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1
2012/07/22 04:50:51 (am16RDEW)
告白

 「ふざけた事ぬかしやがると、オメーも、ブッ殺すぞーっ!」

 僕は、今まで生きてきた中で、最高に気持ち良くて、最高に幸福感を味わえた『チュー』をしてくれた唇が、その影も形も無く醜く変形し、さらにどん底の恐怖を感じさせる暴言を吐き出しているのを見て、絶望しました。

 あの柔らかくて、口の中に含むとプルプルする、溶けてしまいそうな感触がたまらない下唇が、ひん曲がってプレデターの口になってました。完全にキレてます。恐すぎて目は見れません。

 そんな『あいこ』の前で、僕は『言い間違い』で『好きです』と言ってしまいました。完全戦闘状態の『猛獣』に『告る』という、場違いもはなはだしいミスを冒してしまいました。

 獲物にトドメを刺そうとする、『猛獣』のキバが眼前に迫ってました。でも、ここで引いたら確実に噛み付かれて、『ショウたん』の道連れにされてしまいます。

 こうなったら『猛獣』の口の中へ、一か八か頭を突っ込むしかありません。生理的反射行為を呼び込んで、『狩り』を中断させる捨て身の作戦でした。

 「あ、『あいこ』さんっ! ぼ、僕と…、つき合って下さいっ!」

 『ショウたん』に蹴りの雨を浴びせていた『あいこ』に、僕は何も考えずにぶつかっていきました。よく覚えていませんが、さらに逆上して、僕に『何か』をしようとした『あいこ』のどこかに、なぜか僕のチンポが当たりました。

 「きゃっ!!」

 信じられない事に、『猛獣』が僕のチンポに怯みました。この戦場下にあって、僕は緊張でなのかガッチガチに勃起してました。僕にもバカのDNAが、しっかりと遺伝してました。

 「…バカじゃないの? 何、押し付けてんだよっ!?」

 『あいこ』のテンションが、ちょっと下がりました。チンポを手で払おうとした『あいこ』が、僕のパンツの『富士山』に触った途端、またビクッと萎縮しました。

 「な、何だよ…。何のマネだよ、急に…。」

 僕の作戦が成功したのかどうか分かりませんが、『ショウたん』への攻撃が止まりました。でも、踏ん付けたままの足を『あいこ』は離しませんでした。

 『あいこ』が一旦、ニュートラルコーナーに下がったまでは良かったのですが、僕はノープランもはなはだしく、次の手が全く何にも打てません。二の句も告げられず、ただ『あいこ』をチラチラ見ながら、チンポといっしょに突っ立ってました。

 痺れを切らしたのか『あいこ』の方から、

 「お前、今、なんか言ったよな…?」

と、話しかけてきました。僕は一瞬、『また、「あいこ」クイズ開始か…!?』と緊張してしまいました。『あいこ』の肩越しに遠く見える、『シンゴ』と『ハラニシ』の姿に、数分後の僕の結末を想像して、カタカタ震えてました。

 「…もっかい、言ってみろよ。」

 頭の中に『デジャヴュ』の文字が浮かんで、『「ショウたん」の惨劇』がまざまざと甦りました。僕の身体中の毛穴から、汗が噴き出して止まりませんでした。

 「…僕と、つき合って下さい。」

 僕にはもう選択肢が無かったので、『ガン〇ム』を喰らう覚悟を決めて、また告りました。

 でもやっぱり、これも『「あいこ」クイズ』だったらしく、もろに不正解だった僕は、『あいこ』に『チッ!』と舌打ちをされました。僕は『や、ヤラれるっ…』と思って身体が硬直しました。

 「…その前っ! 『つき合って』の前に、何か言っただろうがっ!? それを言えっ!」

 イラついた『あいこ』が、踏ん付けたままだった『ショウたん』を、僕の代わりになのかガンガン蹴り始めました。僕は慌てて、セリフを思い返しました。

 「う~ん…、あっ! ………えっ?」

 「…思い出したかっ?」

 「…えっ? あっ、ハイ…。」

 「何だよ…、言えっ!」

 『言え』と言われましたが、焦って言い間違えたセリフなので、ちょっと『どうしよう…』と思いました。それに、ついさっき『ふざけた事』と言われたので、正直言いたくありませんでした。

 「じれってぇ~な~っ!」

 僕が戸惑っていると、イライラがMAXになりだした『あいこ』が、力一杯『ショウたん』をグリグリ踏みにじりだしました。『ショウたん』がうめき声を上げながら、涙目で『早く言ってくれぇ~』と訴えてきました。

 「『あいこ』さん、好きです。」

 あまりにも『ショウたん』が気の毒に思えたので、僕は失神覚悟で言いました。すると『あいこ』は踏みにじりるのを止め、僕に向かって静かに話し始めました。

 「…『ともスケ』、一応、確認…するぞ?」

 「は、はい…。」

 「…このあたしと、『付き合う』ってコトで、…いいんだな?」

 「はい…。」

 「あたしが…、強制してないよな…? …言い出したのは? どっちだ?」

 「…ぼ、僕です。」

 「『まさみ』に言われたから…、じゃ、ないだろうなっ?」

 僕は『あいこ』に、バカ姉とシャワーを浴びてた時の会話を聞かれてたのかと思って、『ドキッ!』としました。

 「ち、ち…、…全然、違いますっ!」

 たとえホントはバレバレだったとしても、バカ正直に『はい』なんて絶対に言える空気じゃなかったので、僕は全力で否定しました。

 「………じゃあ、何でだ? …理由はっ!?」

 『あいこ』が、僕の眼球をミカンのように割裂く勢いの、視線を飛ばしました。僕はとても直視出来なくて、目をつむったまま大声で叫びました。

 「『あいこ』さんが、好きだからですっ!」

 無茶苦茶怖くて恥ずかしかったんですが、叫んでしまうと、何だかホッとしました。力の抜けた僕がゆっくり目を開けると、顔を真っ赤にした『あいこ』が、僕を恥ずかしそうに見つめていました。

 「お前…、バカだろ?」

 無理矢理、僕に言わせておきながら、『バカだろ?』は『無いんじゃないか?』と思いました。でも、元カレを踏み付けてる女に言うセリフでも『ないよな~』とも思ったので、素直に『ハイッ』と答えました。

 「もっかい、ちゃんと、目を見て…、言ってみろ…よ。」

 何だか語尾が聞き取りにくかったんですが、バカ呼ばわりしたくせに、僕の告りを、もう一度聞きたいみたいだったので、リクエストに応えました。ホントに面倒臭いヒトです。

 「僕…、『あいこ』さんが好きです。…だから、僕と…、付き合って下さい。」

 「……………うん。」

 「えっ?」

 「………あ? 何が…『えっ?』…だ? コラっ!」

 「あっ、いっ、いえっ、お願いしますっ! お願いっサーーッス!!」

 僕には何度も言わせておいて、自分の発言を聞き返されると『キレる』って、ホント、『何なんだよ、コイツっ!』です。

 「…オイッ!」

 『あいこ』がずっと踏み付けていた『ショウたん』に声を掛けました。

 「今、コイツが言ったの、聞こえたよな?」

 「…ハ、ハイ。…聞かせていただきました。」

 「コイツに、何か文句あったよな? 言えよ…。」

 「…いっ、いえっ! な、何も…、ありませんっ!」

 「あたしと、コイツが付き合っても、文句ねぇ~のかよ…。」

 「お似合いだと、…思います。」

 「ふん…。」

 ごたついてた元カレ・『ショウたん』との仲を、『あいこ』は力技で収めました。散々暴れ回った身体をストレッチするように、あちこち伸ばしたり曲げたりしながら、

 「…ったく、しょうがねえ…、付き合ってやるよ…。」

と、面倒臭そ~に言いました。

 「…あっ、ありゃっザーーッス!!」

 「…あんまり、盛んじゃね~ぞ!」

 「はっ、はいっ!」

 僕は、この時の『盛んじゃね~ぞ』のセリフを、ホント忘れません。録音出来なかったコトが『後悔の極み』です…。

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10
投稿者:通りがかり
2012/07/24 16:54:22    (4lrPEK88)

とても良い文面ですがレス違いだと思います


9
投稿者:読者 ◆pR2NxewZcs
2012/07/22 21:21:30    (0Of0zaVA)
さあ【ともすけ】くんのjobが(猛獣)の【飼い主】or【調教師】に確定ですか?
しかもココが【近親板】となると…しかも【あの(残念?な)お姉さん】…と妄想しますと…
「【ともすけ】頑張れ!今はそれしか言えん…」
そして【ともゆき】さんも頑張ってください。
8
投稿者:ともゆき
2012/07/22 20:57:46    (am16RDEW)
『愛読者1号』さん、いつもありがとうございます。暑中お見舞い申し上げます。ミートゥー。
7
投稿者:愛読者1号
2012/07/22 17:52:39    (2v8Jtyeb)
さすが
相変わらず最高ですが次が気になって仕方ないでやんすね
詫び錆びがたまんないですよ。頑張って下さいね

暑中見舞い申し上げあげます
6
投稿者:ああん ◆4cSIZRDFmM
2012/07/22 13:57:15    (YR0vf4NI)
追伸
最後の『盛んじゃね~ぞ』その後のこと像蔵してしまう
きっと・・・・になるんではないかな~~。

楽しませてもらってる。
5
投稿者:ああん ◆4cSIZRDFmM
2012/07/22 13:52:11    (YR0vf4NI)
おはよー よがあけてた^^;

セールスマンさん 貴方がそんな心配?してナンになる。
ナンネット側の住人だね?サーパーが苦しいか?

あるものを動作さす為に 新しいジャバ・DLLを少し入れたせい?
それか、そちらの設定変えたか?
 ワード、メモ帳で書いたものをここにコピペしたら
メモ帳のように張り付くようになったね。前と違い貼り付けてから調整しにくい、できないね

右横のちらちら動く、フラッシュやめたら少しでもいいのだと思うね?

4
投稿者:(無名)
2012/07/22 06:17:53    (9XlEjKQB)
相変わらずの名文、素晴らしいの一言です。
「あいこ」ちゃんのツンデレ振りも可愛いくて最高!
私も「笑う性るすまん」さんと同じ様に考えていましたが、1スレに纏めてしまうと、膨大な数のレスから「ともゆき」さんの書き込みを探すのが面倒になり、せっかくの名作の新しい読者に不親切になるという弊害がある事に気付きました。ですので、今のままのスタイルいいのでは無いでしょうか?
もし問題があればナンが対策すると思います。
3
投稿者:ともゆき
2012/07/22 06:17:51    (am16RDEW)
『笑う性るすまん』さん、二度目まして。ご指導ありがとうございます。コメントのところに本文を書くのが、ちょっと不安な面もあります。ですが、前向きに善処いたしたく思います。
2
2012/07/22 05:29:51    (dbCe9jvq)
ともゆきさんはじめまして、いつも楽しませていただいています。
いよいよそう来ましたか!!
続きが楽しみです!
しかし皆さんのご意見にもあるように、スレ立てはもう少し減らして一つのスレにもっと長く書き込んで、他の人のスレが増えてアクセスしにくい状況になるまでこらえてはいかがでしょうか?
せっかくの傑作がつまらない事で批判されているのは見るに耐えません。
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