車内での会話は、Ｍの旦那の愚痴や子供のこと、後は以前不倫していた若い彼(俺とタメだったらしい)の話を聞いた。聞くばかりではなく、俺の家族や過去の話も交えながら相槌をうつ。

それとなくアッチ方面のことも尋ねると若い頃は毎晩遣りまくってたこと、今は旦那とは寝室も別でもはやレスどころか拒絶に近い位ないこと、不倫していた彼とホテルに来た時のトラブルなど…受け取り方によっては「最近してないから欲求不満気味なの」とも解釈出来なくもないが…様子を伺うが淡々と話すだけで、そんな信号は見当たらない。…と思う。

さりげなく強引に連れて行くべきか？俺の飼っている『亀の頭脳』が囁く。黙れエロ亀！俺一人で葛藤中。
考えて意識するうちにテンパって会話がぎこちなくなる。Ｍの話も一段落。ついにお互い無言…沈黙が苦痛。

しばらくしてＭに娘からのお迎え要請メールが…。不本意だが気遣うフリして「帰ろうか？」と声をかけると、「…ウン。」

既に俺は自己嫌悪。気のきいた話で楽しませた満足感ゼロ。正直おもしろトークは得意なつもりだったのに…。

何故こうなった？

こんなにクリーンなお子ちゃまデートは初めてだ。おまけに相手を退屈させた。…屈辱。

浜辺は風がやや強く冷たかった♪
さりげなく手は繋いだものの、意識して気のきいたことを話せない俺。そのままＭが微笑んでくれたからイヤじゃないとは勝手に解釈。

するとＭがポツリと「寒いね…」
確かに寒い。晴れてはいるが風が冷たいせいで寒い。
Ｍが震えているのを見た俺は
「車に戻ろうか？」すかさずＭは
「ウン…」
我慢していたのだろう。

二人車に戻ってホッと一服。

なんてこった！メインイベントが５分ちょっとで終わってしまった！最低１時間は居るハズだった海イベントが50M程度歩いただけで終了。

二人沈黙。Ｍが「ゴメンネ」と謝ってくる。笑っておどけて返す俺。
さて、どうする？
セフレ募集として出会ったエロい女だったり、会って即Ｈの経験がある女ならホテルに連れて行っちゃうのだが、彼女はそんな感じじゃない。…出来ない。俺ヘタレ。

しばらく車内から海を眺めながら話をしてから車を走らせる。宛のないドライブ開始。

ここから俺はヘタレモードへと移行していく…。