瞳が潤んでいるのは希望へと導いて下さる峰先生の感動に近い有り難さと…やはり少しの気恥しさが混ざっているからかもと…感じていた。
そしてこれからのEDプログラムを主人のレントゲン写真の裏から取り出した時、勃たないという主人のプライドそのままの小さく萎むそれを…受け止めなければならないと思い、視線を逸らさず手を握りながら見ていると…
ーー長島EDとはっきり書かれたその下にびっしりと書き込まれたプログラムの内容があったが…不意に
ー奉仕ーーフェラチオーーオナニーーー肛門ーー
という文字が飛び出すように目の前を散らばってきた…
(…今の…何かしら……えっと……主人のプログラム…の筈だけど…)
『再びご主人を勃たせましょう…』
と言った先生の言葉が反芻され……
(そういう…のを私がする………って言う事なのか…でも…でも…それが主人の為になるのなら…他の人にはできない、私だけが出来る事だから)
クーラーが充分効いている部屋なのに額に汗が滲む。
そして峰先生は
ーー視覚ー嗅覚ー味覚ー触覚ー聴覚ーー
の必要性を説明した後
『視覚で私を勃たせて下さい』と……
先生を……健康な男性として勃たすことができなければ……
先生が自ら身を実験台にされると言う事なのだ……
驚いて峰先生の顔を見つめるが…その表情を変えず…静かなクールさを見せる様子に、これは医療行為なのだと、私に教えてくれている。
ーここまでしてくれる先生っていないーー
果歩はふうっと息を吐くと…
下?……それは…大胆過ぎる……胸、かな…
覚悟を決めた果歩は椅子の横に立ち、ボレロを脱ぎ、背中のファスナーを下ろすと、ゆっくり肩からワンピースを下げていく…
ブラのストラップが肩から見え、ワンピースは胃の辺りまで下ろされ、そして豊満な2つの乳房が白い花柄のブラに包まれて表れた。
峰先生を上目遣いに見る果歩。
色白な果歩の身体はピンクに染まっていくのだった…。
最初にして最大とも言える関門を突破した、と言えそうだ。
女がワンピースを肩から下げていく、その様子を見ながら緩みそうな口元を少し怪訝な表情を浮かべて誤魔化しながら。
(この女も別に馬鹿じゃない、ただ必死なだけ、真面目なだけ。
それだけ旦那への愛情が大きい、そう言う事なんだろう。
そして医者という存在への異常なまでの信頼。
それは幾度となくカウンセリング、リハビリテーション、アドバイスを繰り返すことで、勝手に出来上がっていく。
便利な職業さ…、非常に…ね。)
羞恥に頬を染め、上目遣いでこちらを見つめるその瞳。
その表情はほんの一瞬、その行為が夫の治療の為であることを忘れ、医師である男の承認されることを求めているように見えた。
夫の治療行為の為、という意識が強ければ恥ずかしい思いをしながらも、その行動が勃起につながるかどうかを知る必要がある。
とすれば視線が赴く先は遠慮がちでも男の股間に向くべき、しかし、女は男の表情を見ていた。
これでいいですか?まるでそう問いかけているように。
きっかけ、動機、目的は夫の為、治療の為。
恥ずかしい思いをする、男の指示に従うのはそのための手段に過ぎない。
それを徐々にすり替えていく。
本来の目的を徐々にぼんやりとさせ、男の指示に従うことが目的へと変わっていく、そんなすり替えを。
「きちんと私の意図が伝わっているようで、ほっとしています。果歩さん。」
そしてそこで初めて少し微笑みを浮かべる。
貴女、奥様、妻として、等という代名詞ではなく、長島果歩に掛ける言葉に変わっていく。
「そして、どうですか…?効果はありましたか…?」
女と同様に男はゆっくりと立ち上がる。
背筋を伸ばし、やや腰を反らすような体勢で股間部を女に向かって突き出すように。
しかし膨らむどころか、白の履物の股間部は平坦のまま。
そんなものでは何の反応もしない、暗にそう告げているようだ。
「大丈夫です、直ぐにどうこう、という話ではない。
果歩さんのペースでいいんです。
ご主人の為、なのは変わりません、しかしその為に果歩さん自身の身体を犠牲にしているのは事実。
そしてそれは今後、日常のモノに変わっていく。
だとすれば、勢いでどうにかなるものじゃない。
納得して、受け入れて、さらけ出して行けなければ続かないし、それは治療にはつながらない。」
夫の為、を忘れさせようとする一方で、時折夫の為をちらつかせる矛盾。
そうすることで気づかせる。
夫の為であるべきはずの行為が、徐々に興奮している自分、あるいは従う事を求め始める自分に変化し始めるということを。
まだ序の口。
そうなるには時間を要するだろう。
焦らず、時間をかけて確実に解体していく。
長島果歩を妻から女へ、女から雌へと…。
「さぁ、続けてください…。」
そして当然のように、そんなものでは何の意味もないというかのように少し冷たく言い放つ。
数分前に浮かべた笑みとは真逆の、見透かすような少し力強さを感じる瞳を向けて。
(どうですか先生…興奮して下さいましたか…)
果歩は伺うように峰先生の顔を見上げて…言葉を待っていた。
『きちんと私の意図が伝わっているようで、ほっとしています。』
『果歩さん。』
良い状態みたいで嬉しく、また名前を呼ばれ、照れてしまう。
ー奥様ー ー長島さんー と呼ばれると、主人に属しているモノ、みたいで、男性に果歩と呼ばれるのは、私を認めてくれてる気がするから。
この時も果歩は主人の為にしている事なのだという事を薄く忘れかけていたのだ。
それに立ち上がった先生の腰は…変化は無いようで
「…そうですよね……思春期の男の子じゃないんだし…」
脳裏に実の弟がベッド下に隠していた裸の女性が載っていた雑誌を思い出す。
『さぁ…続けて』
と峰先生に言われどうすれば良いのか混乱してしまったが…
(相手が主人だったら…)
果歩はまたここで、脱ぐ行為が誰の為なのか勘違いをしているが、自覚をしていない。
(おっぱい、かな…でも…)
とりあえず腰くらいで止まっいるワンピースを足元まで下ろす。
昔?…こうやって舞台で服を脱ぐ職業があった筈…と思うと、じわじわ羞恥が湧いて来る。
チラっと峰先生の顔を見て、少し考えてストッキングも脱いだ。
思い切って上下おそろいの下着までになり、身体に力が入る。
(これじゃあ…まだだめだよね…
先生、なにか言ってくれないかな………)
峰先生はこっちを見て沈黙を続けている。
果歩の身体が少し震えてきたが、小さく息を吐くと、ブラの左ストラップを下ろす。
解放された左乳房が飛び出し、小さい蕾は、恥ずかしそうにピンク色に染まっているように見える。
恥ずかしさで粟立つ皮膚。俯いたまま先生の言葉を待つ果歩。
沈黙を続けたまま突き刺さるような男の視線が、女にプレッシャーを掛けていく。
しかしそれは強制的なものではない。
拒む余地を与えたまま、オンナが首を縦に振って始まったこと。
(今、ブラをズラしてるのは本当にご主人の為…ですか…?果歩さん…。)
口ほどに物を言うような視線が、瞬きする間も惜しむほど女を見つめる。
溢れ出るように露出した柔らかい膨らみ、そしてその中心で鮮やかなももいろに染まる突起。
半裸といえばまだそこまで。
しかし確実に自らの意思で衣服に手をかけ、下着に指がかかっている。
「果歩さん。
誤解のないようにお伝えしておきますね。
今感じている羞恥心、それは必要なものです。
意味がわかりますか…?
男の勃起は性欲の先にあると仰いましたね。
その通りです、では性欲はどこから来るのでしょうか…?
ひとつは果歩さん、貴方の羞恥心です。
五感で言うなら視覚になる訳ですが、恥ずかしいという感情をさらけ出すこともまた、男の性欲を揺らすあるいは昂らせる一助となる。
わかりますか…?」
視線で誘導するように男は目先を自らの股間に向ける。
少し、しかしハッキリとさっきよりも股間が膨らみ始めているのがわかる。
堂々と、そして大胆に自らの興奮を伝えることで女に、自分の価値と行動の必要性を自覚させるのだ。
「始まりは上々です。
よく出来ていますよ、素晴らしいです。
もちろん、まだ始まったばかり…厳しい言葉をかけるなら、足りないという事実は変わりません。
しかし、結果は行動しなければ変わりません。
その調子ですよ…。」
淡々とした口調の中に混じる笑み。
女が羞恥行為に染まるほど、それが正しい、素晴らしいと言わんばかりに称え、褒める。
それが女に、次、を促していく。
(見てる…先生が私を見てる………)
服を着ている先生の前で私は半裸………
それだけで立場が低い女になった気がする。
ブラを外すなんてやり過ぎたかな…なんて思われているんだろう…
剥き出した乳房を隠すよう右手をあてて先生を見ないようにしてると
『今、感じてる羞恥心、それは必要なものです…』
『性欲はどこから来るのでしょうか…ひとつは果歩さんを、あなたの羞恥心です…』
そう言われて果歩は先生に『羞恥心』が伝わっていたのだと思い、(それが1番恥ずかしい…)
と両手で顔を隠し脚を擦り寄せてしまったが、
先生の股間が少しふっくらしているのに気付くと、嬉しさが湧き上がってきた…。
(恥ずかしがる方が男性は性欲が沸くのだわ_)
(じゃあ…もっと恥ずかしい事をすれば…先生も…いいえ、プログラムも成功するんだわ……
果歩はぷるんと両胸を露わにする。
薄化粧な果歩の顔とは似合わない2つのボリューム。
(恥ずかしくても良い、恥ずかしい方が旦那にも…先生にも喜んで貰えるんだ。)
自分に言い聞かせると更に身体が熱くなってくる。
そして…遂にショーツに手をかけると…ゆっくり下ろそうとして…ショーツに薄らシミが付いている…
(嫌だ、、私ったら)
ショーツは脱いで丸めてバッグの中にしまった…
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