思った以上に返信のペースが早い。
深夜という、もっとも都合の利く時間であるということもあるだろうが、ペースの早さはそれだけ期待の現れを意味する。
(それだけ不安、不満を抱えているってことなんだろうね…。
上手に少しずつ、美味しく頂けると…良いんだけどね…。)
この男の不敵な笑みに気づく手段はない。
メッセージでのやり取りは一見、顔もわからなければ当然会っているわけではない。
その分気が緩みがちだ、まだ安全だと本能的に思ってしまう。
だからこそ、男は急かさない。
緩んだ感覚に付け入ることで、結果その感覚が抜けきらず信頼という感情を盲目的に植え付けていく。
『そんなことはないよ…。
彼氏がいるのに…という言い方をするんだ、それなりにしているんだろう?えっちを…。
なのに、オナニーをしてしまう…そう言う言い方だよね…?
なら尚更さ…、Rちゃんは満たされてないんだ…。
彼氏に…、いや、えっちそのもので満たされてない…と言った方が良いかな…。
直ぐに脱がされて、すぐに挿れられて…、イって終わる…。
経験あるんじゃないかな…?
本当にするべきは、Rちゃんの心と身体をと会話。
その両方を満たしてあげることが重要。
本当はもっとキスがしたい…、挿れるのはもっと触ってからにしてほしい。
あるいはまだ下着を脱ぎたくなかった…、もっと舐めて欲しかった…。
そんな君の心と身体の声を聞くために、前戯ってものは存在するからね…。
勇気を出して告白してくれて…嬉しいよ。Rちゃん。』
【こちらこそです。
私も独りよがりな描写をしてしまいがちなので、確定レスは意識避けるようにはしていますが、お気づきの点があればご指摘ください。
通話に関しては展開次第であると思っています。
イメでのやり取りですから、DMから通話に切り替わった時に、描写的な変化があるかと言われると難しいですが…。
進行上、心の距離の短縮、信頼の増加、逢瀬への足掛かり、という意味ではむしろあってしかるべきだと思っていますので。
引き続き、お気づきの点はお知らせください。】
まるで彼氏との行為を見られているような気持ちになるくらい、言い当てられてしまう。同級生の彼は性欲自体は強いため、チャンスがあれば行為は求めてくる。
でも、凛花が感じているかはあまり気にしていないのか、挿れられるくらいには濡れているから感じていると思うのか、程々の愛撫のあとにすぐにフェラや挿入を求めてくるのだ。
でも、そんな彼とのエッチを言い当てられたことに対して凛花が感じたのは恥ずかしさではなく、安堵だった。言いてられるということは、この状況は凛花だけではなく、悩みとして抱えている女性が多くいるということだと解釈したのだった。
自分だけではない、自分がおかしく、自分が特別いやらしいというわけではないのだと思えると、より自己開示のハードルが下がった気がした。
『そうなんです…宗くんさんの言うとおりです。本当はもっとゆっくり進めてほしいんです…。』
「宗くん」は凛花よりは確実に年上で、立派な大人なのだろうと思う。
普段の凛花ならば「さん」は付けないけれど、相談に乗ってもらっているのだからと敬称をつけ、敬語にも気を付けていた。
(みんな、そう思ってるんだ……。
動画の人たちもきっと、宗くんにこうやって悩み聞いてもらって、会ってしてるんだろうな…。)
返信を待つ間、そんなことに思いを馳せる。会うなんて夢のまた夢だと思っているけれど、もし会ったら…なんて想像してしまう。
(きっと、宗くんなら……)
さっきまで触れていた体がまた熱を持ってきたような気がして、もじもじと足を擦り合わせる。
少女が本音を語り始めるのに時間はかからなかった。
男は特別なことを言っているわけではない、自分のところに相談が来るような女は似たようなケースが多い、というだけの事。
先ず与えるべきは安心。
この人には話でも大丈夫なんだという、安心と信頼を植え付けること。
土台さえ整ってしまえばあとは万事同にでもなる、のは男も経験から知っていた。
女とのコミュニケーションで最も重要なのは、共感である。
とはよく言ったもので、アドバイスを与えるのではなくわかってあげることに男はさらに重きを置いていた。
『「宗くん」で構わないよ…、言いづらいだろ?
それに、この名前にしているのは気軽に呼んで欲しいからなんだ。
だって、悩みごとの相談なのに…、悠木を出してくれてるのに…、気を使ってほしくないじゃない…?
もちろん、言いづらければそのままでもいいけど…?(笑)』
少し冗談を交える。
まさか、「宗くん」と呼ぶより「宗くんさん」と呼ぶ方が呼びやすいわけないのだから。
ただがっつくだけのスタンスは取らない。
先ずは信頼関係、心の内を晒しても良い、と思ってもらうこと。
その為の手間を、男は惜しまない。
『でもそうだよね…。
ゆっくり…、が良いよね…?
ゆっくり興奮していきたいっていうか…、興奮を味わって…いきたいよね…。
触って欲しい場所…その触り方…。
言ってほしい言葉、聞きたい言葉…。
どうすればRちゃんの下着が濡れちゃうくらい…その中がトロトロになるのか…。
トロトロにするだけじゃなくて…。
どういう女の子か知って欲しい…そんな気持ちも…あるのかな…?』
煽る、煽る、煽る。
しかしどこか優しく、まるで愛撫のような問いかけ。
イメージさせ…、その相手が彼氏ではなく見知らぬ男であることを思い浮かべさせるように。
書きながらもおかしいと思っていた呼び名。指摘されて、画面を見つめる顔がくすりと笑みを浮かべる。
でも、その後の言葉に…読めば読むほど、ねっとりとした感情と体の熱が呼び起こされる。気持ちよくしてほしい、感じさせてほしい、満足させてほしい…それは勿論あるけれど。
「宗くん」の言うとおり、
何が気持ち良いと思うのか、
何を心のなかで求めているのか、
凛花のことを知ってほしい、そして、満たしてほしい。
そんなことを願っているのだと、凛花自身が初めて自分の欲に気付かされた気持ちだった。
「はあ…んん……」
我慢しきれず、凛花の手が再び体を這い始める。
相談に乗ってくれている人を待たせて自慰を始めてしまうなんて、いくら「宗くん」でも呆れてしまうんじゃないか、怒ってしまうんじゃないか…そう思ったけれど、我慢できなくて。
左手で持ったスマホの画面を見て、右手はすぐに下着の中に差し込まれる。さっき少しだけ触っていたからか、会話からの熱か、凛花のあそこは既に愛液でしっとりと濡れていた。
「んんっ…ん…んん……」
家族はもう寝てしまっているだろうけど、声を出すわけにもいかず薄い布団を被ってクリを擦る。ぬるぬるとした愛液を擦り付け、何度も刺激する。
さっきまでは誰かに、自分以外の誰かに触れられている想像だったのに、今は「宗くん」を思い浮かべて指を動かしていた。
DMの既読のマークはついているが、凛花からの返信はぴたりと止んでしまう。
時間は0時前…平日の夜なら、寝てしまってもおかしくないタイミングではあるけれど。
「…ふぅ。
今日はこんなところ…かな、出だしは上々だったんじゃないか…。」
あれほどテンポの良かった返信がぴたりと止まる。
徐に見上げた壁掛けの時計は0時を過ぎ、約1時間の間に数回のメッセージ交換を楽しんだ。
初めてのやり取り、年齢も差がある。
そして何より、人に相談するには恥ずかしいと思うことを専門に扱っていると言っても良い男だ。
基本的に返事の催促はしない。
来たメッセージを返すスタンス。
それは自分との約束でもあり、女の心つかむために意識していたことでもある。
決して追わない。
女の中にある雌の感情が、男を求めるのを待つ。
少女が寝入ってしまったのか、事に及んでいるのかまではまではわからない。
が、感触は悪くなかった。
最後に男は今後の期待を込めて、その日をこう結んだ。
『また、いつでも頼ってくれていいから。
必要だと思ってくれたなら、こんなに嬉しいことは…ないからね。
おやすみ。』
スマホを閉じ、男もその日を終えるとした。
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