目は困惑と動揺が入り
混じった複雑な表情になっているのが垣間見えました。
 そういえば一昨日のことでしたが、義母が退院後の経
過診断で病院へ行くことになっていて、僕が仕事休んで
車で送迎しようかと由美に申し入れた時、仕事を休ませ
るのは申し訳ないという理由で義母から固辞されたこと
がありました。
 義母にすれば僕と二人きりになることだけは、絶対に
避けたいことは明白でした。
 由美の出張前夜、僕は明日から二日間の義母とのこと
を思い、いやが上にも逸り昂まる気持ちで、三十代半ば
の妻の熟れた身体を激しく貪り尽くしたのでした。
 翌朝早く、由美を駅までクルマで送り、勤務に出た僕
は午後からの休暇願いを提出して、帰宅する前にあると
ころに向かって車を走らせました。
 休暇願いの提出は、由美の出張を知った日に僕が心密
かに決めていたことでした。
 そして午前の勤務中に、僕は不埒なことを思いついて
いたのです。
 自宅とは逆方向に車を走らせ郊外へ少し出たところの
細い道沿いにある古びたテナントの駐車場に車を止めま
した。
 以前に何かの用でこの辺を走った時に気づいていた、
小さなアダルトショップでした。
 こういうところへの入店は、僕は恥ずかしながら初め
てのことでした。
 僕はダッシュボードからマスクを取り出し紐を耳にか
け車を降り、派手なポスターや卑猥な文字が書き込まれ
ているドアを開けて中に入りました。
 本当に初めての体験だったので店内での僕の驚きは尋
常をはるかに超越していましたが、二十分ほどで僕は買
い物を終え手に紙袋を提げ、その店を出て車に乗り込み
逸る気持ちで帰路につきました。
 初めてのアダルトショップでの視覚的な衝撃は、義母
と今から過ごすことに、すでに大きく興奮しきっていた
僕の昂まりをさらに増幅させるに充分すぎるものでした。
 自宅の駐車場に車を入れたのは一時過ぎでした。
 午後からの帰宅は義母には報告はしていませんでした。
 駐車場に車を入れる音で、義母は多分僕の予期せぬ帰
宅に気づくはずです。
 そのことは織り込み済みで、僕は玄関の鍵を開け中に
入りました。
 居間にも台所にも義母のいる気配はありませんでした。
 おそらく僕の唐突な帰宅に気づいた義母は、自室に引
きこもったのだと思いました。
 義母の室の入口の襖戸には施錠の装備はされていない
はずでした。
 背広からジャージーの上下に着替えてから、アダルト
ショップで買い求めたものが入っている紙袋を手に持ち、
僕は廊下を出て義母の室の前に立ちました。
 取っ手に手をかけ横に引こうとすると、中から制御す
る力がかかっていました。
 義母が不自由な身体でどうにかして、僕の侵入を防ご
うとしているようでした。
 「亜紀子、開けるんだ」
 静かな口調で僕はいいました。
 しばらくして、
 「お願い…来ないで」
 と哀しげで弱々しい声が間近に聞こえました。
 二度三度の言葉のやり取りの後、やがて義母のほうが
根負けして襖戸は開きました。
 前にも嗅いだことのある女性の室特有の艶かしい匂い
が、ぷんと僕の鼻腔を刺激的に擽ります。
 慌てふためくように薄い水色のニットのセーターとカ
ーディガンのアンサンブル姿の義母の小さな身体が、畳
の上を這うようにして後退りしていました。
 「お、お願いだから…出ていって」
 蒼白になった顔面に慄きの表情を露わにして、前に進
む僕を制止しようと、喉の奥から搾り出すような声でい
います。
 鏡台の置かれている壁にへばりつくようにして、座位
の姿勢で身体を小さく竦めていた義母の震え怯える肩を、
僕の両手が上から掴み取るように捉えました。
 揉み合いが少しの間続きました。
 蒼白な顔の義母が真剣な怒りの表情を見せて抗いまし
たが、男の力に勝てるわけはなく、いつの間にか僕の胸
の中に蹲るようにして抱き竦められていました。
 「だ、だめっ…やめて、浩二さん」
 「亜紀子、長い二週間だったよ。やっと二人きりにな
れた」
 「いやっ…い、いけないことだわ…こんな」
 「今日は死ぬほど亜紀子を愛したい」
 「だ、だめっ…こ、こんなこと」
 強く捲きつけられた僕の腕の中で、義母はか弱くもが
き、哀願的な拒絶の声を幾度となく発するのですが、当
然ながら聞く耳を持たない僕でした。
 「ああっ…い、いやっ」
 一際高い声を義母が上げたのは、僕にセーターとカー
ディガンを一気に首からたくし上げられるようにして脱
ぎ離されたからでした。
 白のキャミソールと水色のブラジャーが露呈し、義母
の細い肩肌まで露わになりました。
 胸に押さえつけるように抱き締めたまま、僕はブラジ
ャー越しに乳房をわし掴みにいきました。
 大きさはなくてもかたちよく丸く膨らむ、艶やかで柔
らかな義母の乳房の久しぶりの感触に僕の興奮はさらに
昂まっていました。
 僕の脳裏にあの風雨の山小屋の闇の中で初めて触れた
義母の乳房の感触と、病院の病室での汗に滑った乳房の
手触りが同時に思い起こされていました。
 ブラジャーの中に潜り込んだ僕の指先が、義母の乳房
の上の小さな蕾を捉えました。
 少しの力で摘まむように揉みしだいてやると、
 「ああっ…だめ」
 とか弱い声を上げ義母は顔を切なげに歪め、荒い息を
吐き続けてくるのでした。
 壁に二人でもたれかかるようにして蹲った姿勢で、僕
はまた義母の小さく丸い乳房と蕾のような乳首への愛撫
を長く丹念に続けたのです。
 荒く吐いていた息が吐息のように変わり、いつの間に
か義母から抗いの力が消えていました。
 唇を重ねにいくとほんの少しの抗いの後、歯と歯の間
はすぐに開き、義母の熱く火照った小さな舌が僕の舌に
従順に絡んでくるのでした。
 それから数分後、僕はまるで腑抜けのようにぐったり
となった義母から一旦離れ、押入れから布団を取り出し
室の中央に敷きました。
 力なく俯き壁にもたれかかっていた義母を抱き上げ布
団に運び、彼女の小さな抵抗もものともせず衣服の全て
を脱がせ、僕も素っ裸になりました。
 布団の上で横向きで全裸のみを小さく竦ませている義
母に添い寝するように僕も身を横たえました。
 義母の背中に僕は自分の胸を合わせるように密着し、
彼女の脇の下から伸ばした手でまた乳房をわし掴みにい
きました。
 義母の手がすぐに僕の手の上に重なってきましたが、
それは拒絶の仕草ではありませんでした。
 「ああ…こ、浩二さん。…わ、私」
 「ん?どうした?…亜紀子」
 「私…怖い」
 「何が怖い?」
 「こんな…こんなことになって…」
 「男と女の間には好き合ったら何もないさ。年齢差も
関係ない。身分や立場だって関係ないさ」
 「そ、そんなこといっても…」
 義母の乳房への愛撫を休むことなく僕は続けていまし
た。
 「僕たちはこうなる運命だったのさ。僕が男で亜紀子
が女。それだけのことさ」
 「ああっ…そんなこといっても」
 「難しいことはもういい。僕は亜紀子を愛したい、そ
れだけだ」
 ややあって義母の身体を僕の正面に向けると、彼女の
白くか弱い腕が、自然な動きで僕の首に捲きついてきて
いました。
 それからは激しく抱擁し合い、その抱擁の中で僕が義
母の頭を少し強引に下に下げようとすると、彼女は自ら
の意思で身体を下にずらしていき、僕の下腹部のものに
手を差し伸べ、ゆっくりと唇を近づけ、やがて口の中に
静かに含み入れてきました。
 顔を上げ下に目を向けると、僕のものを口の中深くに
含み入れた義母は薄赤く上気した顔に、官能的で恍惚と
した表情を見せていて、僕は気持ちをさらに昂ぶらせる
のでした。
 そうして布団の上で仰向けになった義母と、膝を立て
て座る僕はお互いの身体の部分を深く密着させ、しがみ
つくように強く抱き合い、唇を飽くことなく求め合いな
がら、一際高い咆哮の声をほとんど同時に上げて深い絶
頂の極みに達したのでした。
 それからしばらくの間、僕と義母は寄り添うようにし
て布団に仰向けになって、黙り合ったまま茫洋とした空
気の中にいました。
 僕の腕枕に義母のまだかすかに火照りの残った顔があ
りました。
 「亜紀子、僕は今とても幸せな気分だ。本当だよ。亜
紀子とこうなって、僕は何一つ後悔はしていない」
 天井に顔を向けたまま独り言のように僕は声を出しま
した。
 僕の本心の言葉でした。
 しばらくの間があって、
 「こんな…こんなおばあちゃんで…いいの?」
 と義母からか弱い声が出ました。
 「さっきもいったろ?人を好きになったり愛したりする
のに、年齢なんて関係ないさ」
 「でも…」 
 「世の中いくらでも高年齢差のカップルはいるじゃな
いか。僕はね、初めて亜紀子に会った時から、密かに君
に恋していた。叶わぬ願望として亜紀子をいつか抱きた
い、と思っていた。これは嘘じゃない」
 「…嬉しいわ。お世辞でもそういってもらえて」
 「お世辞なんかじゃない」
 「…ありがとう」
 「でも、勝手ないい分だけどね。妻の由美のことも僕
は愛してる。…そして亜紀子も愛してる」
 「このこと…由美に知られたら…私、生きていけない」
 「知られなかったらいいさ。二つの愛を育てるにはそ
うするしかない」
 身体を起こして僕は義母の唇を求めにいきました。
 義母も僕の動きに呼応して顔を僕の顔に近づけてきて
いました。
 二人の唇が熱い抱擁の中で長く重なりました。
 義母の唇を貪り吸いながら、僕はふとアダルトショッ
プのことを思い起こしました。
 義母をもっと虐めてみたい。
 清楚な元聖職者の義母を恥ずかしく淫らに狂わせてた
いという発想で、僕はこれまでただの一度も行ったこと
のないアダルトショップを訪ね、そしていくつかのもの
を買い込んできたのでした。
 そしてその発想の根拠は、例の封筒の中のすこし古び
た写真の義母を被写体とした数々の淫らな画像でした。
 あの写真のことについて、僕はここで今思い切って尋
ねてみようと思いました。
 「亜紀子、これからは僕には何でも正直に話してほし
い。勿論、僕も亜紀子には正直に何でも話すつもりだ」
 「………」
 賢く機転の利く義母の顔がかすかに曇るのがわかりま
した。
 僕の問いかけの意味を義母は察したのでした。
 「もう、僕もこれだけ恥ずかしいことをしてしまって
いる。亜紀子にどんな過去があっても、僕は驚きはしな
い。正直にいうと、僕は…僕もあの写真の世界の中に身
を沈めてみたいという願望がある」
 義母の細い両肩が僕の間近で小刻みに震えているのが
わかりました。
 少しの沈黙の後、
 「あれは…」
 と哀しみと不安のようなものの入り混じったようなか
細げな声で義母が切り出しました…。

      続く

 
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43
投稿者:たけし ◆rpgEV8r9ik
2015/07/07 13:12:07    (Umc1hI5S)
私も、こうじさんの大ファンです。 更新を待ってます。
42
投稿者:(無名)
2015/07/06 18:31:36    (5Xh9q1bV)
連日の更新ありがとうございます。
待ちきれないです!

41
投稿者:コウジ
2015/07/05 03:59:11    (mF6Lb8P9)
「こ、壊れちゃうっ…ああっ」
 めくるめく絶頂の間際に、義母はそんな言葉を残
してそのまま意識を喪失しました。
 縄で後ろ手に縛られたまま彼女は布団に俯せの姿
勢で、息絶えたように眼鏡の奥の目を伏せていまし
た。
 僕も女性の尻穴を犯すという初めての体験に、彼
女の真横で仰向けになり茫然自失とした目で、天井
に見るともなしの視線を向けていました。
 今風の言葉でいうと、義母の尻穴の僕のものを強
く包み込もうとする狭窄感に、正に半端ないという
表現が最適の形容詞でした。
 本当にもしかしたらこの義母には、彼女自身も気
づいていない淫靡で淫乱な気性とか被虐性みたいな
ものが生来的にあったのではないのかと思う僕でし
た。
 それは長く教育者として勤め、謹厳実直な亡夫と
のつつましやかな夫婦生活を過ごし、生まれた一人
娘もまた教育者として育て上げてきた義母からは、
およそ想像もつかない、そしてきっと彼女自身も知
ることのなかった娼婦的で邪淫な性分だと、僕は改
めて感慨を深くしていました。
 それがあの青木という男に陵辱を受けたことによ
って図らずも開花され、それから四年も歳月が過ぎ
たあの日、僕との山小屋での一夜で、長く潜んでい
た官能の埋み火が再燃し、病室での交わりと昨日と
今夜の僕からの、熟れた肉体への立て続けの飽くな
き責めに彼女自身も知ることなく、いよいよその本
性を具現化させているのか、と身勝手な理屈を組み
立てる僕でした。
 妻の由美が戻る明日からのことを、ふと僕は想像
しました。
 前にも書いたと思いますが、理知的で賢い義母は
娘のことを第一に考えて、毅然とした態度で気丈に
虚構を繕うと思います。
 僕のほうがどうかというと、妻との結婚生活は波
風なく過ごしたいのは当然で、妙齢ながら気品のあ
る妖艶さを漂わせる義母との不義の関係も、今は断
ち難いというのが本音で、まだ自分なりの妙策は浮
かぶことはありませんでした。
 仮にこれからの生活の中で、何かの拍子に義母と
僕のこの不義の関係が露見したとしたら?…残念なが
らその解決策は今の自分にはないというのが正直な
結論でした。
 少し興醒めするような思いに駆られ出していた僕
でしたが、何気に下に伸ばした手が義母の剥き出し
の柔らかい尻肉に触れ当たると、
 「う、ううん…」
 と小さな呻き声が聞こえました。
 僕のほうに向けていた顔が小さく揺れ動き、眼鏡
の奥の目がかすかに瞬いていました。
 首を横に向けた僕と視線が合うと、彼女はまたす
ぐに目を閉じました。
 「亜紀子…」
 優しく僕が声をかけると、義母の目が薄く開きま
した。
 「亜紀子、とてもいい気持ちだったよ。亜紀子が
益々好きになった。亜紀子は?」
 「…………」
 言葉を返すことなく義母は顔を逆方向に向けたの
ですが、僕はそのままやり過ごすようにして、
 「今までも亜紀子を抱いていてずっとよかった。
でも、今のは僕も初めての経験だったけど、ほんと
にすごかったよ」
 と正直な感想を声に出しました。
 「…………」
 「亜紀子の声もすごかったよ。感じてた?」
 「…恥ずかしい…わ」
 少しくぐもったような声でしたが、義母からの返
答に、僕はつい今しがたまでの憂鬱な気分を忘れ、
 「亜紀子の顔が見たい。こっちを向いて」
 とまた優しく声をかけていました。
 しばらくして彼女がこちらに顔を向けてきました。
 「お願い…眼鏡を外して」
 意外にもかすかに甘えのかかったような義母の声
に僕は少し驚きながら、彼女の顔から眼鏡を外して
やったのでした。
 「こんなになって…亜紀子は後悔してる?…して
るんだろうなぁ」
 「………‥」
 「でも、今の僕の頭の中にあるのは亜紀子のことだ
けだ。由美のことも頭にはない。ほんとの気持ちだ
よ、亜紀子」
 「…いつまで私を縛っておくの?」
 「ん?…いつまでって、今夜はずっとかな?」
 「恥ずかしいわ…」
 「よく似合うよ、縄が。僕に縛られてる時の亜紀
子、何かうっとりしたような顔してた」
 「し、してないわ…」
 「縛られるの好きなのかな?って思ったくらいだ
よ」
 「そんなこと…ないわ。恥ずかしいだけ…」
 「亜紀子、キスしたい。いい?」
 「…まだ許してくれないの?」
 「そうだ、亜紀子をまだ愛したい。キスするよ」
 そういって顔を義母に近づけると、彼女はこれま
でのように逃げる素振りを見せることなく、唇で唇
を受け止めていたのでした。
 口の中に舌を挿し入れると、義母の舌はすぐに絡
んできました。
 義母の身体が仰向けになり、斜め横のあたりから
僕が上体を覆い被さるようにして、二人がお互いの
舌を貪り合ったのです。
 「もっと…亜紀子を愛したい」
 「…どうするの?」
 「どうされたい?」
 「…………」
 「亜紀子のね…おまんこをもう一度じっくり見て、
また入れたい」
 「…は、恥ずかしいわ」
 「嫌かい?」
 「…………」
 「もう一度犯したいのさ」
 「ああっ…浩二さん…わ、私また…ど、どうにか
なりそう」
 「どうにかって?」
 「ああ…」
 「犯されたいのか?」
 義母の縛られた裸身にまた仄赤い朱が挿してきて
いました。
 僕の卑猥な問いかけに彼女の顔が小さく頷いてい
ました。
 「いってごらん」
 「ああっ…恥ずかしいっ」
 「早く―」
 「…お、犯して‥ああっ」
 唇だけでなく朱に染まった耳朶や首筋にも縦横無
尽に這い回る僕の舌の愛撫に、義母の裸身は熱く燃
え上がりつつある昂まり露呈するかのよう激しくう
ねり、ついにその気品のまだかすかに残る口元から
観念の言葉が出たのでした。
 義母の尻穴に熱い迸りを放出してまだ一時間も過
ぎてはいないのに、僕の下半身のものはもう痛いく
らいの勃起状態になっていました。
 「亜紀子、犯してやるよ」
 「ああっ…浩二さん…犯してっ」
 僕は身体を起こし義母の両足を大きく割り開き、
固く屹立しきったものの先端を、彼女の下腹部の漆
黒の茂みに突き当て、そのまま腰を前にゆっくりと
押し進めたのです。
 「ああっ…こ、浩二さん…すごいっ…入って…浩
二さんが入ってきてる…ああ」
 「亜紀子、亜紀子もすごいよ」
 変な表現になりますが、尻穴を犯した後での義母
のその部分へのつらぬきは、妙に懐かしいという感
覚になっていました。
 「ああっ…あっ…浩二さん…い、いいわっ…すご
く…すごく感じる…ああっ」
 「僕も感じてるよ、亜紀子」
 「…も、もっと突いて…亜紀子を…亜紀子をメチ
ャメチャにして」
 「亜紀子、好きだよ。メチャメチャにしてやる」
 「好きよ…わ、私も…浩二さんが好きっ」
 両腕で義母の両足を抱え上げた姿勢で、僕は腰の
律動を早めていきました。
 明日からの義母と僕の身の処し方がふいと頭を過
ぎりましたが、それはまるで新幹線の窓から見る景
色のようにすぐに消失していました。
 目を下に向けると、仰向けになった義母の丸く可
愛い乳房の上下に巻きついている赤い縄が、僕の欲
情をさらにそそりました。
 もう何があったとしても義母の亜紀子を忘れるこ
とはないし、いつまでも愛したい、という強い思い
が僕の心の大半を支配してきていました。
 六十を過ぎた妙齢で、気品と分別が誰よりもある
はずの義母が、若い男の僕の前で痴態を晒し、女と
してまた官能の愉悦の頂きに達しようしていました。
 僕のほうも昂まりの気持ちは早くも強くなってき
ていました。
 そして夜の明けるまで義母とこうしていたい、と
いう思いを強くして、
 「亜紀子っ、ま、またいくぞっ」
 と雄叫びのような声を発して僕は熱い頂きに昇り
詰めていたのでした。
 「ああっ…こ、浩二さん…わ、私も…ああっ、好
きっ」
 義母も熱く燃え盛り全身を激しく痙攣させ、高く
極まった咆哮以上の声を上げて、朱に染まった細い
首をがくんと折って目を閉じていったのでした…。

     続く
 

40
投稿者:(無名)
2015/07/04 11:33:10    (usn8iOEg)
素晴らしいです その後の義母さんとの 会話の流れ気になりますね もう離れられないだなんて? 続きよろしく
39
投稿者:(無名)
2015/07/03 20:31:47    (m2Waoh5q)
素晴らしいです!
情景が手に取るように伝わってきます。
次が待ち遠しいです。

38
投稿者:コウジ
2015/07/03 15:49:11    (cljsNu1E)
細長いソファの上で義母と僕の二人は、またいつ
かのようにまるで深く愛し合う恋人同士のように、
強く抱き締め合い果て終えたのでした。
 最後は義母が仰向けになり、僕の突き刺さったも
のは彼女の体内の奥深くに、自分でもわかるくらい
にどくんどくんとした熱い迸りを放出したのでした。
 しばらくの間、義母は両肩を小刻みに揺り動かせ
て、放心状態のような顔で激しい息遣いをしていま
した。
 それから一時間後、僕と義母は彼女の寝室にいま
した。
 ソファでしばらく茫然自失としていた義母は一言
も僕とは口を聞かないまま、気弱げな足取りでダイ
ニングに行き床に脱いだ衣服を着込み、僕の食事の
後片付けを始めました。
 「室にいるよ」
 とだけ短くいって、僕はトランクスと下着だけ身
につけて義母の寝室に向かい、室に暖房を入れ押入
れから布団を引きずり出して敷きました。
 義母の身体を縄で縛ることを考えていました。
 そういう経験は勿論一度もありませんでした。
 アダルトショップで周囲の目を気にしながら、何
冊かをペラペラと捲り見た中で、中年の派手な着物
姿女性が襟を乳房が見えるくらいにはだけられ、裾
を大きくたくし上げられた恰好で、手足を縄で緊縛
されているのを思い出していました。
 あのあだ討ちに失敗し悪人どもに捉えられ、陵辱
の限りを尽くされている美貌の女剣士も、全裸で後
ろ手に括られ、片足だけを縄で持ち上げられ室の鴨
居から吊り下げられている画像を思い出しながら、
僕は淫靡な妄想に浸って義母の入室を待っていたの
です。
 義母が室に入ってきたのは、食事の後片付けの時
間を差し引いても、それからかなりの時間が経って
からでした。
 僕にまた抱かれるという悦びで急いでくるという
彼女ではないということは、
当然わかっていました。
 おそらく理性心を戻した義母は、どこかで躊躇い
と苦渋の時間に耽っていたのだと思います。
 眼鏡をかけた蒼白の顔を深く俯け、暗く沈みこん
だ表情でした。
 「こっちへおいで」
 と彼女の暗い表情を無視するかのように、布団に
胡坐をかいた姿勢で僕は手招きをしました。
 彼女は少しの間、襖戸の前に立ち竦んでいました
が、急に顔を上げ、
 「浩二さん―」
 と強い口調でいって、思い詰めたような視線を僕
に投げつけてきました。
 僕との距離を置くように布団の手前に座り込んで
きた義母は、
 「浩二さん、お願いだから今日を…今夜を最後に
してっ」
 といってまた清廉な元聖職者の顔に戻り、強い視
線を僕に向けてきました。
 「そうだね、明日には由美が帰ってくる。前にも
いったけど、僕も三人のこの生活は壊したくない。
わかっているよ」
 と僕が取り敢えず鷹揚に応えると、義母の顔にか
すかな安堵の表情が見えました。
 「今夜を最後にするのを約束してもいい。いいけ
ど、その代わり亜紀子も今夜は女の本性を出して、
僕を悦ばせてほしいな」
 「……‥」
 「亜紀子、亜紀子はね、長く教育者だったことも
あるんだろうけど、その年まで生真面目一筋で生き
てた。でも、これまでのことで僕は亜紀子の女とし
ての本性を見抜いた。ついでに僕の男としての本性
もね」
 と僕は三十以上も年上の、しかも元教育者だった
義母に向かって勝手な持論を切り出していました。
 「亜紀子は亡くなったお義父さんとどうだったの
かはよく知らないが、女としての本性はもっと厭ら
しくドロドロとした淫靡なものを持ってるよ。女の
身体としては、僕の想像以上に淫らで卑猥だ」
 「そ、そんな…」
 「それを亜紀子自身が知らないで生きてきたんだ
よ。何年か前の青木とのことだってそうだ。教育者
としてはあるまじき行為だったのかも知れないが、
亜紀子はきっとあの青木との何ヶ月間で、おそらく
女として彼に溺れきったはずだ」
 「そんなことはありませんっ」
 「それはもうどうでもいい。今夜を最後にするの
なら、僕をもっと死ぬほど悦ばせてほしい。で、早
速だけど…」
 そういって僕は予め布団の下に隠していた赤い縄
を取り出し、義母の前に翳しながら、
 「服を脱いで。室は暖まってるだろ?」
 とさりげない口調でいったのでした。
 しばらくの沈黙の時の後、義母の手が動きニット
のカーディガンとセーターを、僕の目の前で静かに
脱ぎ出したのです。
 暖房のせいだけでなく仄かに上気し始めた顔を俯
けさせて、座位姿勢のままスカートのホックを外し
取る義母の顔には、何か小さな決意をしたような表
情が見てとれました。
 全裸になり胸を両手で覆い隠すようにして、布団
の上に座っている義母に、僕は縄を手にして近づき
ました。
 「ああっ…」
 胸を覆っていた義母の両手を捉え後ろ手に回し、
僕は慣れぬ手つきで、アダルトショップで見た緊縛
画像を頭に浮かべながら、縄を彼女の剥き出しの身
体に巻きつけていきました。
 可愛く丸い乳房の上下に縄を幾重にも這わし、手
首を背中に回して縛り上げた義母の身体を、そのま
ま布団に仰向けに倒してやると、
 「ああっ…は、恥ずかしいわ」
 と彼女は首筋のあたりをさらに赤く染めて喘ぎの
声を洩らしました。
 「お、お願い…明かりを消して」
 煌々とした明かりの下で、白い裸身に赤い縄を巻
きつけられた義母は、我が身のあられもない痴態に
堪え切れないように、細い黒縁の眼鏡の奥の目を強
く閉じ込むのでした。
 僕は義母の両足を掴み高く持ち上げ、海老折りさ
せるように膝を折り曲げました。
 「ああっ…いやっ…み、見ないで」
 「きれいだよ、亜紀子。案外、亜紀子のここって
剛毛なんだね。毛も多くて厭らしい」
 「ああ…は、恥ずかしいから…見ないで」
 「あれ?割れ目のとこに何か白いものが」
 「恥ずかしい…」
 「さっきの後始末のティッシュの切れ端みたいだ。
きれいに掃除してやるね」
 僕の顔が義母の漆黒の中に躊躇うことなく埋まり、
舌を挿し入れると、
 「ああっ…こ、浩二さん。そ、そんなこと…され
たら」
 すでに義母は昂まりの愉悦に浸り出しているのか、
息も絶え絶えな声を洩らしてきます。
 義母の漆黒の茂みの中の肉襞を割り開き、柔らか
く熱い肌肉まで押し入っている僕の舌を、明らかに
中から湧き出てきている滑ったような汁液がしとど
に濡れそぼらせてきているのがわかりました。
 「ああっ…こ、浩二さん…私…私もう」
 義母は押さえ込まれている腰を左右に揺り動かせ
ながら、早くも感極まりつつある声を絶え間なく上
げ続けるのでした。
 そこで僕は一度顔を上げ、義母の顔のほうに身を
のり出し、
 「もう欲しいのか?亜紀子」
 と問いかけると、激しく頭を振り続けていた義母
の顔が、縦に二度三度、意思表示するかのように動
いてきていました。
 「まだ早いよ、亜紀子。もっと僕を悦ばせてくれ
なきゃ」
 僕はさらに身を起こして動き、急いでトランクス
を脱ぎ捨てると、そのまま義母の顔の上に跨り座る
ように腰を沈め下ろしました。
 僕のまだ半勃起状態のものが義母の鼻先や頬に触
れ当たります。
 義母の顔が自然に動き僕のものの先端を口で捉え
ていました。
 「ううっ…くぐっ…むぅ」
 義母の口の中深くまで僕のものは沈み入りました。
 えづくように義母はむせ返りの声を何度も出し、
僕のものへの奉仕を続けました。
 「袋のほうもね。尻の穴も舐めて」
 これまで妻の由美にさえ一度もいったことのない
言葉が、自然に僕の口から出ていました。
 義母の舌が拒む素振りもなく、屈めた僕の下半身
の至る部分に這い回りました。
 「ああ、いい気持ちだ、亜紀子。上手なんだね。
これも青木に教えられてた?」
 と揶揄的な言葉をかけてやると、義母は激しく狼
狽えたように頭を振るのでした。
 それからまた僕は身を起こし、赤い縄で縛り上げ
られた義母の身体を四つん這いの姿勢にし、彼女の
口の愛撫で固く勃起したものをゆっくりと刺しつら
ぬいていったのです。
 「ああっ…い、いいっ…浩二さんっ」
 布団に顔を埋めながら義母は高い咆哮の声を上げ
ました。
 「いいのか?亜紀子。どこがいいの?いってごらん」
 「ああ…い、いいの…いいわっ」
 「どこがいいのかいうんだ、亜紀子」
 「ああっ…そ、そこ…浩二さんの入ってる」
 「どこなんだ?」
 「…いや、恥ずかしい…」
 「いうんだ、亜紀子っ」
 「…ああっ…お…おまんこ…ああっ」
 「知ってるんだ、亜紀子。そんな言葉知ってるん
だね」
 「は、恥ずかしいわ…」
 「元教師のくせに…淫乱な女だ、亜紀子は」
 「いやっ…いわないで…ああっ」
 「由美に教えてやろうかな?」
 「やめてっ…そんなことっ」
 「じゃ、もっと僕の前で淫らにって」
 「は、はい…」
 「亜紀子のお尻がほしい…」
 「い、いやっ…そこだけはやめてっ」
 「そこだけって、亜紀子、前に経験してるの?」
 「ああっ…お願いですから…そこは」
 「正直に答えるんだ。…青木か?」
 「………‥」
 「そうなんだね?」
 「…ああっ…は、はい…そうです」
 「気持ちよかったんだろ?」
 「そんな…いやです。…ああっ…だめっ」
 心地よい狭窄感に浸り、義母の体内へのへの抜き
差しを続けながら、僕の指は彼女の固く窄んだ尻穴
を絶え間なく揉みしだいていました。
 唾液を混じえて丹念に揉みしだいていた義母の尻
穴のあたりが、何となく弛緩してきているような気
がしました。
 義母は後ろ手にされ顔を布団に深く埋め込むよう
にして、尻穴を揉みしだく僕の手の動きに呼応する
かのように激しく呻き、はしたない喘ぎの声を間断
なく洩らし続けていました。
 義母をつらぬいていたものを抜き取り、彼女の滑
った愛液にまみれて濡れ光っている自分の屹立の先
端を、ヒクヒクと小刻みに震えている尻穴にあてが
いました。
 「い、いやぁっ…や、やめてっ」
 僕の動きを察知した義母は一際高い声を上げて、
突き上げた腰を逃げるように激しく揺り動かせてき
ました。
 僕はかまうことなく手で自分のものを握り、義母
の小さく窄んだ尻穴に照準を定め、ジワリジワリと
押し込む動作を続けました。
 義母の窄めていた尻穴が少し弛緩し、僕の屹立の
先端がヌルッと彼女の中に潜り込みました。
 体験したことのない強い狭窄感が僕のものを襲い
ますが、そのまま腰を前に突き出すようにしてゆっ
くりと埋め込んでいきました。
 「ああっ…い、いたいっ…いたいわ、浩二さん」
 義母の叫ぶような拒絶の声に少し気持ちが引きか
けましたが、そのまま半分近く埋まり込んだものを
出し入れする所作を続けました。
 義母はまるで気がふれたように高い悶え声を上げ
続けています。
 強い狭窄感は狭い空洞を出し入れする僕のものに
も、初めて体験する愉悦感と心地よさを与えてきて
いました。
 これがアナルセックスなんだ、と頭の中で思いな
がら僕は行為に夢中になりました。
 「ああっ…こ、浩二さん。わ、私…く、狂っちゃ
う…狂っちゃうわ」
 「亜紀子っ、僕も‥僕もだよ」
 「ああっ…もっと…もっと犯してっ」
 「犯してやる、無茶苦茶に犯してやるっ」
 「ああっ…い、いいわぁ…き、気持ちいいっ」
 「おおうっ…よく締まる…い、いきそうだっ」
 「もっと…もっと突いてっ…もっと犯してっ」
 義母はもう完全に義母でなくなっていて、僕も僕
でなくなっているような気持ちでした。
 動物の牡と雌の行為のように、道徳も道理もない
欲望だけの本能で交わっている気持ちになっていま
した。
 自分はおそらくずっとこの義母の身体と心を忘れ
ることはないだろうと思いながら、狭い尻穴へのつ
らぬきをさらに強めていったのでした。
 「こ、浩二さん…わ、私、死んじゃうっ…ああっ
…もう」
 「い、いくぞっ、亜紀子っ」
 義母と僕の二人はお互いに強く痙攣し合ったよう
に深く密着したまま、言葉ではいい表せない絶頂を
迎え果て終えたのでした。
 あれもこれもと妄想を逞しくしていたはずの、今
夜の僕の目的の全てが達し終えたような気持ちにな
っていました…。

       続く
 




 


37
投稿者:コウジ
2015/07/02 00:43:25    (RczADWn0)
妖しくときめく気持ちと逸る思いを鎮めるように、
玄関前で大きく一息ついてから、僕はドアに鍵を差
し込みました。
 玄関口に明かりが点けられていました。
 僕の帰宅を察知して義母が点けてくれたようです。
  「ただいまっ」
 僕はつとめて明るい声でいって居間に入ると、エ
プロン姿の義母が調理台の前で小さな背中を見せて
甲斐甲斐しく手を動かせていました。
 彼女は僕のほうを振り返ることなく、
 「おかえりなさい…」
 と蚊の鳴くような小声で言葉を返してきました。
 テーブルの上を見ると、幾つもの皿や小鉢が整然
と置かれていて、色鮮やかな料理が盛られていまし
た。
 僕とはやはり意識的に目を合わそうとしないまま、
黙々と足を少し引きずりながら動き回っています。
 居間からダイニングに移り椅子に座っていた僕の
前に湯気の立つ味噌汁のお椀を差し出すように置い
て、義母はエプロンを外しながら、 
 「私はもうお先に済ませましたから…」
 そういってテーブルから離れようとしたので、
 「前に座ってっ」
 と僕は彼女に睨みつけるような視線を放ちながら、
命令的に声を強くしていいました。
 義母の細い両肩が驚き慄いたようにぴくんと震え、
足の動きが止まりました。
 「亜紀子が作ってくれた料理だ。亜紀子の顔を見
て食べたい」
 そういって僕は箸を取りました。
 強く拒絶の意思表示をして、義母はそのままこの
場を離れるかも知れないと思っていたら、彼女は細
いフレームの眼鏡の奥の目に少し哀しげな表情を見
せながらも、前の椅子を引いて力なく座り込んだの
です。
 僕は箸と口を忙しなく動かせながら、正面にやや
俯き加減で座り込んでいる義母を観察するような視
線で見続けていました。
 暖房が効いていて暖かい室内でした。
 「亜紀子、昼間は何してたの?」
 「……‥」
 「何してた?」
 「…な、何もしていません」
 「僕とこうなったことをずっと悔やんでたのか?」
 「……‥」
 「前にもいったけど、僕と亜紀子は出会った時か
らこうなる運命だったんだよ。だから、僕は今何も
後悔なんかしてないよ」
 「……‥」
 「今日も仕事してて全然身が入らないくらいに、
亜紀子のことばかり考えてた。山小屋、病院、そし
て昨夜のこと」
 「…いわないでっ」
 「どの時でも…亜紀子は、最後は僕にしがみつい
ていたじゃないか」
 「いやっ…もう、立ちます」
 「だめだっ。亜紀子、そこで服を脱いで」
 「な、何を…」
 「服を脱いでといったんだよ」
 「い、いやですっ、そんな…」
 「亜紀子に拒否権はない。早く脱いでっ」
 紅いルージュの唇をわなわなと震わせ、顔面を蒼
白にしながら、義母は僕の唐突な言葉の暴力に堪え
ていました。
 「僕たち三人の家族のこれからの幸せを守れるの
は、亜紀子、君しかいないのだよ」
 「……‥!」
「早くしてっ」
 狡猾で邪淫な僕の脅迫めいた言葉に、義母はその
場から立ち去りたいと強く思っているはずでした。
 彼女の心の中で理知的で清新な理性が、何かと激
しく葛藤しているような苦渋の表情が蒼白の顔面に
露わなっていました。
 「早くっ」
 という僕の少し怒気を込めた声に、義母の手が静
かに動き出しました。
 薄いピンクのアンサンブルのカーディガンのボタ
ンに義母の手が触れます。
 同色のニットのセーターの裾を、両手を交差させ
てゆっくりとたくし上げていきます。
 薄い肌色のシルクのキャミソールと藍色のブラジ
ャーの布地と紐を僕の視線が捉え、無意識な妖艶さ
のようなものが、思わず僕の箸と口の動きを止めて
いました。
 露わになった義母の細い首筋のあたりの肌が上気
しているかのように仄赤く見えました。
 苦渋の表情のままの義母の顔に、
こんな時にこん
な場所で、しかも娘の夫の眼前で痴態を晒すという
羞恥の思いが加味されて、首筋だけではなく蒼白だ
った顔面にも仄かに朱が差してきていました。
 義母にそう命じた僕にも変化が顕われ、体内の血
が逆流するかのよう下腹部のほうに一気に集中して
いました。
 「下も全部だよ―」
 セーターを脱ぎ下ろし、両手で胸を隠すように手
を回し肩を竦めていた義母に、僕は追い討ちをかけ
るような言葉を発していました。
 「…ひどい人」
 憎悪を滲ませた目で僕を見る義母でしたが、手は
また動き出しキャミソールが頭から抜け、ブラジャ
ーのホックが外されました。
 朱色が濃くなってきている顔を深く俯けさせたま
ま、椅子から腰を浮かしてスカートも脱ぎ下ろして
いるようでした。
 おそらくは僕のいなかった昼間には、今のような
妖艶さは微塵も見せることなく、僕との出来事を深
く悔恨し慙愧の思いでいたのだろうと思います。
 その義母が悲嘆と憎悪の表情を見せながらも、熱
を帯びたような朱色に染まり出した肌が物語るよう
に、僕の命令じみた嗜虐の言葉に、その意思とは裏
腹に何かに酔い痺れるように、しかもおよそ場違い
な明るいダイニングの椅子に座らされ、僕の眼前で
あられもなく痴態を自ら晒しているのでした。
 義母の朱色に上気し始めている肌理の細やかな肌
が露わになり、お椀のように小さく丸まった乳房と、
つんと尖り出している乳首も、テーブルを挟んだす
ぐ眼前に見えています。
 「亜紀子、僕が好きか?」
 唐突に僕が尋ねると、彼女は顔を俯けたまま激し
く頭を振ってきました。
 「義理の息子の前で恥ずかしくないの?」
 「…あ、あなたが」
 「ふふ、亜紀子はね、そういう女なんだよ。虐め
られて悦ぶ…自分では気づいていないかも知れない
けど、亜紀子はマゾな女なんだよ」
 「そ、そんな…ち、違いますっ」
 「だって、結局は僕のいいなりになってるじゃな
いか。断固とした拒否はしていない」
 「そ、それは」
 「下もほんとに全部脱いだのか?…そこに立って
よく見せてごらん」
 「………」
 少しの躊躇いの所作の後、黙ったまま義母はテー
ブルに手を置き椅子をずらせて立ち上がりました。
 かたちよく窪んだ腰と下腹部の漆黒が見えました。
 「そのまま立っていて」
 そう命じて、僕は茶碗に残ったご飯を下品に駆け
込むように口に入れ、すぐに椅子から立ち上がりま
した。
 「あっ…」
 テーブルを回って僕は裸身の義母を強く抱き締め
ていました。
 身を小さく揺らせ、哀しいくらいにつたない抗い
を見せる義母でしたが、あっけなく僕の胸の中に全
身を包み込まれ、唇を塞がれ重ねられたのです。
 数分後、僕と義母は居間のソファの前にいました。
 ダイニングから僕が義母を抱き抱えてきたのです。
 「舐めてくれる?」
 下品にそういって僕は自分の前に、慄くような目
をしている裸身の義母を傅かせました。
 背広の上着だけは自分で脱ぎ、僕の下腹部の前に
顔を置いている義母を見下ろしました。
 俯いたままの義母は、僕に何を促されているのか
を薄々気づいているようで、小さな頭と顔を何度も
振り続け拒みの意思表示を見せていました。
 「早くしないかっ」
 と一喝を僕は入れます。
 びくんと驚いたように義母の肩が震え、両の手が
僕のズボンのベルトにかかっていました。
 そしてベルトをゆっくりと外してきました。
 僕のズボンが足元に落ち、トランクスが露出し、
義母の顔がまた小さく揺れ動きます。
 顔を背けるようにして義母の手が僕のトランクス
にかかり、下に引き下ろされました。
 僕の下腹部のものは、自分でもわかるくらいに激
しく痛いくらいに怒張しきっていました。
 義母の眼鏡の奥の目が、驚きと慄きを入り混じら
せた表情になっているのがわかりました。
 僕は僕で自分の気持ちを鎮めるように、ネクタイ
を弛め取り、カッターシャツのボタンを一つずつ外
し取っていました。
 下腹部の僕の屹立の先端に、義母の唇が触れてき
た感覚がありました。
 目を下ろすと眼鏡の奥の目を閉じて、義母が僕の
ものを口の中に含み入れようしているのが見えまし
た。
 「ううむっ…」
 強烈な快感が僕の脳髄を強く刺激してきます。
 僕のものを口の中深くに含み入れてから、義母の
顔がゆっくりと前後に動き出してきていました。
 山小屋での行為の時が、僕の頭の中を駆け巡りま
した。
 こうなるまでの日常での清楚な義母の理知的な顔
や所作が、目の奥に浮かんでは消えしました。
 そんな義母を裸に剥き、煌々と明かりの点く居間
で恥辱的な行為を強いている自分にも、僕は少なか
らず驚き興奮してしまっていました。
 これまで本当に普通の男子並みの性欲というか、
性に対する興味もごく普通の男だと思っていた自分
に、これだけの邪淫な嗜虐性が潜んでいたのかとい
う思いにも内心で驚いていました。
 僕の身体の下のほうで裸身を晒し、座位姿勢のま
ま僕のものを咥え入れ、自らの意思で顔を前後に
揺り動かせています。
 カッターシャツも下着も脱ぎ捨て僕も素っ裸にな
っていました。
 義母の口での愛撫で僕の昂まりも大きくなってき
ていたので、自分から義母を一旦離し、そのまま抱
き抱えるようにしてソファに仰向けにしました。
 腰を屈め義母の両足首を掴み取り、高く持ち上げ
るようにして開脚状態にしました。
 「ああっ…い、いやっ…は、恥ずかしい」
 両手で顔を覆い隠すようにして義母は唐突に強い
られた恥辱の姿勢に、若い娘のような高い声を上げ
るのでした。
 僕の眼前に彼女の股間の漆黒の茂みと、その奥の
肉の裂け目までを露わにしています。
 茂みの奥の両側の肉襞が割れ、すでに濡れそぼっ
ているような薄桃色の肌肉が見えます。
 「ああっ…だ、だめっ」
 義母の顔を覆っていた両手が激しく宙に舞うよう
に動き、一際高く義母が喘ぎました。
 僕の顔が彼女のおし開かれた漆黒の茂みの中に、
埋まるように沈み込んだのです。
 ソファの上で義母は僕に下半身の自由を奪われ、
最も敏感な箇所に僕の舌の攻撃を受け、のたうち
回るように喘ぎ悶え続けました。
 ここで一度義母をつらぬく考えでいた僕は、や
がて彼女の身体を起こし、ソファの上に四つん這
いにさせ、背後から固く屹立しきったものを突き
刺していったのでした。
 義母のその部分の、記憶にまだ新しいあの狭窄
感が僕のものを捉え、心地よく締めつけてきてい
ました。
 義母はまるで狂ったように細い首をうち振り、
咆哮の熱い声を間断なく上げ続けていました。
 少女のようにか細い義母の背中が激しく揺れ動
いていました。
 突き刺さっている箇所を見下ろすと、義母の小
さく丸い尻肉の割れ目の下で、僕のものが妖しく
淫靡に出入りしています。
 ふと、その尻肉の割れ目のところで小さく窄ま
り返っている箇所が僕の目に止まりました。
 義母のこれまで気づくことのなかった菊穴でし
た。
 腰の律動を続けながら、僕は右手の人差し指に
唾液をつけ、優しくなぞるように這わしました。
 「ああっ…いやっ…そ、そこはいやっ…だめっ」
 突然のように、義母の狼狽と動揺が一際激しくな
ったのがわかりました。
 もしかして義母は…という思いにかられ、めま
ぐるしく想像を巡らせました。
 謹厳実直と聞いていた亡夫との間で?という思い
はすぐに消えました。
 その後すぐに浮かんだのは、四年前の青木のこと
でした。
 もしかして義母は青木との半年ほどの淫らな情交
の中で、その菊穴を犯されているのかもという推測
は、義母の今の慌てふためいた狼狽ぶりからすると、
きっとそうに違いないという確信を僕に持たせたの
でした。
 いわゆる、アナルセックスのことです。
 僕には一度も経験のないことですが、雑誌やネッ
トの情報で、そういうセックスの行為があるという
ことは知ってはいました。
 その小さな菊穴を軽く指先でなぞっただけにして
は、義母の動揺と狼狽の所作は異常なくらいに激し
く大きかったのです。
 ここで一度は義母もそして自分も、あのめくるめ
くような絶頂感を味わっておいて、まだこれから長
い夜の間に、彼女の尻を犯そう、と僕は淫靡な思考
を巡らせ、つらぬいている腰の律動に次第に力を込
めていったのでした…。

     続く
36
投稿者:(無名) ◆Z7HJqHSQ76
2015/06/30 21:36:26    (jor80jXR)
明かりのついてた自宅ほっとするその自宅でまた変わって行く義母さん続期待します
35
投稿者:kkk
2015/06/30 05:24:18    (4MYbI0xF)
義母さんの対応と体の反応のギャップが・・・どうなるのかな~と、思わせますね。
野村君はこの後どの様な展開になるのか読めない。
続編が読みたいが明日から10日ほど留守にします。

34
投稿者:コウジ
2015/06/29 23:47:53    (Rvp7o/9y)
義母と二人で室に戻ったのはそれから一時間ほど
後のことでした。
 浴槽の湯の中での交わりはおそらく二人とも初め
ての体験のはずで、絶頂の後、僕も義母もしばらく
動くことができず、長く抱き合ったまま茫然自失と
していました。
 二人ともにパジャマ姿で布団に入ったのですが、
この室に入るまでに、また僕と義母の間に小さな悶
着めいたことがありました。
 僕のほうが先に出て室に戻っていて、義母が小柄
な身体の腋の下にバスタオルを巻いて、重い足取り
で足を少し引きずりながら入ってきたのですが、い
きなり僕の前に神妙な顔をして座り込んできて、
 「浩二さん…ここを出ていって」
 と唐突に切り出してきたのでした。
 平静な心と理性を取り戻している顔でした。
 間髪を入れず、
 「亜紀子、僕はもう説教は聞きたくないといった
はずだよ。そういうことをいえる権利は亜紀子には
もうない」
 といい返して、少し厳しい顔で彼女を睨みつけた
のでした。
 僕の厳しい声色と顔つきに圧倒されたのか、湯上
りの仄かに上気した顔を哀しげに曇らせて、義母は
いおうとしていた次の言葉を断ち、諦めたようにそ
の場を立ち上がり小股歩きで鏡台の前に身体を移し
ました。
 鏡台の前のスツールに義母は力なく座り込み、悄
然とした暗い表情で鏡に目を向けていました。
 やはりこういう時でも女の身だしなみなのか、化
粧水のようなものを顔に手早くつけ、それから横の
箪笥の前に立ち、小引き出しからショーツを取り出
しバスタオルのまま穿きました。
 続いて大きい引き出しを開け薄水色のパジャマを
取り出し、明らかに義母は背後にいる僕の視線を意
識しているかのような、上着の裾に手を通しズボン
も穿いてからバスタオルを脱ぐという所作なのでし
た。
 寡黙なままの義母の仕草を、僕は布団に座って目
で追いかけていたのですが、ふと妻の由美が寝室で
同じような所作をするのを思い出し、何となく母娘
は似るものだと思いました。
 仕方なくというおそらくは忸怩たる思いで、義母
は僕のいる布団に近づいてきました。
 湯上りの女の仄かで艶かしい匂いが、また僕の鼻
腔を妖しく擽るのですが、少し前に置時計を見たら
もう十一時を過ぎていたし、義母の疲れも考えて、
今夜はこのまま彼女の香しい匂いの中で寝ようと僕
は思ったのでした。
 明日は夕方まで仕事でしたが、それからはまた義
母との長い時間が過ごせると思い、おずおずとした
仕草で、僕の横に背中を向けて身を横たえてきた彼
女を抱き込むように腕を回しながら、僕は目を閉じ
たのでした。
 そして翌朝、目を覚ますと義母は布団にはいませ
んでした。
 昨日の午後からの義母との飽くことのない熱い情
交の疲労感が、さすがに若い僕の全身にまだ残って
いるようなけだるさで室を出て洗面所に向かうと、
台所のほうで人の動き回る気配がありました。
 義母が片足を引きずらせながら、僕のための朝食
と弁当の用意をしていてくれました。
 「おはよう―」
 と声をかけてやると、視線を合わせることなく聞
こえないような声で、
 「おはよう…」
 と返してきました。
 薄いピンクのニットのアンサンブル姿で、白く整
った顔も薄く化粧されていて、ルージュの赤さが際
立って見えました。
 山小屋の件以来昨日の夜まで、義母を義母として
ではなく一人の女として淫靡で邪淫な世界へ、図ら
ずも引き入れた僕への怒りや憎悪があって当然のこ
とですが、不機嫌そうな表情ではあっても台所で、
僕の朝食と弁当のために動く彼女の小さな背中を見
ると、少し複雑な気持ちになる僕でした。
 「六時には帰るからね」
 といい残して、妙な未練の少し残る思いで僕は勤
務に出かけました。
 出勤途中の車中で、妻の由美に朝の挨拶メールを
送り、ふと義母のことを思いました。
 もしかしたら、夕方に帰ったら義母は家にいない
のではないかというかすかな不安が頭を過ぎりまし
た。
 出がけの玄関口で、僕は妻にも一度もしたことの
ない所作をしました。
 彼女の肩を抱き寄せ唇を奪ったのです。
 唐突な動きだったので、義母は逃げることができ
ずそのまま僕の唇の餌食となり、さしたる抵抗もす
ることなくされるがままにしていました。
 理知的で賢い義母のことです。
 今夜もまた娘の夫である僕に抱かれ、恥ずかしい
つらぬきを受け、はしたなく喘ぎ悶えさせられるこ
とを享受できるかどうか。
 明日には娘が帰宅します。
 今夜一晩なら足は悪くても、義母ならどこへでも
行けるはずです。
 昨日みたいにまた昼から休暇願いを出して帰宅し
ようかという気にもなったのですが、やはりそれも
少し気が引け、そうならそうで仕方がないと思い直
し夕方を待つことにしました。
 そして昼休みの時、僕はほうりっ放しにしていた
野村加奈子にメールを入れました。
 (二度ほどしか会っていなく、親しく話してもい
ない僕に突然の長文のメールに驚いています。しか
も内容もあまりに驚愕的で返答のしようもありませ
ん。よければ一度お会いして話が聞けたらと思いま
す)
勿論、彼女からのメールを熟読した上でのメール
でした。
 すぐに彼女から返信がありました。
 (ありがとうございます。こちらこそ不躾な失礼
をお許しください。恥ずかしい内容ですが書いた
ことは嘘ではありません。ご連絡をお待ちしてい
ます)
自分の母親が再婚して半年も経たないある日の夜、
母が夜勤で不在の時に、高校二年の野村加奈子は
義理の父親に自宅で襲われ犯されたということでし
た。
 必死に抵抗はしたようですが、四十代そこそこの
狼と化した男の力の前に適うことはなく、母が夜勤
で帰らないのをいいことに、長い時間、陵辱を受け
続けたようです。
 そしてそのことを母に告白もできず、それから二
人きりになると、義理の父親に犯され続けるという
日々が長く続いたということなのでした。
 当時まだ少女の野村加奈子は、当然義理の父親を
深く憎悪し、殺してやりたいという思いにも駆られ
たようですが、天罰が下ったのかどうか、その男は
一年後、高速道路で飲酒運転による衝突事故を起こ
しあっけなく即死したとのことでした。
 加奈子のメールにはそのことも含めて、義理の父
親との情交のことでもう少し生々しいことが書かれ
ていました。
 (…義父に犯されて二ヶ月ほどが過ぎた頃のある日
の夜でした。母は夜勤でした。義父が一人で家にい
ることはわかっていたので、私は友達と夜遊びをし
て帰宅したのは十二時過ぎでした。鍵を開けてこっ
そりと家に入ると、どの室も明かりが消えていたの
でほっと胸を撫で下ろした時でした。いきなり母の
寝室の戸が開き、義父に強い力で母の寝室に引き込
まれました。愕然とした気持ちで室に敷かれた布団
の上に倒され、私は衣服の全てを剥ぎ取られ、酒臭
い義父に覆い被さられたのでした。その時が義父と
五度目くらいの時でした。私は義父に犯される時は
いつもそうしてきたように、目を固く閉じ木偶の坊
のようになりひたすら時間の過ぎるのだけを待ちま
した。義父は私の身体に酒臭い息を吐き散らしなが
ら、私の唇を奪い粘々とした舌を口の中で這い巡ら
せ、乳房を揉みしだき、唾液にまみれた口で吸って
きたりしてました。その時でした、というか、私自
身にもよくわかってはいなかったのですが、突然、
身体のどこかに痺れみたいな熱い電流のようなもの
が流れるのを感じました。それは私には生まれて初
めての体感でした。閉じていた目を開けると、義父
の舌が私の乳房を這い巡っていました。身体のどこ
かが感じた痺れのような感覚が、自分の意思に関係
なく大きくなってきていることに気づかされ、私は
内心で狼狽え動揺しました。そして初めて感じる快
感のような熱い痺れは、義父に舐められている乳房
のあたりに集まり出してきているのがおぼろげにわ
かりました。義父の手が私の下腹部に下りていまし
た。何かに気づき、少し驚いたような表情をして顔
を上げてきた義父と目が合いました。「お前、すご
く濡れてきてるぜ」と義父が私の顔の前に、下腹部
に下ろしていた手を翳していきました。指の先が何
かで濡れているのが見えました。それが私の下腹部
からのものだと義父に知らされ、私はただ狼狽える
しかありませんでした。…そして私は義父のつらぬ
きを受けて、恥ずかしくも感じてしまい、しがみつ
いてしまっていました…)
野村加奈子は僕が義理の母親と、あってはならな
い肉欲の関係に陥っていることを知っていて、敢え
て自分の過去の、他人には話すことのできない体験
を僕に告げてきているのでした。
 まして僕が関係した義理の母というのは、昔の自
分の恩師という奇遇も相俟っての、生々しい心情を
吐露したのだと思うしかありませんでした。
 野村加奈子の、年齢よりは若く見える初々しくて
健康的で可愛い顔を思い浮かべながら、同時にもう
家にいる義母のことを気にし出していました。
 夕刻に職場の同僚から誘われた飲み会も固辞して、
僕は早々に駐車場から車を出し家路への道を急ぎま
した。
 団地内の道路に入り、中央の広い通りから細い道
に曲がると自宅の灯りがすぐに見えます。
 台所の窓が煌々と明るくなっているのが見えまし
た…。

       続く



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