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【飢野魔窟・初潜入】〜透明な共犯関係と神輿の女王〜

投稿者:くべ ◆Jz9y3GJYBc   cubensis
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2026/07/12 18:04:47 (64qztlPv)
 初めての成人映画館に行ってきました。
 一人ではどうしても勇気が出なかったので、経験者(以下:相方)の方と駅で待ち合わせることに。先月知り合い、リアルで顔を合わせるのはこれが2度目。私達の関係はちょっと特殊で、肉体は決して交わらない。「言葉や見せ合いで脳髄を犯し合う」「精神で交尾する」関係なのだ。
 2度目の対面でいきなり成人映画館に潜入する我々も大概だが、この土地柄(飢野)がそうさせる力を持っているのだと思う。この相方とは根底の考えが合うので、話が早かった。

 合流直後、相手がウェットティッシュを持参していることを見せてきた。私もさっき購入していたので見せ合う。やはり、考えていることが似ている。
 道中、「緊張する?」とからかうように訊かれ、「別に。全然」と強がる私。だが、レスポンスのトーンが明らかに低下していることを、彼には完全に見抜かれているようだった。

 現場に到着。すると、入口にはまさかの入店待ちの列が。
外から丸見えの場所で立ち並ぶことになり、内心「やばい。恥ずかしいぞ」と焦る。きっと開店直後のタイミングだったのだろう。
 滑り込むように中へと入ると、お店の方からコーヒーを手渡された。新規客へのサービスらしい。ありがたいが、コーヒーは飲むとしばらく口内に香りが残り、嗅覚などの感覚が鈍る。好きではあるが、今摂取すべきアイテムではなかった。
 しかし、手をつけていないことを指摘され、私の「変なところで気を遣う悪い癖」が発動。結果、それを一気に飲み干す羽目になった。
 女性用お手洗いも促されたが、私には必要ない。「身支度とかあるんじゃない?」と相方に心配されたが、んなものは無い。私のこの「110キロの身ひとつ」で十分なのである。

 いよいよ、中へ潜入した。
 つくりは、一般の映画館とさして変わりないように思えた。先客もバラバラに座っており、気になっていた特有の匂いも無い。むしろ綺麗な映画館という印象だった。スクリーンに映し出される映像だけが、ここがどういう場所であるかを明確にしらしめていた。

 座る場所を決めかねていると、相方が助け舟を出してくれた。
「……最前列に行きましょうか。こういう、真ん中だと囲まれ対策が難しいので」
 一番前へと歩みを進める。端をひとつ空けて、端から2つ目に自分の手荷物を置き、端から3つ目の席に110キロの質量を押し込んだ。相方はその隣へと腰を降ろす。
 悔しいが、私は緊張でガチガチだった。相方もここでは私に気を遣ってか、過度な煽りは控えていた。そのかわり、早速自分のブツを取り出し、慣れた手つきで愛撫を始めたのである。
 先日オンラインでそれは見たが、実際に生で見るのはこれが初めてだった。だが、そんな衝撃を食らっている暇は無い。我々のミッションは、この非日常空間で「お互いに一切接触しないままのO見せ(オナ見せ合い)」なのだ。
 彼が始めた。ならば私も始めねばなるまい。遠慮は要らない、普段から頭の中ではいつもトンでいるではないか。いつも通りやれば良いのだ。
……そう頭ではわかっているのに、身体が動かない。
 言い訳になるが、人前で見せるのはこれが初めてなのだ。この異常なシチュエーションでも、私の質量と力をもってすれば容易いはずだと高を括っていた自分を呪った。

 一番端の席に人が座った。相方の隣にも人が座る。真後ろの席にも人がいるらしく、小声で言葉を交わし合っているのが聞こえた。
「触れるの禁止だ」「声かけも無しね」
 なんと、彼らは私たちの希望(ルール)を共有し、連携してくれていたのだ。この謎の協力体制。私達は今、全員でこのステージを創り上げている。
 祭りが始まった。そして、この祭りの神輿は……まさかの私だ。
 私も担ぎ手側に回って、みんなとワッショイしたい思いは山々だが、乳と穴というコンテンツを所有している私にしか出来ない仕事がある。

 私は自らの前頭葉に命令を下し、前開きワンピースのボタンを外し、乳房を放り出した。
 スクリーンの光で青白く照らされた私の乳房。
相方が、私にしか聞こえない絶妙な声量で「おぉ〜」と煽ってくる。普段、低俗なエロ煽りを避ける彼のこの「おぉ〜」がとても厄介で、心の中で(うるさい!笑)と笑顔でツッコミを入れたが、それが現実の表情に反映されていたかはわからない。それくらいには、私は自分の世界(脳内絶頂)へと深く没入していった。

 こうなってくると、人間の性癖というものは隠せない。
 私は自分で自分の頭を強く掴み、頭の中を痒みでいっぱいにしながら絶頂を続ける。

この手の主は、他でもない。私が絶対の忠誠を誓う「牛飼い様」と繋がっているのだ。
……なのに、私は今、こんな魔窟でこんなことをしている。

 スクリーンの男女はあいかわらず組んず解れつ、とても気持ちよさそうに愛し合っている。観客はみな、静かにそれを見ている。
……いや、隣の男(相方)はスクリーンなど一切見ず、私だけを全力で「視姦」してくる。
 私の方には相手を観察する余裕などなく、ひたすら自分の脳内世界に沈み込んでいる。
 なんて、なんて奇妙な空間なのだろう。みなそれぞれが各々のやり方で、この場を楽しんでいるのだ。

 何が正解で、何が空気を読まない行動なのか。相場も知らないまま好き勝手に脳内絶頂を続けていた私は、次第に少し余裕が出てきて、隣の男の様子を窺った。
 あいかわらず私を見ているが、明らかに劣情だけのものではない。私の体調やテンションを冷静に観察している目だ。その証拠に、新規のお客さんに概要を説明したり、私に近づき過ぎないように周囲を牽制してくれていた。
 気がつけば、一番端のお客さんも同じように立ち回ってくれていた。
 なのに、スクリーンでクライマックス(男優が果てる瞬間)を迎えた時だけは、全員がスクリーンをガン見しているのがひどく面白かった。男が果てたらすぐ終了で、次のエピソードが始まる。  この圧倒的な効率の回し方も、多くのAV脳を輩出してきたこの劇場の見事な手腕であろう。

 私は下のボタンも外し、秘部も自慰してみることにした。ストッキングが邪魔なので、破く。
誰かに破いてもらうのも面白かっただろうが、初めて自分の手で破くという行為を経験できたのは快感だった。
 秘部は、やはり濡れてはいなかった。こんなにも興奮し、ガタガタと痙攣し、頭の中ではずっと気持ちよく絶頂し続けているというのに、物理的な潤いとは回路が違うようだ。しかし、この場は濡れているのが「適切」なのだ。クリトリスを刺激してみたが、いつもの感度とは全然違っていた。やはり、回路が違う。

 余計な考え事が増えてきた頃、相方とお客さんが休憩を提案してくれた。
 お言葉に甘え、脳を落ち着かせる。現在時刻を調べると11時を過ぎていた。体感ではもっと長く居たはずだが、まだこれしか経っていない。この時間感覚の変容(バグ)も、脳イキの醍醐味だと思う。

 時間配分を考慮してくれた相方が、「そろそろぶっ放します」と静かに宣言した。
 計画通り、例の「透明カップ」に採精するのだ。
「立ったほうがヤリやすいから」と、周囲を汚すリスクを無くすために彼が立ち上がる。必然的に、私の前に仁王立ちになり、座っている私を見下ろす姿勢となる。
……許せなかった。この私が、なんでこんな「被支配者側」の視覚に甘んじているのか。 
 しかし、すっかりメスになってしまっていた私は、咄嗟に彼に「二人きりになりたいからトイレに行きたい」と情けない提案をしてしまう。
 当然、それはマナー違反だとして彼に即座に却下された。どこまでも根が真面目で、かつド変態の、本当に面白い男である。

 私の目前で、ついに射精は行われた。私は透明カップ越しに、その一部始終をしっかりと見届けた。
 彼が今、どんな情けない顔を晒しているのか目に焼き付けてやろうと見上げると……彼もまた、私を見下ろしていた。
 私達は互いに目が合い、暗闇の中で「ニヤリ」と笑い合った。
 この秘密の共犯関係を、私達は骨の髄まで楽しみ尽くしたのである。
 
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