2013/08/28 13:02:30
(tLgQ/WWF)
起こしても起きやしない。しまいにゃビンタ張ったがだめだ。死ん
だ亭主もそうだった。父子ってのは妙な所が似るんだなと思った
ら。偉そうにおっ勃ってる倅の一物が気になる。こっちは瓜二つ
だ。
何百回と世話になった如意棒。なんかの拍子に言ってた頼み事、最
後のきちんと果たした。
「俺が死んだら竿はおめえぇが清めてくれ。最後に逝く時ゃお前で
逝きたい」
うれしかったねぇ。だからあたしも言ったんだ。もしあたしが先だ
ったらしてくれるかいってさ。そしたらあの表六玉、言う事がいい
んだ。
「そりゃもちろんそうしてやりたいね。これがほんとの逝きがけの
駄珍だ。」って笑ってやがるのさ。
だからさ清め布じゃなくて口で清めてやったんだ。なのに勃ちやし
ない。冷たいままなんだ。温まるまで嘗めてやったよ。自分の涙で
しょっぱかった。
ふと目を開けると目の前にちゃんと勃ったもんがあるじゃないか。
今度は冷たいかどうかが気になる。小指でさ、こう突いてみたんだ
よ。温かいんだ。
それに固い。男には絶対わからないと思うが股の下から見上げる如
意棒は多分世界で一番色っぽいよ。
はち切れそうな血管と押すと程よく返してくれる尿道のふくらみ。
たまらないね。
お釜さんだったらこの気持ちわかるかもしれないね。でも死んだ亭
主は男色なしだったから見たのは女だけよね。
えっ、あたし?あるわよ。あの人に言われて最初は嫌々だったけれ
ど。仕込んでくれた相手が良かったのね。生え抜きのエスのひと。
嫌ね、縛りやさんじゃなくて昔の女学校のエス。上の人たちは百合
の事をエスって呼んでたのよ。
あたしたちの年代の人はレズっていう言葉が嫌いでみんなビアンっ
ていっていた。周りはお鍋さんっていってたけどね。
気持ちよさに終わりがないから癖になる。よく言えば長続きの気持
ち良さで悪くいえばメリハリの無さね。
でもお酒を飲みながら朝までゆっくり楽しむのもなかなか素敵よ。
そう考えたら挿れるか、しゃぶるかしかない男同士より楽しいかも
ね。
少し話は逸れたけど、飲みすぎでちょっとボーっとしてたのもある
んだろうけど、目の前にこんなに立派で自分にぴったり合いそうな
ものがあるってのになんで駄目なんだろうなんて考えちまってね。
大概なことはやったわよ。でもねさすがに自分の倅は無理だだっ
て。なんていうのかな。いろいろあるけれど、匂いね。きっと。
洗濯するでしょ。そうするとさ、たまに誰のものかわからなくなる
のね、じゃなければ洗うべきかどうか見極める時、嗅いでみるの
よ、服を。息子は息子、娘は娘、勿論亭主もみんな匂いが違うの
ね。その時に嗅ぐ匂いは男臭いけれどやっぱり子供のころから嗅い
できた息子の匂い。守りたいと思っても乗りたいとは思わない。
だからね、嗅いでみたのよ。鼻を近づけてさ。ひょっとしたら亭主
のと一緒かなって思ってさ。そしたらね臭わないのよ。昔はすぐに
分かった倅の匂い。マラカスの匂いかもしれないけどね。でもねし
ないのよ。勿論亭主の匂いもね。
良く嗅いでみた。それこそ家のチワワみたいにね。家のチワワ亭主
の股座が好きだったけれどあたしのも好きでよく嗅いでるのよ。
えっ、バター?その話はまた今度ね。
良く嗅いでみるとどこかで嗅いだ匂い。思い出したのよ。表六玉の
棒を口で後始末した時の匂い。つまり「やった後」の匂いよ。昨日
は倅は仕事から帰ってきてからそのままあたしが説教して一緒に一
升瓶開けたんだから…
えー?!あたしの匂い?てなもんよほんとにびっくりなわけ。でも
あり得ない。
確かめる方法は一つしかない舐めたわよ。一歳の時以来よ。
雁じゃなくて棒の方を少し舐めてみた。よくわからない。しょうが
ないから咥えてみた。やっぱりあたしの味のような…でもわからな
い。
あっ、そうだと思って自分の股に手をやったら穿いていない。思わ
ず飛び起きて拡げてみたら……わからない。毛はないからよく見え
るけれど。確かに中は濡れている。でも白くはない。時間がたつと
透明になっちまうからわからない。指をなめてみた。やっぱりわか
らない。そんな味がするような気もするけれどなんとも言えない。
どうしようと思ったわよ。だってここまで来たら怖くて聞けないわ
よ。
とりあえず起きて躰を濯ぐことにして風呂で湯を張らずに桶でかぶ
っているとすりガラスの向こうで動く気配。名を呼ぶと答えて何か
を言っているんだけど歯を磨いているようで聞き取れない。洗面所
から出る時に何かまた言っていたが今度はあたしが湯を浴びている
から聞こえなかった。最後に聞き取れたのは「今晩頼むよ」
一日が長かった。なにも手につかないんですもの。「まんじりとも
せずに」っていう言葉があるけれどほんとうにその通りよ。あたし
の場合は真ん中に『い』の字が入るけどね。倅の如意棒が目の前に
チラついてしょうがない。
やっと帰ってきて聞こうと思うんだけれどやっぱり聞けない。
そのうちに風呂からも出てビールを注いで「かあちゃん、風呂入ん
ないのかい?」と聞いてくる「だってご飯が」と答えると「後でい
いよ先に入れば」と言う。妙な気もしたけれど入ったわよ。一応念
入りに洗ったよ。
でもさ湯船につかって体がぽっぽと温まって浴衣に着替えてビール
を傾けるころにゃ「もうどうでもいいや」って気分だったね。
その時だよ。いきなり倅が言うんだ。
「じゃあ母ちゃん頼むよ」
えっ、なんの話だよ?
畳の上、仰向けに寝転がった倅を見ながらどうしたもんだと独り言
さ。