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2025/08/04 18:38:54 (otCcJl6C)
先日、ボクのパートナーと特別なデートしたから投稿するね。

ボクは今女装で活動してるけど、正式に交際してる純女性の彼女がいるの。

ボクの活動も理解してくれてるし、この前彼女がボクのお化粧を施してくれた。

自分より確実に上手な彼女に施してもらえたこと自体、ボクには十分すぎるほどの自信になったけど、「可愛くなった」って笑ってくれたそのひと言が、何よりも嬉しかった。

せっかくのお化粧が崩れたら嫌だから、普段ほどのスキンシップこそできなくても、ボクの気持ちはちゃんと示せたと思う。

そんな彼女から、「せっかくだからお散歩デートしよう」って誘われた。ボクはメガネを外していたから気付かなかったけど、彼女もお化粧を済ましていた。

いつもボクが男としてエスコートするときの少し頼りなさそうな彼女じゃなくて、輪郭がくっきりとした凛々しい顔の彼氏♀がいた。

男装の彼氏♀と、女装の彼女♂。

特別な物語の中心に、ボク達はいた。

「せっかく可愛くなった顔が隠れたらもったいないでしょ? 今日はメガネ、外して」

めずらしく強い言い方に少し戸惑いながらも、言われるままにメガネを置いたボク。

近視のボクにとって、メガネなしは“世界を失う”ことと同じ。
自分の指先さえ朧げにしか映らないその感覚は、怖さしかなかった。

でも彼氏♀の腕に手を絡めて歩いていると、不思議とその恐怖は一切感じなかった。

きっと途中、何人かとはすれ違ったと思う。
でも、ボクの世界には彼氏♀しかいなかった。

彼氏♀以外、映らない。

視界を捨てたボクにとって、もはや彼氏♀だけが世界だった。

威厳も、支配も、何もない。
もしボクを守ってくれる存在がいるなら、それは今、この人だけだった。

その不安さえ、心のエッセンスだった。

ボクのほうが靴を合わせると20センチも背が高いから、歩幅が合うことはなかったけど、それでも、ボクの世界を彼氏♀は導いてくれた。

公園のベンチに座っていた時も、女装でのお出かけの緊張と、視界の不安で胸が高鳴っていた。

思わず、彼氏♀の顔を覗き込むように近づいた。

許してくれた。

今だけは視界を捨てたことに感謝している。

もはやこんな距離感を許してくれる免罪符として、図々しくも使っていた。

甘えたがりモードに入ったボクは、普段、彼氏♀が女としてボクに甘えてくるよりも、ずっと甘えていた。

これは責任の反動なのか、本心なのか……そんなことは、もうどうでもいい。この時間を味わえることこそが、至高だった。

肌の温もり。
声。
わずかな素振りや、視線。

他の一切が失われたボクの世界で、それだけが輪郭を持って、浮かび上がっていた。

世界は、ふたりだけ。

こんな簡単な方法が、あったんだね。

----奥付け----

見えないまま愛せたら、それは信仰か、あるいは本能。

輪郭のあいまいな世界で、曖昧なまま求め合う距離に、なぜか安心できてしまった。

視えなかったのは、顔じゃなくて、心だったのかもしれない。

それでも近づく勇気を、そっと肯定してくれたあなたへ──

この手が届いたのは、偶然なんかじゃない。
 
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