交わす言葉は決して多くない。
男は、行動で応える女に想いを馳せ、女は、男の期待を想像し応えようとする。
出来れば避けたいという展開があった。
それは男が促す行為を、指示を、期待を、疑問視すること。
この行為に本当に意味があるのか。
どういう効果につながるのか。
そもそも信じていいのか。
信頼させ、信用させて都合の良い状況へと導くという狙いに対して。
懐疑的になることは真逆の意味合いを持つ。
それは抵抗の意思を見せるよりも避けたい状況だった、が…。
(その心配はなさそうだね…。)
女の行動、応答は迅速とは程遠い。
戸惑いながら、不安を感じているわけだ、その行動ひとつひとつに時間がかかるのは仕方ない。
重要なのは、その動きが止まらない事。
男の視線、言葉を自分なりに解釈し、行動で応え続けている。
控えめに言っても理想に近い、順調そのものだと感じるに足る状況になっていた。
そして何より、ブラを取り払ってからショーツに手がかかるまでの時間が短い事。
これがかなり重要だった。
上半身を晒すことと下半身を晒すことはやはり大きな違いがある。
胸を晒しても、ショーツは脱げない。
そんなケースは往々にして存在する。
しかしこの女はそうではなく、むしろ積極的にも見えるほどだった。
そして、男は見逃さない。
どこか少し慌てた様子で下着を丸めて、バッグにしまったことを。
(少し仕掛けてみるか…。
全裸を晒すところまで来られたんだ、多少のことには違和感を感じる感覚すら麻痺し始めているだろう。)
「どうしてそんなに慌てて下着をしまったんですか…?
全裸になったわけです。
胸を晒した時はすぐさま胸元を手で隠すように覆った。
それは自然な反応ですね…。
ではショーツの場合は…?
決して日常的に、家族、恋人以外の対象に晒すような部分ではない場所が露になった。
にもかかわらず、貴女は股間を覆い隠す前に慌てて下着をバッグにしまった。
なぜですか…?」
少し声のトーンが落ちる。
そして出来たこと、細かな振る舞いにいちいち褒めたたえるスタンスを取っていた男が、全裸になったことを褒める前に問いかける。
褒めることが飴だとするならば、この問いかけは鞭、ということになるのだろうか。
ただただ応えることで悦ばれるだけでは意味がない、そんなことを暗に伝えるように。
男の視線はゆっくりと、女の顔からつま先までをゆっくり、舐めるように見下ろして。
(見ている……先生がじっと……ショーツを脱いだのはやり過ぎだっのかな…でも、もっと恥ずかしい事をしなければ…もっと大胆になって…性欲を刺激しないといけないし…)
果歩はやっと秘部を手で隠す。
(でも何で濡らしちゃったのかな…隠しているこの中もきっといやらしい汁が溜まってる…耐えながら自分から脱いだのに…私の身体どうしちゃったんだろう…)
ここ、臭わないだろうか、先生は気付いて無いよね…
果歩はまたぎゅっと内股を閉じた。
だが先生が…
『…どうしてショーツをしまったんですか…』
『胸は隠したのに…秘部は隠す前に…なぜショーツをバックに入れてしまったんですか…』
果歩は気が付かれていた事、先生に行動が不自然だった事を見抜かれていた…
「…え…あ…それは…その…」
秘部を見せるより、汚してしまったショーツを見られる方が嫌だと思ったから…なんて言えない…
脱いで感じてしまうなんて変態なんじゃないかって…思ってしまって
先生の問いかけに額に汗が滲み、身体が熱くなっていく。
もごもごと口を濁し…理由を言えず…自分にとってはこれが一番の羞恥なんだけど…男性を興奮させる
のとは別物だと…思う果歩…。
「言いづらいですか…?答えられませんか…?」
口ごもってしまい、これまでの行動のようにスムーズな応答ができない様子を見て少し追い打ちをかける男。
理解を示し、甘い言葉を掛けるのか…あるいは…。
男は少し考える素振りを見せた後、こう告げる。
「やはり、ご主人のEDを回復させるプログラム…これを遂行していくのは少し無理があるようですね。
指示通り行動でいない、あるいは聞かれたことに応えられないというのは、紛れもなく
私に対しての信用、信頼が欠如している。
事に他ならない。
信頼しきれていない者に付き従う形で実行し続けるのには無理があるでしょう。
果歩さん、貴女のご主人への愛は本物だ。
戸惑いながらも、勃起させる為にここまでできるんだ、妻として誇りに思っていいと思います。
問題なのはその素敵な女性の信頼を勝ち得なかった私にある。
ここまでにしておきましょう。
もちろん、ご主人へのリハビリテーションは以後も続けていきますので、ご心配なく。
果歩さん…、いえ、奥様のお力になれず、申し訳ありません。」
その表情は申し訳なさ、以上に少し残念と言えそうな雰囲気を醸し出している。
戸惑いながらも、正直に答えていればこんなことには…、と思わせるような演技。
そして何より、果歩の名を呼んでいた市が再び、「奥様」と呼びなおる。
羞恥を擽るようなアプローチに僅かながらに興奮に近い感情、男を喜ばせることを理解した上で羞恥に染めるという行為を知らしめ、さらには患者の妻から一人の女へと変貌した距離間を意識させた。
それが元に戻ることは遠回しに、もう女として見ることはない、という意味合いにも取れる。
これを承認欲求の塊のような女が感じればいったいどうなってしまうのか。
そして追い打つように男は言葉を続ける。
「脱衣を始めた頃に言いましたね。まだ序の口だ…と。
プログラムで言えば、実際、表紙を捲ったところに過ぎない。
この段階で足踏みをするのはかなり今後が難しいことを意味します。
もちろん、貴女が犠牲にならなくてもご主人は治ります。
少し時間がかかるだけ…。
貴女が男の悦びを知り、悦びを受け入れ、羞恥に染まることを求め踏み込めれば、それが少し早まるだけです。」
優しい言葉をかけているようで、同時に抉るような責め句。
「今日は、もうお引き取りください。
そしてご自宅で良くお考えになって頂きたい。
貴女の想い、理想、希望、目的。
今日のこの時間に何を感じ、どう思ったのか。
そのご主人の為に滲ませた汗を、流し手…じっくりと…。
それでもなおそのご主人への愛が揺るがないのであれば、改めてご予約下さい。長島果歩さん。」
【こんにちは。
日々素敵な描写、楽しませていただいています。
テンポ悪いでしょうか…?返事が書きづらければ言ってくださいね。
あまり同時刻を描き続けてもな、と思ってので日を跨がせるような流れにしてみました。
まどろっこしいと感じれば、続行を熱望して居座って頂いてもかまいませんし。
じっくりと心まで籠絡する為の過程も楽しんでいただけているなら、一時帰宅は必要な要素かと思っていますので、選んでいただければ幸いです。】
【こんにちは。
こちらこそ心理の細かな描写、私のレスに対する反応も書いて頂き、しっかり言葉のキャッチボールにして頂いてる事、有難く思っています、ありがとうございます。
置きレス状態なので、私がもっと早い反応をすれば良かったな、と思いました。
日を跨ぐ設定の提案もありがとうございます。
果歩の覚悟ができ、羞恥を覚えながらも素直に従い、進める事が出来ます。
午後は外出いたしますが、早めに続けて次のレスが書ければな、と思っています。
私の直して欲しい所があれば言って下さいね。】
【外出のご連絡ありがとうございます。
冒頭でも仰ってくださったとおり、プライベート最優先。
返事のペースは一切お気になさらず、お時間のある時に描いてくだされば一向にかまいません。
誤解の内容にお伝えしておきますが、
前レスの描写が少し「もっとテンポのいいレスポンス」を求めているように読めたかもしれませんが、
物語としては躊躇、戸惑いというのはあって当然の場面だと思っています。
そう言う状況を利用して煽っているだけ、ですので、テンポ的にも描写的にも全く焦って頂く必要はありませんのでそこだけ、お伝えさせていただきますね。
直してほしいところについては、特にありませんね。
ありのまま描いていただいた結果であれば、むしろ喜ばしいところです。
強いて言うなら、
「促しているような描写」や「推測している、予想しているような描写」が割とあると思いますが、
それはあくまで促してあり、推測に過ぎず、果歩さんにとってはそうじゃない可能性も十分にあると思っています。
ですので、仮に描写を通してそのようなレスを求めているんだと感じられていたら。そのような限りではありませんので。
自由お返事ください、とだけお伝えさせていただきます。
此方への希望、不満、要望等あればいつでもおっしゃってくださいね。
この数日、とても充実しています。】
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