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noa

投稿者:ヤナカ ◆X3j3CKr75Q
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2014/08/17 09:24:02 (DYm1O6V.)
遙か遠い遠い昔のこと。


幼馴染みというほど、親しくはなかったが、小学校低学年の時からよく一緒のクラスになってた、ノアって子がいた。
クラスが一緒というだけで、小学校時代は、あんまり印象に残るような出来事はないんだけど、さばさばした性格で、女の子っていうことを、意識させない存在だった。


6年の時、たまたま僕が窓際の席に座っていると、ノアが窓から身を乗り出すようにして校庭にいる子と何か話をしていた。
三階の教室から真下の子に叫んでるようで、踵を浮かせて背伸びしている。
小学校の制服は短いプリーツスカートを肩からストラップで吊るタイプなので、前屈みになったり背伸びをすると、すぐにスカートが上がって、パンツが見えてしまう。
たいてい女子はパンツの上にブルマやオーバーパンツをはいて、生のパンツが見えないようにしているのが普通だった。
それでも、僕は女子のスカートの中が見えるというだけで、オーバーパンツと分かっていても、ちょっとドキドキしながら覗いてしまうのだった。
そのときのノアは前屈みに+背伸び状態で、スカートの意味をなさないほど、ずり上がって、お尻が完全に見えていた。
どうせブルマかなんかだろうとちらっと見たら黒じゃなくて白。
何と生のパンツだった。
今みたいな可愛いおしゃれなパンツじゃなくて、ダボッとした木綿のパンツ。
それでも、その白い布地のお尻に釘付けになってしまった。
脚の間の奥の方は、薄黄色のシミが滲んだように見えたが、ただの影なのかもしれない。
息をのんで、スカートの中ばかり意識してたら、いつの間にかノアが首を回してこっちを見てた。
目が合うとかなり気まずくて、僕は何となく目をそらした。
「ヤナカくーん」
いままで聞いたことのないような、ノアの可愛い声に、僕はドキッとして窓際に視線を戻した。
ノアは窓の鉄枠にもたれ掛かるようにこちらを見ていた。
そして、スカートの裾を摘まんでパタパタと扇ぐように捲って、前の部分をチラチラさせて、
「こんなんばっかり見てたら、朝起きたらパンツの前、パリパリなってるでぇ」と、さっきの声とは違う、いつもの低めの声で、ケラケラ笑った。
僕は「パンツの前がパリパリになる」という意味が全くわからず、何かからかわれたということだけが、頭の中にこびりついてしまった。


それから、中学に進むと、ノアとは別のクラスになったが、ノアのことを何とも思っていない僕にとって、それは別にどうということでもない出来事だった。
それよりも、僕を苦しめたのは、クラスのワルによるいじめだった。
ワルと言っても、リーダー格の奴は小学校の頃は一緒に遊んだこともあったハルキという奴だった。
いじめと言っても、実態はカツアゲ。
最初は「10円貸して」から始まって、どんどんとエスカレートしていって、僕の小遣いは、ほぼそいつらに吸い上げられてる状態だった。
ハルキは、わずかな金額をむしり取っては、少ないと言って仲間と一緒になって僕を殴った。
こんなことが三年間続くのかと思うと、泣きたくなったし、実際、一人になると大声で泣いたこともあっら「。。
でも、いじめられているということがひどく恥ずかしくて、惨めな思いが強く、誰にも相談できなかった。


そんなとき、高校に通ってる姉が、盲腸で一週間ほど入院することになった。
手術がすんで、間もなく退院という頃、僕は一度くらいはと思って、病院に見舞いにいってみた。
四人部屋に姉ともう一人、同じ盲腸で入院してる子がいて、そこにはベッドの上で元気に飛び跳ねているノアの姿があった。
「わぁ、やっぱりヤナカくんの姉ちゃんやったんや」
二人は入院中に家族の話とかもしてたらしく、すっかり仲良しになっていた。
なんでも、ノアの方が一日先に手術したらしい。
「ノアちゃん、ウチの先輩やねんで」
姉は嬉しそうに笑った。
「ノアちゃん、めちゃくちゃ可愛いやん」
姉はすっかりノアが気に入ったらしい。
昔から、姉は「妹がほしい」と言っていたことを思い出した。
でも、女の思う可愛さと男の思う可愛さは違うと思う。
「なあノアちゃん、この子の彼女になったってや」
姉が冗談とも本気とも取れない口調でノアに薦めた。
「えぇー? どうしよ。ヤナカくんどうするぅ」
僕は、恥ずかしくてずっと下を向いていた。


数日して、姉が退院してきた。
ノアも無事、退院したんだろう。
姉はそれからも、しきりにノアのことを「いい子だから付き合え」と話していた。
でも、僕はノアが最近ちょっと不良っぽい連中と付き合ってることを知っていた。
いじめにあっている自分にとって、不良と付き合っているノアもいじめている連中と同類にしか思えなかったのだ。

しばらくして、実際、そうだということを思い知らされた。


その日、僕はハルキに要求された一万円が用意できずに、さんざん殴られたあげく、上級生のたむろしている3年生の教室に引っ張られた。
それまでも家のお金に手を出していた僕にはこれ以上の金額はもう無理だったのだ。
タバコの煙が漂う、その部屋に集まった大勢の不良の中にノアの姿があった。

ハルキは僕を上級生に上納金を上げるためのカモにしていたようだった。
偉そうに机に座ってる上級生が僕を引っ張ってきたハルキを睨んでいた。
「コイツ、先公にチクったりせえへんやろな」
「大丈夫っすよ。そんな度胸ありませんて」
手揉みするハルキは小蝿のようで、こんなやつにさえ逆らえない自分が一層惨めになる。
「タバコ代ぐらいやったら出せるやろ。上手いことやれや」
周りから「カトウさん」と呼ばれている上級生の言葉にハルキが、頭を下げた。
「スンマセン。ちゃんと出させます」
ハルキが僕の方を向いて、頭を張ってきた。
僕は緊張と震えでバランスを崩して、立ってられなくてその場にヘタリ込んだ。
とたんにゲラゲラと笑いが起きる。
「ちょっと、ハルキ。何でヤナカなん?」
聞き覚えのある、低めの声がした。
ノアの声だった。
みんな一斉に声のする方を向いた。
ノアは後ろの方で他の女子とならんで様子を見ていたようだが、部屋の真ん中にいる僕たちに前へ駆け寄ってきた。
「友達やったやん。なんでよ」
ノアがハルキに詰め寄った。
「関係あれへんやろ」
ハルキが周りを気にしながら大声を出した。
小学校の時にクラスが一緒だったぐらいで、いじめをやめてたら、いじめる相手がいなくなるんだろう。
それでもノアは食い下がってくれていた。
僕はただ怖くて震えていただけなのに。
「なんや! この女!」
ハルキが割って入ってきたカトウに、ノアと僕が小学校の同級生だと告げた。
「なんや、このガキ、お前の男なんか?」
床に転がったまんまの僕を爪先で蹴りながら、カトウがノアに親指を立てて見せた。
「男とはちゃうけど……」
ノアが言葉を濁す。
「それやったら黙ってろや!」
「けど、勘弁したってください」
ノアは直接上級生に訴えた。
「お前の男やったら許したろう思たんやけどなぁ」
カトウが意地の悪い目で、僕を見下ろす。
「あの、……男です。付き合ってないけど、その子、ウチが好きな男です」
ノアが口にした言葉に驚いた。
どう見ても、この場をやり過ごしたい言い逃れにしか聞こえない。
カトウは、それを気づいてか、僕の方を見た。
「すげえ、告白されたぞ! お前もコイツのこと惚れてるんけ!」
僕は、言葉が出なくてただカクカクと頷くだけだった。
「それやったら、おまえら両想いやんけ! お祝いに、オメコさせたらぁ」
僕は意味がわからなかった。
オメコっていえば、女のアソコのことを指す言葉で、他に意味があるとは、その頃は知らなかった。
「ここで二人でオメコしたら帰らしたるわ」
カトウが思い切り品のない笑い顔を作って、ノアを睨んでいる。
「せえへんかったら、ボコボコにしたる」
ノアに話し掛けながらも、カトウは足で僕を蹴飛ばし続けてる。
「いややったら、他のもんが相手したってもええんやで」
そいつがいきなりノアの胸を掴んだので、ノアは慌てて後ろに下がって両手で胸をかばった。
「どないすんねん」
そいつが凄むと、回りから囃し立てるようにオメココールが起こった。
回りはみんな、オメコ、オメコと声を合わせて叫んでいる。
ノアは、床に尻餅を突いて転がったままの僕を唇を噛み締めながら見下ろした。
「わかった! したらええんやろ!」
そう言って、ノアは僕の横にしゃがみこんだ。
とたんに周囲から歓声とどよめきが起こった。
ノアは僕にだけ聞こえるような小さな声で囁いた。
「ごめんな、ウチで悪いけど、ちょっとだけ我慢してな」
「何?」
僕は何が起きているのかよくわからなくて、固まったままになってしまった。
「もう、黙って脱いで」
ノアがいきなり僕のベルトを外してズボンのチャックを下ろした。
僕はとっさにズボンを押さえた。
「もう、いいから……」
ノアの目に涙が浮かんでいた。
ノアに任せるしかなかった。
僕はみんなの前でズボンとパンツを大腿まで下ろされ、頭がカッと熱くなった。
回りの声も遠くに聞こえる。
「出たホーケー!」
「メッチャちっこい!」
「それで出来るんか?!」
僕は仰向けに寝転がり、肘を突いて上半身を起こした状態で、股間をむき出しにしていた。
ノアが横でスカートに手を入れてモゾモゾすると、足から白い布を引き抜いた。
回りから、さらに歓声が沸き起こった。
ノアは僕の股間をちらっと見て、すぐに目をそらして僕の顔を見た。
そして、僕の腰の辺りに跨がってしゃがみこんだ。
ノアのお尻が直接腿に触れたが、僕の下腹部はノアのスカートに覆われて中の様子は見えない。
素早くノアがスカートの中に両手を突っ込んだ。
そして、僕の大事なところにノアの手が触れるのを感じた。
この状況で、すっかり縮み上がってお腹にめり込んでいた僕のモノがだったが、ノアの荒っぽい指の動きで次第に力をつけてきた。
そのとき、ケバい上級生の女が近くに来て、僕のお腹に掛かっていたスカートを捲り上げた。
僕は、自分のモノがノアの手の中にあるのを見た。
ノアは僕のモノを勃たせようと擦ったり引っ張ったりしているのだ。
そのとたん、こんな状況にありながら、それが一気にノアの手を押し広げるのを感じた。
「一年にしては立派なもんやんけ」
「アンタのより大っきいんちゃう?」
周りは好き勝手に言っている。
ノアは自分が掴んでいる手元を見ないように僕の顔に目を向けてきた。
唇を噛んでこらえてはいるが、頬は涙の筋ができていた。
スカートを捲っていたケバ子が手を伸ばしてノアの手からはみ出している怒張した先端部分を摘まんできた。
「ほら、こうやって優しく剥いたってな」
ケバ子に皮を剥かれて痺れるような感覚がお尻に走った。
「コイツ、もう出そう、出そう」
ケバ子が慌てて指を放してノアの手を押さえた。
「あんた、もう、入れたりや」
ノアはもう一度、僕の顔を見て、目をつぶった。
そして、お尻の位置を前にずらしてスカートの中で僕の先端をお尻の方にあてがった。
ケバ子に剥かれて露出した一番敏感な部分が何か温かい所に挟まるような感触があって、最初、お尻に当てているのだと思っていた。
温かな感覚は、ノアがお尻を上下に動かす度に、先端から次第に根元の方に拡がってきて、お尻から背中、そして脳髄まで電気が走るような得たいの知れない感覚がゾクゾクッと伝わった。
まるで、おしっこが漏れそうな感覚。
ノアは眉間にシワを寄せ、唇を噛んで苦しさに耐えているようだ。
横にいるケバ子がスカートを捲ろうするのを、ノアは必死で両手で押さえていたが、ノアが大きく動いたとき、苦しさに耐えかねたのか、一瞬手を離してしまい、中を覗かれてしまった。
「うわっ、メッチャ入ってる!」
僕も、見えた。
ノアの白い肌の裂け目に、僕の硬くなった先端が出入りしているのを。
「俺にもみせろや」
カトウがノアのスカートを捲ろうと寄ってきた。
僕は、温かな刺激と、目にしたノアの肌に、興奮が最高潮に達していた。
カトウにはノアの大切な部分は見せられない。
スカートを押さえなきゃと、頭の中で繰り返しながら、僕は頭の中が痺れる感覚に、意味もなくノアにすがるように手を差し出していた。
「うぐうっ!」
誰かの叫び声が聞こえたが、それは自分の声だった。
スカートの中で脈打つ僕が、ノアに向けて、何かを噴き出している。
一瞬間があって、回りから爆笑が起こった。
「うわぁ、ほんまに中だししよった?!」
「うそぉ? 俺も遣りてぇ」
口々にいいながら僕たちの回りを取り囲む輪がだんだん小さくなっていく。
ノアはポケットからハンカチを出すと、スカートの中で股間の辺りを押さえながら、立ち上がった。
それで、そのハンカチを、すぐ側にいるカトウの鼻先につき出した。
「こんでええんやろ」
「うわっ」
カトウは思わずのけぞって後ろに避けた。
その隙に、ノアは急いで僕を起こして、ズボンを履くように急かした。
「ヤナカ、行こ」
僕の先端からはまだ、ネバつく白い液体が滴り落ちていて、それを無理矢理パンツに押し込んで立ち上がった。
「ちょっと、待てや」
カトウがノアの二の腕を掴んだ。
「おまえ、なかなか上手そうやんけ。俺らのチンコも相手したってくれや」
「やめてや。話がちゃうやん」
「やかましい! 目の前で自分等だけエエことしといて、ただで済むわけないやろ」
僕は、なんとか勇気を振り絞って、カトウに言った。
「すみません。もう、勘弁してください」
僕は、なにも言われずに、横っ面を殴られた。
派手に音を立てて倒れ、床に響いた。
「おい!なにやっとんや? 下校時間過ぎとるぞ!」
そのとき、廊下で先生の声がした。
「ただのミーティングですよぉ」
何人かいた、廊下の見張り役のことさらにひょうきんな声。
先生が乗り込んでくる、と思ったが、
「一回りして、10分後にまた来るからな。それまでに片付けて帰るんやで」
といって外はまた静かになった。
「先生がお片付けの時間くれたんで、帰ろか」
カトウが残念そうにみんなに声をかける。
そして、ハルキに声をかけた。
「明日、この女廻すから連れてこいよ。このガキもな」

蜘蛛の子を散らすように、誰もいなくなった教室に僕たち二人だけが残っていた。
「帰ろか」
「うん」
教室を出ると、ノアが立ち止まった。
「ヤナカくん、悪い、先帰ってて……」
「え、でも、大丈夫か」
「うん、平気やから」
「今日は一緒に帰ろや」
僕は、ノアが心配で放っておけなかった。
「もう、トイレで洗うから、先帰ってて!」
「ああ。うん」
僕がノアの大切な場所を汚してしまったことを思い出した。
ノアが少し歩きにくそうにトイレに向かうのを見送って、僕は家に帰った。






 
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5
投稿者:**** 2014/08/19 17:15:06(****)
投稿削除済み
4
投稿者:(無名)
2014/08/19 00:11:01    (wa817yQo)
スゴく面白かったです。
続編あれば是非投稿してください。
3
投稿者:
2014/08/19 00:05:35    (ADyBNBvS)
なんか・・・いいねぇ~
昔の、ボーイズビー読んでる感じでした
2
投稿者:ヤナカ ◆X3j3CKr75Q
2014/08/17 11:58:56    (DYm1O6V.)
家ではしばらく放心状態だったが、段々と記憶が甦ってきて、恐怖と興奮とがごちゃ交ぜになって、頭の中が混乱してしまった。
親に風呂に入るように言われたが、粘つく股間を見てるとノアとの行為を洗い流してしまうのが惜しくなって、風呂には入らず子ども部屋のある二階に籠もっていた。
ノアとの行為を思い出すと、自然に僕の中心が張り裂けるほどに膨らんでくる。
触れると、ノアの中で感じた、あの痺れるような感覚が蘇ってきた。
でも、すぐにその後のことが頭の中に湧いてきて、それを萎えさせた。
『明日、この女廻すから連れてこいよ』
あのカトウが言った言葉。
“廻す”というのが、ノアにみんなの相手をさせることだと言うことは何となく分かった。
「どうしよう」
僕は思い切って先生に相談しようかと思った。
しかし、すぐにあの先生の態度を思い出した。
『10分後にまた来るからな。それまでに片付けて帰るんやで』
先生は、教室の中で悪いことをしていると知ってるんだ。
でも自分が見つけたら面倒なことになるから、見つからないようにしろよって、連中に教えてるんだ。
きっと、いままでもそうなんだろう。
そうでなきゃ、学校で、あんなタバコのにおいが誤魔化せるはずないんだ。
けど、親には言えなかった。
この期に及んで、家からいままでに何万円かを抜き取っていたことを知られるのが怖かったからだ。
それで、姉に相談しようと考えた。
姉はノアのことが好きで、可愛がってる。
僕を馬鹿にしたり怒ったりすることがあっても、ノアのことは助けてくれるに違いない。
そう思い、姉の帰りを待った。
けれど、その日に限って姉の帰りは遅かった。
十時を過ぎて、親が警察へ連絡しようかと話し始めた頃、ようやく帰ってきた。
寄り道してしまったと言う姉は、さんざん親に説教されて、トボトボと二階に上がってきた。
疲れたように、がっくり肩を落としている姉をみて、ノアの件を言おうかどうしようかと迷っていると、姉の方が気づいて声をかけてきた。
「きょう、なんかあったん?」
姉のほうから声をかけられて、少し話しやすくなった。
「あんな、実は……」

僕は、いじめられていたこと、家のお金を持ち出したこと、そしてきょう、ノアに助けられたことを話した。
ただ、みんなの前でさせられたノアとの行為のことだけは黙っておいた。
「ノアがあいつらにいじめられたらどうしよう!」
僕は、姉に助けを求めた。
「それやったら、大丈夫やて。そんな連中、口ばっかりで心の中ではバレたらどないしよって、ビクビクしてるんやから」
姉は落ち着いた言葉で諭すように話した。
「ノアちゃんには、今度逢うたら話しとくから、あんたも、怖くてもちゃんと学校行ってノアちゃんのこと護らなあかんで」
姉の言葉は、具体的な解決にはなっていなかったが、僕の気持ちを少し落ち着かせてくれた。
「ウチが言ったとおり、ノアちゃん良い子やったやろ?」
それには僕も頷いた。
姉が寝る前に言った言葉が少し僕に勇気をくれた。
「いじめられてること、よう話してくれたね。 あんた、結構、見所あるよ」


朝起きると、昨日洗わずに寝た股間と、僕とノアの体液が付いたパンツの前が乾いてゴワゴワになっていた。
それを見て、なぜか小学校の時、ノアに『朝起きたらパンツの前、パリパリなってるでぇ』と言われたことを鮮明に思い出していた。
それで、そんな前からノアは性についての知識があったのか、と思うと供に、そんな些細なことも覚えている僕は、ひょっとしてずっとノアのことが好きだったんじゃないかと思えてきた。
そう思い始めると、ノアのことばかり気になって、僕は早めに学校に行って、ノアの側に付いてやろうと家を出た。
学校に一番乗りの勢いだったが、その日は早朝から先生たちが学校に来ていて、ちょっとざわついた感じだった。
ノアのクラスの前の廊下で、待っていると、周りで話している子たちの声が聞こえてきた。
昨日の放課後、ウチの不良グループが高校生数人にボロボロにされたらしかった。
不良グループの連中が、「何でもない」「コケただけ」と頑として被害の詳細を話さなかったため、警察も高校生を特定して捕まえるところまで行かなかったらしい。
ボロボロにされたのは、どうやらきのうあの教室にいた主だった連中のようで10人以上が骨折まではいってないが、アザだらけになってベッドで呻いているそうだ。
あのハルキもその中にいるらしい。
ただ、カトウだけは例外で、右腕が折れているそうだ。

ノアは、予鈴ぎりぎりにやってきた。
「おはよう、どないしたん?」
あっけないほどさらっと言ったノアに驚いた。
「どないって、大丈夫やったか?」
僕はあの後のノアのことも心配だった。
「ヤナカくん、なに言うてるん」
まるで、昨日のことがなかったかのように、笑いながら、教室に入っていく。
あの不良たちがボロボロにされたことは知ってるんだろうか。
ノアの背中に声をかけたが、「朝の会、始まるよ」と僕に手を振って自分の席の方に歩いて行ってしまった。

朝の会では、昨日の事件について薄ぼんやりとぼかした様子で先生から話があった。
表だった事件にならなかったので、全校集会とかにはならなかったのだろう。
先生からは、「子ども同士で盛り場に行かないように」など、通り一遍の注意があっただけだった。
昔のことで、学校も、警察もいまなら考えられないような対応だったと思う。

放課後、僕はまた、ノアのクラスを訪ねた。
掃除中だったノアが僕を見つけて、廊下の窓から顔を出した。
「どうしたん?」
「いや、ちょっと気になって」
「えー、じゃあ、掃除終わるまでちょっと待っとって」
ノアは、朝と同じようにさらっと受け答えしている。

掃除が終わると、ノアが教室から出てきた。
回りの人影も少なくなっている。
「ごめんね、待たせて」
不良たちが締められた事件が気になったが、まずは昨日のことが先だった。
「昨日は、ごめんな」
「ううん、ウチもあいつらの仲間やってんから……」
確かに、いじめられてたのが僕じゃなかったら、そいつはどうなっていただろうか。
でも、そんなことはどうだっていい。
確かに僕はノアに助けてもらったんだから。
「でも、僕やから助けてくれたんやろ?」
「あんときは、なんか夢中やったし」
「ホンマにありがとう」
「もう、いいよ。それから、好きって言うたんも、あの場をやり過ごすためやからね。別にヤナカくんのこと、なんとも思ってないし」
でも、本当になんとも思ってないのに、あんな、昨日のような行為『オメコ』なんてできるんだろうか。
「でも、僕な、あれからノアのこと色々考えたんやけど、やっぱり、好きなんやと思う」
僕は自分でも驚くようなことを言っていた。
ノアは頬を真っ赤にしたが、それをごまかすように笑い声を上げた。
「なによもう、ヤナカくん。昨日みたいのん、またしたなっただけちゃうん?」
「そんなんちゃうけど……」
「あんなことあったあとで好きて言われても、なんか信じられへんよ」
「うん」それはわかる気がする。
強く聞かれたら、本当に好きなのか、ただエッチな気持ちなのか、境目がわからなくなる。
「もうちょっと、考えよ」
それで、僕たちは黙りこんでしまって、別れ道で「バイバイ」と手を振った。

その夜、僕は初めてのオナニーを経験した。
ノアのことばかりが頭にあって、昨日のことを思い出して、快感を得てしまって、後から少し嫌悪感を感じてしまった。

結局、考えようって言われていたのに、僕はまた放課後ノアのクラスに行ってしまった。
ノアは僕の顔を見ると、笑ってくれたが、それが苦笑いなのが何となくわかった。
「一緒に帰ろっか」
それでもノアは、そう言って僕と肩を並べてくれた。
「やっぱり、ノアのこと、すごい気になって、なんか、一緒にいたいねん」
「うん……」
ノアは考え込むように俯いてしまって、ほとんど言葉を交わすことなく、別れ道まで来てしまった。
名残惜しいような、息苦しいような雰囲気に、曲がり角で立ち止まったまま、ノアを見ていた。
ノアは立ち止まったまま路肩に落ちてる空き缶のほうに目をやっていたが、意を決したように顔を上げた。
「あの、ウチ、こんな雰囲気苦手やねん」
僕は、返事に困ってしまった。
「やっぱり、ウチらの気持ちって、好きとは違う気がするねんけど」
「でも、ほんまにノアのことばっかり気になるねん」
「けど、いままで大して話したこともなかったやん」
「急に好きになることって、あるやろ? ノアは僕のことどうなん」
ノアはその問いに苦しそうに顔をゆがめた。
「どうなんって、分かれへんからしんどいんやんか」
「しんどいって、好きやからやろ?」
それで、またノアは唇を噛んで俯いてしまった。
「ヤナカくんは、それでいいの?」
ノアが俯いたままボソボソと話す。
うっかりすると聞き取れないくらい細い声だった。
「いまやったら、「冗談やった」で済むんやから」
「冗談ちゃうよ、ノアが好きや!」
僕は、言い切ってしまった。
ノアが一瞬、さらに苦しそうな表情になったような気がしたが、顔を上げたノアは微笑んでいた。
「うん、ウチもヤナカくんのこと、好きやと思う」
ノアの笑顔に、天にも昇る気持ちになった。
「ウチのこと好きになるなんて、ヤナカくん見る目あるやん」
喜んではしゃぐ僕に、ノアがいつもの調子でからかってきて、それがなおさら嬉しかった。
「もう、おやつ買うてもらった幼稚園の子みたいやんか」
「そやかて、夢みたいや」
僕は、何よりもノアが欲しかったんだと思った。
曲がり角で話をしながら、僕はこのままノアと離れたくなかった。
なので、ノアの誘いが信じられないくらいだった。
「ちょっとだけ、家、寄ってけへん?」


ノアの家は近くの文化住宅の一階だった。
親は仕事に行ってるらしい。
ノアはカバンから鍵を出して、ドアを開いた。
中に通されて、卓袱台の前に座った。
ノアが奥の部屋の窓と玄関横の台所の窓を開けると、風が通って気持ちよかった。
ノアが僕の横に「どっこいしょ」と言いながら座って、「ふぅー」と溜息をついた。
それで、思わず吹き出してしまった。
「なんか、おばあちゃんみたいやな」
ノアも笑いながらこちらを見ていた。
「ウチらが付き合うなんて、なんか嘘みたいやね」
ノアが遠くを見るようにしみじみという。
「ホンマに、好きやで」
僕はきょう何回好きって言っただろうか。
「なあ、付き合うんやから……」
いきなりノアが僕に顔を近づけ、目をつぶって唇を突き出した。
キスのことだと分かるが、動揺して固まってしまう。
僕の唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。
ノアはちらっと目を開けて僕を見ると、
「ほらっ」
と、唇をタコのようにすぼめてきゅっと目を閉じた。
僕は、おそるおそるノアの唇に僕の唇を重ねた。
緊張でカサカサになった互いの唇が、そっと触れただけだったが、いままで感じたことのない、女の子の柔らかさに、心臓が破裂しそうになった。
唇を離すと、ノアがそっと目を開けた。
10センチもない距離に、ノアの恥ずかしそうな目があった。
ノアは乾いた唇を軽く噛むようにして湿らせた。
僕も、唇をそっとなめた。
それで、今度は僕がノアの肩に手を掛けて、ノアを引き寄せた。
ノアがまた、目を閉じて、僕たちの唇が触れあった。
濡れてなめらかになった唇が合わさって、さっきのカサカサのキスとは違う、濃厚な交わりを感じた。
ただ、唇を重ねるだけの幼いキスだったが、僕たちは長い時間、酔ったように抱き合って互いの口を吸いあった。
二人とも、キスだけで息が荒くなって、背中から汗が流れるのを感じていた。
僕の股間は、いつの間にかズボンを突き破らんばかりの勢いでパンツに小さなシミを付けている。
僕はキスを続けながら、迷いに迷った末に、ノアの手を取って、突っ張ったズボンの上に導いた。
嫌がるかと思ったけど、ノアは僕の強張りをズボンの上からゆっくりと揉むように握り始めた。
僕は思わず大きな鼻息を吐いてしまった。
ノアは少し顔を離して、ズボンに手を置いたまま僕をじっと見つめた。
「いいの? いまやったらやめられるんよ?」
「ノア、好きや」
「ウチと…… 後悔せえへん?」
僕は首を振った。
ひょっとして後悔しそうだったのはノアの方なのかもしれない。
ノアは体を離すと、僕に小さく頷いた。
それで、スカートに手を入れて、さっと下着を脱ぎ取った。
僕も、それをみて、すぐにズボンとパンツを脱ぎ捨てた。
でも、それから先は、どうして良いか分からず、仰向けに転がるだけだった。
ノアは僕の腰を跨ぐと、ゆっくりとしゃがんで、右手で硬くなった僕を掴んだ。
そして、左手でスカートを僕の体に掛けて、下腹部を見えなくした。
ノアが、隠れた下半身にそっと手を添えた強張りを擦りつける。
クチュッと言う音が漏れて、先端が温かな中に入るのを感じた。
ノアは掴んだ僕を何度か自分の割れ目に往復させるように位置合わせをして、ゆっくりと腰を沈めていった。
途中、ノアは苦しそうに唇を噛んで、顔を天井に向けたりしながら、腰を上げたり下ろしたりを繰り返した。
その度に、僕の強張りは次第にノアの中に深く飲み込まれていった。
やがて、昨日、僕が爆発してしまった位置まで到達すると、小刻みに腰を上下させて、僕自身を優しく刺激し始めた。
僕は、そのまま絶頂を迎えそうになって腰をくねらせた。
けれども、ノアは大きく深呼吸をして、少し大きめに腰を浮かせると、勢いを付けてぐっとお尻を落とし込んできた。
その瞬間、僕はノアの奥を大きく押し広げて、根元までが完全に埋め込まれてしまった。
手で思いっきり握ったよりも強く締め付けられる感触が僕の強張り全体に伝わって、頭の先までが痺れるようだ。
ノアは苦しさに耐えるように、苦悶の表情をしたまま、自分の恥骨を僕の恥骨にぶつけるように、何度も何度も腰を打ち付けた。
僕はノアの全部を感じながら、腰を浮かせるようにして、ノアの一番奥深くにありったけの精をぶちまけた。
僕の高まりがノアの中でひくひくと脈打ち続ける。
それを感じるように、ノアは僕の上に倒れ込んで、体全体で呼吸するように上半身を波打たせながら、僕にしがみついてきた。
僕は、ノアの背中に腕を回して強く抱きしめながら、荒い息を吐く唇に吸い付いた。

まどろむような時間が過ぎて、僕たちが体を離すと、僕の体にはノアの初めての印がくっきりと残っていた。
ノアは僕の体をぬるま湯で丁寧にぬぐって、きれいにしてくれた。

ノアの親が帰ってきそうな時間になって、僕が帰ろうとするときも、ノアは座ったまま、顔だけで見送っていた。
「動くと痛い」らしい。
出血があったんだから、どこか切れたのだろうか。
「赤チン塗ったろか?」
軽口で笑わせるつもりだったが、ノアは怒った顔で僕をにらんだ。
「さっきアンタの赤チンチン塗ったばっかりや!」
尖らせた唇に顔を寄せてお別れのキスをした。
「もう、スケベな男は、さっさと帰れ」
ノアがほっぺたを膨らませる。
「うん、ほな、また明日な」
ノアの肩をぽんぽんと叩くと、ノアが僕の手を掴んできた。
「あほぉ…… 寂しなるから、もうちょっと居れ」
「いいんか?」
僕はもう一度ノアの顔の高さにしゃがんだ。
「知らんわ。それぐらい自分で考え」
ノアが急に可愛くなって、それはそれで厄介だったが、僕の顔はたぶん、にやけていた。

そのあと、ノアは、昨日の帰り、駅前で偶然逢った姉に、すべてを話してしまったということを打ち明けた。
カトウたち不良をボコボコにした高校生が、姉の通っている高校の生徒だと知ったのは、少し後になってからのことだった。






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