あんまり具体的に書くと身バレしそうだから書けないが
新幹線で2時間ちょいとしときます。

まぁ会いに行こうと思えば行けない距離じゃないですが
なかなかそうはならなかったですね。

離婚した俺も、友達夫婦にも子供が出来なかったので
特にうちは、商売やってるんで後継が出来なかったのが精神的に追い詰められたというのも女房の不倫の理由って言うか言い分。

うちの両親も気が強い嫁には逆に相当気を使ってたけどね。
嫁も店手伝うようになってからは実質、うちの両親は気を使ってほぼ引退に近い状態で嫁の言う無言の圧力なんて存在しなかったはず。
だけどそう言われたらそうだったんですかとしか言い様が無いし、結論としてはそんなに辛いなら別れよう。になったから慰謝料だなんだは無し。

それも後から皆に人が良すぎるだの、そんな事あるかみたいな事色々な人に言われたのも俺が鬱屈とした原因。
正直あの頃はもう、毎日言い合いや、今迄こんな事もあんな事もみたいな事ばかりで何でも良いから早く別れたいとしか思えなかった。

1月4日です。1月3日に啓太がひと足さきに東京に戻り、美佐子は実家が兄夫婦と両親の二世帯住宅に改築され手狭な為、里帰り時はいつも駅前のビジネスホテル。

初めて不倫した日も、2回目の正月もそのビジホ。正直言って地元で商売してるんで田舎町のラブホなんて誰に見られるか分かったもんじゃないので利用出来ない。
いつまでというか2回だけ。

でも2回目はチェックアウトギリギリまで貪る様にお互いを求め合った。
どんな風にしたか書きたいが、ここでそんな事書いたらお叱り受けるだろうからやめておく。
とにかく、少し冷静になって考えてみる。これで終わりにして良い思い出にしとくべきなんだろうな。

お叱りごもっともだと思う。だけどせめてあと少し見逃してくれ。
やっとまともな生活を取り戻したばかりだ。

美佐子の幸せ。
確かに言われてズキンとしたよ。

俺はどうしたら良いんだろう。何故こんな事になっていったんだろう。
美佐子を諦められるんだろうか。
コロナどうなるんだろうか。店再開出来るのかな。
これからどうなるんだろう俺も店も。こんなに先行きが見えなくなる事は今まで無かった。

確かに俺のやってる事は最低だ。
だが美佐子と結ばれる前の俺は自暴自棄になって生活が荒んだ。
部屋や台所には、コンビニ弁当容器、缶、ペットボトルが散乱して何日も同じジャージで過ごして、ゴミ屋敷の中で昼過ぎに起きてテレビを眺めて過ごした。

そんな自分に腹が立って、時々わーっと大声上げたりして
もうあの状況に戻りたくない、美佐子を失ったり、手放したら間違いなくまたあの状況に戻ってしまうだろう。
そして今度は救いは来ない。

自分がやってる事が最低な事は分かるが、あの状況はもっと人間として最悪、最低だった。もうあんな生活したくはない。