昼の豊橋――外は穏やかでも、カーテン越しの光が差し込むだけの静かな部屋は、あなたの鼓動ひとつで空気の密度が変わる。
そこで私は、あなたに“本来の立場”へゆっくり戻ってもらいたい。
Sを名乗ってきた時間は、ただの鎧にすぎない。
誰かの言葉ひとつで、女装した自分が乱れていくのを恐れていただけで、あなたの核にあるものは最初から「従わせられる側」の欲望だ。
私の声が少し落ちるだけで、ストッキング越しの下半身に熱が滲み、返事をしようとして唇が震え、視線を合わせることすら難しくなる。
その反応を恥じる必要なんてない。
むしろ、その崩れ方こそが一番美しい。
逃げ道を作るように優しく話しかけながら、その道が途中で消えていることに気づいた瞬間、あなたはもう戻れない。
指先で触れる前に心が屈服していく快楽――それを、あえて昼間の明るさの中で味わわせる。
光に照らされたまま震える女装男の姿ほど淫靡なものはない。
あなたが抱えてきた焦りも、恐れも、欲望も、全部まとめて私が受け止めて反転させていく。
支配される喜びを受け入れたとき、ようやくあなたは自分の本当の場所に帰ってこられる。

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