旦那の転勤でやってきた懐かしい街。 昔、あたしがあんたと暮らしてた街。 高校出て、専門学校に進学してこのまtに来て、そのまま就職して、あんたに出会い、そして、一緒に暮らし始めたんだ。 あたしは高校時代にバカやってて、この街に来た時には男の味を知ってた。 でも、あんたに抱かれて、初めて愛されるセックスを知ったんだ。 女子高生時代、イケメンの先生に口説かれて、処女から仕込まれて以来、男のチンポを欲しがる女になった。 セックスには快感が伴うから、その快感を得るために男に股を開いた。 先生だけじゃなく、先輩やクラスメイトも食い散らかした。 高校生のくせに、仲間と乱交もしたし、大学生に輪姦されて潮噴いたこともあった。 高校の3年間で、20人くらいとパコった。 特に大学生やおじさんは、セーラー服着たままの方が喜んだ。 セーラー服って、男を誘う強烈な武器になると知ったあたしは、高校のセーラー服を持ってこの街の専門学校に進学した。 そして、なんちゃって腰鋼製で、男を誘った。 あたしは、人数をこなすことと、モテてることの違いに気付かなかった。 女である以上、無防備にしていれば音が自然と酔ってくるわけで、あたしは安い女だったんだと気付いた。 あんたに愛されて、セックスに対する見方が変わった。 元々、動物として生殖行為のセックスなんだけど、それに伴う快感のためじゃなく、この人と身体を交えたいと思うのが、人間のセックスだと思った。 セックスによって、愛情を確かめ、信頼を深めていきたいと願うのが人間のセックスだと、あんたに教えられた。 あんたと暮らし始めて、あんたに愛されているうち、あたしはあんたに愛される資格があるんだろうかと思い始めた。 あたしみたいなズベ公が、あんたみたいな誠実な男と暮らしてることに懺悔の念が湧いた。 その思いが次第に募った頃、やってきたのが東日本大震災。 あんたの実家、東北で、家業を継いだお兄さん、津波で行方不明になって、あんたが跡継がなきゃならなくなった。 あたしは、あんたを解放しろと言う神様の思し召しだと思った。 あたしみたいなのに捕まったあんたを、あたしから逃すために起きた震災だと思った。 だから、あたしはあんたを笑顔で見送った。 「ごめんよ。お前を幸せにしてやれなくて。本当にごめんよ。お前を連れていきたいけど、原発が…若い女の子を連れて行くわけにはいかないんだ。さよなら。元気でな。」 「今までありがとう。頑張ってね。ここから応援してる。さよなら。元気でね。」 同棲を解消して、あたしはアパートに引っ越した。 そして、暫くはあんたとの思い出の中、あんたを解放できて良かったって思いながら、あんたの幸せを願った。 優しかったあんたが、素敵な人と巡り合えますようにと祈った。 そしたら、旦那と巡り合えた。 あたしは、旦那にはズベ公だった過去や、あんたに巡り合えて一緒に暮らしたこと、そして、愛されることと自分の過去に葛藤したこと、あんたを解放できてホッとしたこと、全部話した。 「良く、気付いたね。大切なのは、気付くことだよ。君は素敵だ。」 って言われた。 あたしは、旦那に愛される幸せをくれたのは、あんただと思ってる。 旦那と結婚して、2年で転勤でこの街を離れて、10年ぶりに戻ってきた。 今、この街にあるあんたとの思い出の場所に佇んで、あんたを想う。 あんた、もう40歳なんだね。 あんたと暮らした貸家、懐かしく眺めてる。 素敵だったあんた、元気でいて欲しい。 メルアド、あんたと暮らした思い出に消してないけど、もう、連絡することも、会うこともないね。 ただ、あんたの思い出として、ずっと残してるよ。 あたしみたいな女を愛してくれて、ありがとう…