2026/08/11 13:12:34
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一九七〇年以来の減反政策の進行は、稲作を中心に発展してきた日本農業にとって重大な岐路であるが、水田を中心とした水循環にとっても岐路になっている。減反の対象となった水田の周辺では、地下水位が下がっている例もある。水田は稲作の場であったのみならず、日本列島の自然の水循環によく適合した土地利用を維持してきたのである。
水田の宅地化が氾濫水害を助長して都市水害を激化したのも、水田が洪水の遊水池的役割を果たしていたことを裏書きしている。
農村の農業用水路は、決して農業用水のためばかりではなかった。農村の人々はその用水路の水を飲料や家事用水に、さらに防火用水にも利用していた。したがって、用水路の水質にも水路維持にも留意し、その管理も行き届いていたのである。だからこそ、ア農村を流れる水路の醸し出す風景は、一幅の絵画たり得たのであると思われる。
設問
(一)「農村を流れる水路の醸し出す風景は、一幅の絵画たり得たのであると思われる」(傍線部ア)とあるが、なぜ「一幅の絵画たり得た」のか、説明せよ。13.5mm×1行
東京大学 1989年度 入学試験 国語 第1問
【各社の解答】(全て間違い)
水路が農村生活と融合し、美しく保たれていたから。【赤本】
水路には水と関わる農村の人々の生活と関心とが総合的に象徴されていたから。【Z会】
水路の管理が行き届き、田園生活に融合していたから。【駿台】
水路を要とする田園風景が、農村の人々の手によって整然と展開されていたから。【東大新聞】
【正解】
用水路は、多目的に利用され、従って、管理も行き届いていたから。
【解説】
Aである。したがって、Bである。だからこそCである。
という3段論法を理解できているか。この設問は前文のテーマ、主旨を教えるためのものであるから、これができないということは、この文で何が書かれているのかを理解できていないということを意味する。
東大の現代文は、学生に「現代文の読み方」を教えるためのものである。だから過去問を拝むような気持ちで大切にすればできるようになる。業者の中には、そもそも、「あなたの答案は答案の解答欄に収まらないよ」という者までいる。いい加減なものです。
では、中学最後の夏休みを楽しくお過ごし下さい。