私はあられもない格好なのすら忘れて泣いていた。 あの人が出かけて良いって言ったから出かけたのに……また私が勝手な事したって決めつけられてる悔しさなのか悲しさなのか怒りなのか分からない感情、自分の気持ちを一切考えてくれない父への失望感。 心配するわけでもなくあっさりと置いてくと言われた事への絶望感。 なんで私は生まれてきたんだろう? なんで父は要らない子の私を引き取ったのだろう? なんで私のお母さんは私を捨てたんだろう?(父にそう言われて信じてた) なんでおばあちゃんは父に私を渡したんだろう? なんで私は生きてるんだろう? 纏まらない思考とやり場の無い感情がぐるぐるして涙が止まらなかった。 優さんは戻ってきて私に近づくと私を抱きしめて「泣かないで、悲しまなくていいんだよ。りりは僕のかわいいお人形さんなんだから。」すとんとパズルのピースが嵌ったみたいに、ああ、そうか。 私は人形なんだから悲しまなくていいんだ。 私は優さんの物なんだからそれでいいんだ。 そう思ったらぐるぐるしてた全部がすーっと静かになった。 私は「そうだね。りりは優さんのために生まれたんだもんね。優さん、続き……して?りりをもっと抱いてください」と言って優さんの首に舌を這わせた。 優さんは「いい子だね。いっぱい抱いてあげるよ、僕だけのりり」そう言って自分で軽くおちんちんを扱いて固くするとまた私のおしりの穴にゆっくりと入ってきた。 ゆっくりとしたその動きはまるで落ち着いてと身体の中から心を撫でられてるような感覚で。 どれくらいそうしていたのか分からないけど優さんの「はぁっ……限界。もう出ない。」と言う言葉で私はお腹が少し苦しいと感じてトイレに行きたくなった。 外は真っ暗になっていた。 腕を縛ってたネクタイを解いてもらってトイレに行こうとしたけど私は足に力が入らなくてその場に崩れ落ちかけたところを優さんに支えられた。 「ちょっとやりすぎちゃったかな」と笑いながら優さんは私を抱っこしてトイレに連れてってくれた。 その後も抱っこしてお風呂に連れていかれて身体を洗ってもらってやっと何とか自分で立てるようになったけど足がぷるぷる震えて歩くのもやっとな私を見て優さんは「生まれたての子鹿みたいだね」と笑って私をソファーまで連れてってくれた。 「お父さんに電話しないとね」その言葉を聞いて私は一瞬体が強ばったけどすぐにどうでもいいかと思った。 自分の携帯から父に電話をかけて優さんが「りりちゃん帰ってきてるみたいだよ。俺今起きてさー、りりちゃんと話す?わかった、ちょっと待って」と言って玄関のドアを開け閉めして「りりちゃーん、お父さんから電話だよー」とわざと大きい声で言ってまた玄関を開けた。 「今代わるね」そう言って電話を私に渡した。 私は「もしもし、ただいま」と言ったが言い終わらないうちから父の何を言ってるかすら分からない怒鳴り声が電話の向こうから聞こえて思わず携帯を耳から少し遠ざけた。 所々聞き取れた言葉は「馬鹿が……お前なんか捨てればよかった……出てけ……殺すぞ」そしてツーツーと電話の切れた音。 私は優さんに電話を渡すと「出てけだって」と言って笑った。 優さんは「ここに居ればいいよ。元々りりの居場所は僕の傍しかないんだから。かわいい僕のお人形さん。」そう言って私を抱きしめながら撫でてくれた。 私は何も言わずに頷いてそのままいつの間にか眠ってしまったみたいで気がついたら朝だった。 いつの間にか年が明けていた。 結局帰ってきた父はいつものように怒鳴りながら私の髪を掴んで引き摺るように私を家に連れて帰って気が済むまで殴ったあと「二度と勝手なことするなよ!」と言って出かけて行った。 「意味わかんない、自分で言ったくせに」思わず声に出てしまった思考。 鏡を見ると鼻血が出ていて唇の横も切れていた。 背中も痛くて、やっとの事でお風呂場に行くと服を着たままシャワーを捻って冷たい水を浴び続けた。 玄関の開く音がして慌ててシャワーを止めた。 「りり?大丈夫?」優さんの声だった。 私は「ここだよ」とだけ言ってその場に座り込んだ。 優さんは私を見て「うわ……派手な音がしてたのが静かになったから心配してきたんだけど……ひどいね、痛いでしょ?こんなに冷えちゃって……待ってて」と言って出て行ってすぐに戻ってきた。 「ここだとお父さんが帰ってきたら大変だから家に行こう、少し我慢してね」そう言って濡れたままの私を毛布でくるんで抱き上げた。 あちこち痛かったけど、毛布の温かさと優さんの声を聞いて安心したのか私は意識を手放した。 目が覚めると優さんの寝室だった。 体が痛くて、頭がぼーっとして、優さんを呼ぼうとしたけど声が出なかった。 遠くで優さんの声が「やり過ぎだって、たまたま俺が渡したい物あったからりりちゃんを見つけたけど、凄い熱だよ。あちこち血が出てたし、顔も腫れてるし」 あー……熱があるからこんなにぼーっとするのか……風邪ひいたから声が出ないんだ……私、そんなひどい顔になってるのかぁ。 話を聞きながらぼんやりと考える…… 階段を登って来る足音が2つ。 私は目を瞑って寝たふりをした。 「だから熱が凄くて寝てるって。ここで寝かして落ち着いたら帰らせるよ。アイツら来たら騒ぐし、また朝まで麻雀でしょ?うるさくてりりちゃんゆっくり寝れないよ」優さんがそう言うと父は「はぁ……めんどくせぇ。自分が悪いのに熱出しやがって、どんだけ人に迷惑かけるんだよ」と怒っていた。 「好きで熱出してるわけないだろ?言ってる事無茶苦茶だぞ?落ち着けよ」優さんにしては珍しく少し苛立ったような声と言い方に思わず目を開けてしまった。 幸い父はこっちを向いてなくて舌打ちして起きたら帰らせろと言いながら部屋を出て行った。 優さんは小さな声で「りり、寝てていいよ。水持ってくるから」と言って部屋を出てしばらくして戻ってきた。 起き上がれない私に優さんは口移しで水を飲ませてくれて私はまた眠った。 次に目が覚めると隣に優さんが寝てた。 まだ熱があるのかぼーっとしてたけど、私は無性に優さんと繋がりたいと思って身体を起こした。 あちこち痛くて動くのが大変だったけど何とか優さんのおちんちんを口に入れると優さんが起きて「りり、まだ熱あるよ、凄く熱い。寝てないと」と言って私を寝かそうとした。 私はおちんちんを咥えたままいやいやと首を振って優さんの手をぎゅっと掴んだ。 「お願いします……抱いてください……優さんと繋がりたいの」ぼそぼそと喋る私の声を優さんは静かに聞いてくれた。 「身体痛いでしょ?辛いよ?」と頭を撫でながら優しい声で言われて私はそれでもいいからと優さんに泣きながら言った。