2016/04/22 20:31:21
(4CqhtWUX)
アナルセックスのリベンジに成功した日も、帰りたくないと言う彼を家に泊めた。
緊張した状態で、痛みを我慢しながら射精する。
そうとう体力を消耗してたんだろう。
翌朝、俺が起きてもグッスリ眠ってた彼を起こさない様に、朝の仕度を済ませた。
「朝のキスできなかった」
リビングでコーヒーを飲んでると、寝起きの彼が独り言を言いながら入ってきた。
「僕が寝てる時、キスしました?」
「してない」
「僕が寝てる時、頭撫でました?」
「撫でてない」
腑に落ちないと言った顔で、わざとらしいタメ息を吐いたかと思うと、何も言わずソファーに横になって目を閉じた彼。
思わずキスしそうになったけど、ここは虐めた方が楽しそうだと考えて放置した。
暫く放置してると、足をばたつかせたり、俺の服を引っ張って不満をアピールする彼。
そんな彼が可愛くて更に放置を続けた。
「もういい、この人は乙女心がわらないんだ」
「いつから乙女になった?」
拗ねてリビングを出ていってしまった。
洗面所から聞こえる物音を聞きながら、少しやり過ぎたかと反省した。
洗面所から物音が聞こえなくなった後、仕事部屋の扉が閉まる音が聞こえた。
「朝飯食わないの?」
「外道、人でなし」
仕事部屋を覗くと、彼用のパソコンデスクの椅子に体操座りをして、電源も入っていないパソコンのキーボードをカタカタ鳴らしながら拗ねていた。
その姿が面白くて、もっと虐めたくなったけど、仕事前に拗ねたまま泣かれたりしても困る。
後ろから抱き締めて彼の耳を口に含んだ。
「こっち向いてくれないとキスできない」
「無理してしなくていいです」
「拗ねた顔もいいね」
「そんな事を言っても無駄ですよ」
「ほら、キスする時間無くなる」
俺が指差した時計を確認して、何か葛藤してるような様子で動かなくなった彼。
数秒後、拗ねた顔のまま、俺の方を向いて見つめてきた彼にキスをした。
「朝飯、食っておいで」
「やっつけだな、そんなんじゃ足りません」
「仕事前に発情したらどうする」
「だったら夜まで保留って事で」
にやけそうなのを必死に堪えて拗ねた顔を作っているのがバレバレの彼から、既に機嫌がなおっている事を確信したけど、俺がツッコミを入れる前に彼は仕事部屋から姿を消していた。
そして、その日の夜。
リビングに移動するなり、俺の足の間に背中を向けて座ってきた彼。
早く抱き締めろと言わんばかりに、体を前後に揺らし始めた。
「今日、何か頑張った?」
「僕は今、仕事モード解除して拗ねてます」
とても拗ねてる人間の行動とは思えなかったけど、可愛いから抱き締めた。
表情まではわからないけど、彼の鼓動が早くなったのは確認できた。
「今朝の分と夜の分をどうぞ」
「何それ?」
いつの間に、朝と夜の各々キスする制度を作ったんだろうか。
よくわからないけど、彼とキスできるんだったらなんでもいい。
彼を振り向かせて舌を絡めながらキスをした。
これまた、けっこうな時間、彼とのキスを楽しんで顔を離した。
「今のは朝の分ですよ」
2日続けて大量に射精しておきながら、もう性欲が回復してるんだろうかと考えた。
若いって羨ましい。
「お前、絶倫なの?」
「違いますよ、たぶん」
「今日したら3日連続だよ?」
「だって、僕が全部吸い取っておかないと」
「吸い取っておかないと?」
「なんでもないです」
何やら含みを持たせて会話を終わらせたかと思うと、背中を向けて座り直して自分の爪先をいじりながら黙ってしまった。
こんなところも妙に女みたいだと思いながら、背中を向けて黙ったくせに俺の股の間から退けようとはしない彼を、そのまま抱き締め直した。
「俺が他の人とセックスするとか思ってる?」
「どうしてわかったんですか?エスパーですか?」
これほどわかりやすい事はない。
この流れで彼の言いたい事がわからない方が、ある種の超能力だ。
「わかりやすい」
「流石は遊び人ですね」
「怒っていいかな?」
「僕が泣いたら面倒臭いですよ」
彼の渾身の脅し文句だ。
そして口癖だ。
因みに、俺は遊び人ではないけど、彼は俺の事を本気で、遊び人の自由人だと思ってる節がある。
そんな冗談を言って少し黙った後、また彼が話し出した。
「でも、僕にそんな事を言う権利ないし」
「どうして?」
「プライベートでの僕達の関係て曖昧だし」
「まぁ、そうだね」
「でも、嫌なんですよ」
「うん」
「彼女さんは仕方ないし、絶対に迷惑はかけません」
「うん」
「彼女さん以外の女だったら少し妬くけど我慢します」
「人を浮気性みたいに言うな」
「真面目に聞いてほしいです」
「ごめん」
「だから、他の女装娘とか僕みたいな男とはしてほしくない」
彼は、俺の事を誤解している。
俺の興味や気持ちは彼へ向けた物であって、単に女装娘や男の娘に興味があるわけではない。
そもそも、女装娘や男の娘と知り合う機会なんてそうそうあるものじゃないし、知り合う女装娘や男の娘が俺に興味を持つ可能性も少ない。
彼は自分を過小評価しすぎだし、俺を過大評価しすぎだ。
「他の子と、しようなんて考えてないよ」
「本当ですか?」
「だから、無理して毎日とかしなくていい」
「だって、初めて好きな人と、こんな風になれたんですよ」
「知ってる」
「常にくっついてないと、今の関係すら終わりそうで」
「考え過ぎ」
「兎に角、他の女装娘とか僕みたいな男に盗られるのだけは絶対に嫌です」
「有り得ないから大丈夫だよ」
「男は僕だけって約束できますか?」
「約束する」
まだ、何か引っ掛かってる様子の彼。
ウゥウゥ唸りながら体を揺らし始めた。
まるで駄々を捏ねる子供みたいだけど、それすら可愛いと許してしまう程、彼にハマっている事を彼本人は解っていない。
「僕と付き合ってるわけじゃないのに?」
「関係ない」
前々日と同じ様に、後ろから抱き締めてる俺の腕に、何度も唇をつけてくる彼。
彼のこの行為が何を意味するかはわからないけど、俺はこの行為がたまらなく好きだったりする。
「どうしたら、もっと好きになってくれますか?」
「今でも、だいぶ好きだけど」
「足りない、全然足りないから今日も泊まります」
「家の人が心配するから今日は帰れ」
「僕、これでも21の成人ですよ?」
彼と初めて会った時、彼の母親とも顔を会わせているし、よろしくお願いしますと頭も下げられた。
そんな彼の母親に、何日も帰宅もさせずに働かせてる等と、変な誤解を与えるわけにはいかない。
更に、次の日は土曜日で朝から予定が入っていた事もあって、帰りたくないと呪文の様に唱える彼を説得して、帰宅させた。
わりと濃い2泊3日を過ごした後、丸2日彼に会わなかったせいか、軽い禁断症状が現れていた。
そして、禁断症状を乗り越えて、週が開けた月曜日。
たまには俺から仕掛けようと企む俺に、またしても彼からサプライズを仕掛けてきた。
続きはまた。