勇気を出して伝えた「知ってほしい」に対し、ぴたりと返信が来なくなった。
結局そのまま昼休みが終わり、午後の授業、部活……と時が過ぎていく。
凛花は朝のように、何度もスマホに通知が鳴っていないかを確認してしまっていた。片思いの人からのメッセージを待っているかのように。
「凛花、聞いてる?土曜さあ…俺んち、親いないんだって。遊びに来てそのまま泊まる?まあ、いてもいなくても、凛花なら母さんも何も言わないんだけど。」
部活を終えて彼氏の悠太と一緒に帰っていたときも、凛花は何度もスマホを確認してしまい、声をかけられた。
「あ…う、ん、ごめん。じゃあ、泊まりに行こうかな。」
そんな週末の約束を交わし、悠太は凛花の家まできっちりと彼女を送り帰っていった。
優しいし一緒にいて楽しい彼と帰って、週末にお泊りの約束もして。普段なら嬉しく感じるのに、感覚が麻痺したように何も感じられなくて、凛花もやや焦りを覚える。
(宗くんのことばっかり、考えてるから……。
あれから返信も来ないし、あの時はたまたま暇だっただけなのかな……。
知ってほしいって、押し付け過ぎちゃったのかな……。)
自分に非があったのではと考えるくらいには、「宗くん」という男に入れ込んでしまっている。
頭の片隅に「宗くん」のことを想いながら、夕食と入浴を済ませる。
昨日「宗くん」に初めてメッセージを送ったときよりも早い21時半には、凛花は既に部屋にひとりだった。返信が来ていないことを確認して、これだけ心が切ないなら寝てしまおうかと考える。
自分を慰める気にもなれず、ただ無気力にベッドに寝転んでいた。
【わかりやすく導いてくださるのでとても進めやすく感謝しております。
そうですね。最初の方に出てきた電話…とかいかがでしょうか。実際に話すことで、より宗次郎さんを求める気持ちが強くなってしまうと思いますが。オナ指示とか趣味にあればしていただいても大丈夫です。(私はしたことがないのもあり、どちらでも大丈夫です。)
それに、いきなり会う展開でも大丈夫です。
ただ、その際は彼氏との約束を反故して向かうことになってしまうと思います。彼には悪いてますが、凛花の気持ちは宗次郎さんに向いてしまっているこで致し方ないですね。】
「そろそろいいか…。」
時計を確認すれば21時を過ぎ、間もなく半になろうとしている。
どんな気持ちでいるのかを想像する。
待ち望むようにもどかしい気持ちを抱き、気が気ではない状態になっているのか。
あるいは思ったより気になってもおらず、普段と変わらぬ生活をしているのか。
経験はあるとはいえ、数回程度のやり取りで全てを掌握するほどの術を持ち合わせてはいない。
だからこそ、男も極端な行動は取らないし、取れない。
距離を置き、時間を置くことを手段として用いても、どの程度が適切かまではわからない。
全て手探り。
築き上げてきた経験と感覚で、女を翻弄し続けている。
『本当のRINKAちゃんは、どんな子なんだろうね…。
彼や俺が思っている以上に、いやらしくてエッチな妄想をしたりするのかな…?』
遅くなった、などというセリフはない。
何事も無かったかのように、手前のメッセージに対する返信。
徐々に露骨になっていく。
心を揺らしながら、卑猥な雌に躾ていくかのように。
【分かりやすい、そう言って頂けるのが何より嬉しいですね。
独りよがりでは嫌ですし、表現に固執して何を言っているか分からなくなるのは本末転倒ですからね。
展開に関しては承知しました。
時間を掛けて描いていくことにもし抵抗が内容であれば、じっくり進めたいと思います。通話も含めて。
オナ指示に関しては私も考えていました。
ただのメッセージ交換よりも卑猥で、会うという行動よりはリスクが薄い。
徐々堕として行くという意味では、いいなと。
したことがない、というのはリアルにオナニーのご経験がない、ということでしょうか?
ですので、当面は通話に向かう路線で描こうと思います。
タイミングによっては、通話してみないか?という申し出が、彼氏宅でのお泊まりとバッティングする可能性もあるかもしれませんね。】
昨晩は凛花にとって寝付いたのがやや遅かったのもあり、ベッドで横になって何もしないでいるとやや眠くなってきた。
このまま眠ってしまおう、そう思ったところでスマホが通知を示す。
ドキリと跳ねた心臓を抑える。期待しちゃダメ、きっと違う人。
昨日と今日、たくさんお話したのだから、きっと他のファンの人に……そう言い聞かせながらスマホを手に取る。ロックを外すと、待ち望んだ人からの返信を示していた。
『実は昨日はひとりでして、寝ちゃいました。彼氏は私がひとりですることすら知らないんです。』
すぐに返信してしまう。また、待つ時間が、切ない時間ができてしまうのに。きっと夜になって溜まっていたファンからのDMを返信しているだけ。また返信が来るのは翌朝か、それとも来ないか。
画面を見つめて待っているとまたしんどくなってしまいそうで、またスマホをベッドに置く。
(きっと、また時間かかるから…寝なきゃ……。)
そう思い、布団をかぶる。
【とてもわかり易いです。私も読み間違えないように、テンポ悪くならないようにはしたいなあと思っています。
というより、リードしていただいてばかりで申し訳ありません。
同じような想定をされていたとのこと、とても嬉しいです。私もリアルタイムなやり取りができ、凛花の心情を把握されやすい電話をしたいなと思っておりました。
彼の家での電話はスリルがありますが、より背徳感を感じそうですし、比べてしまいそうです。
ちなみに私がしたことないのはオナ指示の方です。】
男は考える。
この少女に最も適した「扱い方」を、扱い方と言っても望むものを考え、喜ぶことをすることがそれではない。
どう接することが少女の心を鷲掴みにし、依存させるのか。
股間を熱くさせるのを感じる。
手のひらの上で転がりつつある少女の言動。
如何なる時間帯においても、さほど待たせることなく返事がくること。
徐々に、しかし確実に捉えていくのを感じながら。
『RINKAちゃん、返事が早くていいね。
楽しみに待ってくれているのかな…?
反応が早いこと、正直なこと、純粋に求められることは、それだけで素質だと思う。
可愛いなって思うな…。
俺だけじゃなく、みんなそう思っているかもね。
彼も家族も、友達も。』
紐解いていく。
あまりにも早い返信速度、あるいはそれが迷惑なのではないか、そう考えているかもしれない可能性を細かくケアするように。
少女の、凛花の心を包むように。
さり気なく、日々を共に過ごしている彼氏では気づけない部分に触れるように。
『ひとりでしちゃったんだね…、オナニーを。
彼も知らない、つまり本当のRINKAちゃんになれる時間の一つかもしれないね。
どうしてオナニーしたくなった?
しようって思った?オナニー…好き?
もっとしたいかい?出来そうかい…?
本当のRINKAちゃんでいる時間、大切にしたいね。
家でも、学校でも、彼といる時も…。』
本当の凛花、と言えばどこか聞こえはいい。
しかし、上手く言葉を選ぶことで厭らしく、恥ずかしい行為に耽る事が重要であるかのように話す。
そこに彼氏が知らない部分が如何に重要であるかのように。
直接手が施せない内は、オナニー、自慰行為を持って少女への辱め、快感への誘導を促していく。
(次のステップも、そう遠くなさそうだな…。)
【おはようございます。
テンポに関しては重要だと思いますが、互いのリアルの邪魔にならないようあまり気にせず進められたらと思っています。
お盆休みが明けたら、私もこうは行かないと思います。
凛花さんも楽しもう、楽しませようとするあまり、気づけばストレスになっていた、ということが無いようにして頂ければと思います。
通話に関しては承知しました。
とはいえ早々に切り替えると言うよりはまだ数レス挟んで徐々に進展させていくと思います。
まどろっこしければまた仰ってください、少し端折ってというか飛ばして描いていきたいと思いますので。
オナ指示の経験はないとの事。
それでもしても良いと思っていただけたのはとても嬉しいです。
それがリアルな貴女へもどう影響するか、気になりますしね。】
寝よう寝ようと思っても、意識すればするほどそれは叶わない。スマホには触れていないが、何度も何度も寝返りを打っては体にかけた布団が乱れていく。
そして、また通知音。思わずずれた布団を押しやり、スマホを確認する。
「宗くん」からの返信だった。決して短いわけではない文章量に、向き合ってくれていると感じて嬉しくなる。
『はい、宗くんとお話するの楽しいから、返信きてないかなってスマホをよく見ちゃうようになっちゃいました…。今日、友達とか彼氏にもつっこまれちゃって。
でもあんまり早いと、重いかなとか引かれないかなとか心配で…そう言ってもらえると安心できます…。』
今の彼と付き合う前も、駆け引きのひとつではあるものの、既読をつける早さや返信の早さは気にしていたことを思い出す。
凛花は普段の性格や印象に似合わず、総じて自分に自信がないのかもしれない。人とは違うと思っている性への欲求を昔から隠しているから。こんなイケナイことを内に秘めている自分は……と考えてしまうから。
一方、この「宗くん」はそこを受け止め、肯定して、更には興味を持ってくれている。誰からも認めてもらいようのない「本当の私」に優しく視線を向け、同じ高さで話してくれる。
『好きっていうわけじゃないと思うんですけど…、それしか、自分の気持ちを解消の方法がわからないのかも…。
でも、本当の私になれてるっていうのはそうかも知れないです…。だからしちゃうのかも……。』
そう送信した後、また指を動かす。
宗次郎がメッセージを読んでいるか、入力しているかわからないこの時間に、もう一通送るためだった。
『あの、実は……昨日、宗くんと話してて、すごくそういう気持ちになっちゃって…。宗くんのこと想像しながら、触っちゃったんです……。
気持ち悪いこと言ってごめんなさい、でも、本当の私のこと、知ってほしくて……。無視してくれていいので……。』
こんな告白、誰にもできないししようと思ったことはない。
でも「宗くん」なら受け入れてくれる、知ってほしいと思ってしまって、つい送信してしまった。
(お、送っちゃった……。さすがにここまでだと引かれちゃったかな……。でも、言いたかったし……。)
反応を見るのが怖くてスマホをベッドに放り投げる。
枕を抱き締め、モゾモゾとしきりに脚を動かしてこの耐えきれない時間を過ごしていた。
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【プロフ動画】騎乗 ID:zephyr417
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