寝よう寝ようと思っても、意識すればするほどそれは叶わない。スマホには触れていないが、何度も何度も寝返りを打っては体にかけた布団が乱れていく。
そして、また通知音。思わずずれた布団を押しやり、スマホを確認する。
「宗くん」からの返信だった。決して短いわけではない文章量に、向き合ってくれていると感じて嬉しくなる。
『はい、宗くんとお話するの楽しいから、返信きてないかなってスマホをよく見ちゃうようになっちゃいました…。今日、友達とか彼氏にもつっこまれちゃって。
でもあんまり早いと、重いかなとか引かれないかなとか心配で…そう言ってもらえると安心できます…。』
今の彼と付き合う前も、駆け引きのひとつではあるものの、既読をつける早さや返信の早さは気にしていたことを思い出す。
凛花は普段の性格や印象に似合わず、総じて自分に自信がないのかもしれない。人とは違うと思っている性への欲求を昔から隠しているから。こんなイケナイことを内に秘めている自分は……と考えてしまうから。
一方、この「宗くん」はそこを受け止め、肯定して、更には興味を持ってくれている。誰からも認めてもらいようのない「本当の私」に優しく視線を向け、同じ高さで話してくれる。
『好きっていうわけじゃないと思うんですけど…、それしか、自分の気持ちを解消の方法がわからないのかも…。
でも、本当の私になれてるっていうのはそうかも知れないです…。だからしちゃうのかも……。』
そう送信した後、また指を動かす。
宗次郎がメッセージを読んでいるか、入力しているかわからないこの時間に、もう一通送るためだった。
『あの、実は……昨日、宗くんと話してて、すごくそういう気持ちになっちゃって…。宗くんのこと想像しながら、触っちゃったんです……。
気持ち悪いこと言ってごめんなさい、でも、本当の私のこと、知ってほしくて……。無視してくれていいので……。』
こんな告白、誰にもできないししようと思ったことはない。
でも「宗くん」なら受け入れてくれる、知ってほしいと思ってしまって、つい送信してしまった。
(お、送っちゃった……。さすがにここまでだと引かれちゃったかな……。でも、言いたかったし……。)
反応を見るのが怖くてスマホをベッドに放り投げる。
枕を抱き締め、モゾモゾとしきりに脚を動かしてこの耐えきれない時間を過ごしていた。
※元投稿はこちら >>