2018/10/22 13:52:10
(E5QRRPEX)
この話は1年か、2年前に、ナンネット(の中のどの掲示板か忘れましたが)に投稿した記事を改めて1から書き直したものです。
以前に投稿した記事は、途中までうまくかけてたという実感もあったのですが、長編の連載形式というのもあってか、途中でコメントを下さる読者の方々の間で口論が起きて炎上していまい、結果、最後まで書く機会を失ったような形になった事がありました。
今日は非番の休日でたっぷり時間があるので、改めてもう一度、あの日の僕の物語を完結を目指して書いていこうと思います。
<一目見た時>
あの時の僕は、毎年夏休みになると徳島の海部という場所にある祖母の実家に行くことが恒例行事でした。 夏休みにおばあちゃんの家に行く。というのは、誰もが恒例行事となっていた少年時代を過ごした方々も沢山いるのではないでしょうか。
僕がこの夏の恒例行事を楽しみにしていたのは、祖母の家に行くときはかならず、3万円のお小遣いをもらう事ができるのが一番の楽しみでした。なんせ夏休みの間、まるまる祖母の家でお世話になるのだから、さすがに祖母にお小遣いの世話までさせたくなかった。というのが母の考えるところだと今では思います。
しかし、3万円という小遣いをもらった僕は、祖母の家に行く前に、すぐにエアガンを買ったり、ゲームソフトを買ったりして大半を使ってしまい、それがバレたら母に怒られるというのもあって、祖母の家にいく荷物の奥底にエアガンとゲームを隠し、何事もない素振りをしてフェリーに乗船するのでした。
フェリーの中では、また少年だった僕にはとても楽しいものが沢山ありました。大人びてフェリーの中で売っている相場より高い150円の自販機のコーヒーを買って、大人の真似して甲板で飲んでみたり、またフェリーとか、ああいう場所で食べるカップ麺とか、これまたおいしいんですよね。そして無駄に船の中を隅々まで探索したり。
そんな子供心に満ち溢れた一人旅であったのです。
船が海の上を走っている時間は約6時間。今思えは6時間なんて寝ていればアッという間に過ぎていくはかない時間ですが、当時の僕にとってはとても長い時間のように感じられました。仕事とか、人間関係とか、収入と支出とか、一切なにも考えなくていい、当時の僕の目の前は楽しい事で一杯だったのです。
フェリーが船着き場に到着し、僕は一番先に船着き場から、船に接続された鉄板でできた階段を下りていきました。まだ暁の日が薄暗い、鳥がチュンチュンと鳴いているそんな時刻でした。
学校の夏休みはとっくに始まっていたが、これからが本当に俺の夏休みが始まるんだ!そんな期待をもって、僕は足取りかるく、鉄板でできた階段を、タンタンタンと独特の音を鳴らせて駆け下りていったのです。
船の階段を降りて波止場までくると、船から降りてくる旅客をまっているのでしょう。数十名の人々がフェリーから降りる乗降客を待っていました。家で待っている祖母は足が悪いので僕をこんな明朝に迎えに来る事もなく、僕は何事もなく乗降口の場を通り過ぎようとしました。
すると、その数十名の中に、一人、異彩を持つ女の子が立っていたのです。
年齢は僕と同じ年くらい。だけど・・・男である僕より背が高く見えるすらっとした身体。少し膨らんでいる胸。髪の毛はキレイな黒髪で背中まである、なんの細工もしていない純正のストレートヘア。何より、まつ毛、目、鼻、口、あらゆる顔型が、まるでお人形さんのように整った、和風美女を発見したのです。言い換えれば、夏の甲子園とかでチアガールとか、マネジャーとか、そういう「イメージモデル」ってありますよね、純粋な中に活発さがあるような、あのイメージ、そんな子が船着き場で誰かを待っていたのです。
(うわ・・・・。こんなかわいい子がこんな田舎にいたんや・・・・)
僕はその彼女を思わず2度見してしまいました。しかし、3度みるのはさすがに失礼かと思い、僕は振り返りたい欲求をこらえて、何事もなく祖母の家へと足取りを速めたのです。
海岸線をそって祖母の家に行く、そこには毎年見慣れた漁船や、魚市場、衣料品店、駄菓子屋、肉屋、本屋、今となってはこの手の業種はすべて大型スーパーの中に併合されてしまっていますが、当時はまだ、これら小売店が商売できる地域でもありました。
僕は田舎情緒あふれた毎年くる道をたどって純和風建築の祖母の家にたどりついたのです。
祖母の家についてからは、祖母からの「元気しとったかえ?」との言葉をもらい、それから、おにぎり、味噌汁、黄色の沢庵、などを食べてその日は夜から朝にかけて船旅をしてきたという事もあって、祖母の家で就寝する事にしたのです。
しかし、布団の中で思い出すのは、あの船着き場で見かけたあの美少女の姿でした。
(あんなにかわいい子がいたんや・・・)この言葉だけが僕の頭の中を何度もあふれては消え、あふれては消えを繰り返していました。
そして翌日、僕は昨日の朝に見かけたあの子の事も忘れ、山で買ったばかりのコルトM1911A1のエアガンで射撃し、夕方からは近くの波止場で鯵釣り、時には朝から海水浴に行ったり、その帰りに親戚の家に言ったり、何の不自由もない夏休みを過ごしていました。
すると身体で出来るのはクラゲに刺された痕。僕はそれが嫌になって、(海いくのは控えるか)と思っていたのです。と同時に、(そういえば、、、あの隣町の海岸の森林をくぐったとこに50円の市民プールがあったよな・・)と思い出したのでした。
その市民プールは僕が以前に何度か、親戚の兄ちゃん達に連れられた行ったことがあるプールだったのです。
僕はその日、いつもどおり準備は海水浴に行く準備をしながら、1時間に2本という少ないバスにのって隣町まで行きました。そして記憶をたどり、(先祖の墓がある)森林の中を探し当て、その中の林道を通って目指していた市民プールへとたどり着いたのです。
今でこそ、この市民プールは人々のしるところとなり、夏休みにもなれば家族ずれでごった返していました、当時は地元民しか知らない秘境のプールでした。プールの構造はただシンプル。5本の25Mのレーンがあるだけの、いいかえれば学校にあるプールと同じ構造のプールだったのです。
僕はその市民プールの入り口にたどり着き、そして50円硬貨を入れる箱に入れました。別に50円を入れなくても誰にも文句を言われる事もない田舎のシステムでしたが、かといってたかが50円ごときケチるのもどうかと思い、アルミでできた四角い箱に硬貨を入れたのです。
そして中に入ると、ロッカールーム。とくにお金を入れて使うロッカーではありません。ただのロッカーです。もし何か盗まれたら自己責任というパターンですが、特に平和な田舎ではそんな盗人もいないのが実情です(原付がキー付きで駐車されてる世界ですから)
それからロッカールームを出れば長方形のプールが僕の目の前に出てきます。森林に囲まれた中にポツンとあるプール、人は誰一人いませんでした。
すると・・・・
(え・・・・?)
なんと、プールサイドにあるテント(小学校の運動会でPTAが座ってるところの感じのテント)の下に、あの船着き場でみたあの子が本を読んで座っているではありませんか・・・。
(え・・・ ・・・なんでここにあの子が・・・)
一瞬、頭が真っ白のなりました。
ですが、かといってその子がいたからといって、顔見知りでもなんでもない僕がなんらかのアクションを起こせる訳がありません。
僕は他人のふりをし、何事もないふりをし、プールに入り、適当に泳ぐ。そんなぎこちない遊泳が続いたのです。しかし、頭の中はあの子の事を考えて一杯でした。
プールで無造作に泳ぎながら、(声かけようか、、、いや恥ずかしい。。。無理だ・・)そんな事を考えながら、ずっとあの子の事を意識しながら泳いでいました。
それからある程度、プールで泳いだ後に休憩をしようと思いました。といっても休憩できるような場所はあのテントの下にいくつか並べられたパイプ椅子しかありません。
きっとあの子には僕が何か意識しまくっている事はバレていると思いました。なぜなら似たような年代だからです。僕がプールの中で時折顔を出したときにあの子も僕を見ていた事もあって、何度か目が合って目をそらしたような事もあったのです。
僕は(休憩するだけだから、別に椅子に座っても問題ないだろう)と思い、当時の僕にとってはたかがこの行為だけでも勇気がいる事でしたが、プールから上がり、あの子が座る少し離れたところの椅子に腰かけたのです。
するといっても、同じテントの中に僕が入ってきた事ですから、あの子もあの子でなにか意識するところがあったのか、僕がテントの中に入ると、少しして彼女は立ち上がったのでした。スクール水着の上にTシャツを着ている、そんな素朴な恰好でした。
思春期真っ盛りの僕。立ち上がった彼女のスクール水着が食い込んだお尻。。そして僕の目の前を通り歩く時のワレメに少しフィットして、アソコの形が浮かび上がる股間・・・そんなところに目が言ってしまいました。
そして彼女はプールの飛び込み口 1 2 3 4 5 とか書いてる台に来ると、着ていたTシャツを脱いで、ゆっくりとプールに入り、彼女も平泳ぎで向こう側へと泳いでいくのでした。
お違い、(何か意識しあっている)というのだけは実感を持つことが出来たのです。
それから僕は毎日のようにプールへと足を運びました。彼女は毎日、プールの椅子に座って本を読んでいました(後で聞くところによるとアルバイトでした)しかし、声をかける事はできませんでした。時には別の家族ずれ等もいて、声をかけれるような雰囲気もないときがありました。そして3,4日後、僕は最大の勇気を示してあの子に声をかけてみたのです。
「こんにちは。あのさ、3、4日前の朝、船着き場にいなかったっけ?w」 と。すると彼女はこう答えました。
「うん。あの時船から降りてきたよね?関西からきたの?」 と。
(うおおおーーー!!!!! 覚えてくれてたぞ!!!!!!!!)と狂喜した瞬間でした。
それから僕たちはプールという場を使って急激に仲良くなっていったのです。