レズビアン体験告白

ついに、先生相手にキレちゃったよ。
昼休みにクラス担任から職員室に呼ばれました。
５月７日から鍛練合宿だから準備に忙しいのに・・。
だいたいこの先生、３５キロ歩行訓練の担当のくせに、何にも準備してないじゃん。
生徒会長、参りました。何の御用でございましょうか？
先生、生徒の態度とかしょうもない事でぐちぐち文句を言いました。
はあ～、生徒指導は生徒会の仕事ですか？
私等、そこまで権限いただいてるの？
まあ、それでも我慢して聞いていました。
「君の軍体調は止めたまえ。軍隊と平和国家、民主主義は相入れんよ。」
「だいたい、君は変なアーミーショップでの手伝いなんか止めるべきだ。」
チェリー、プッツン。
職員室の中だってこと忘れて、大声出しちゃった。
専制国家ペルシャを破った古代ギリシアの自由市民によるファランクス。
共和制ローマの国民軍団レギオン。
スイスの国民皆兵制度による武装中立。
メキシコからのテキサス独立の際のアラモの戦い。
アメリカ独立戦争。
フランス革命。
なんだって、民主主義は軍隊がいらないだって。
先生、どこの世界の歴史勉強してきたのよ。
相手がｔ

相手が中学生と思って、いい加減な世界観を押し付けないで。
先生、また怖いもの見る目でチェリーを見てる。
「いや、ローマは帝政だろう？」
帝政に至るまでに、長い共和制があったでしょう。
カルタゴを破ったポエニ戦争だって共和制の時の話よ。
歴史から、秩序が壊れた民主主義が長く持たないのを学ばなかったんですか？
最後に、
もう一度高校受験からやりなおせー、
って言おうとする直前、誰が拍手したのが聞こえました。
我に帰って拍手の方を見たら、なんと校長先生・・。
まずかった。チェリーの器の小ささを知られてしまった。
「会長、秋の文化祭の時に、歴史観についての講演を頼むことにするよ。」
校長先生、チェリーに微笑みながらおっしゃった。
チェリーは、校長先生の目を見てお答えしようとするんだけど、まっすぐ見れないの。
これが、お姉様がいつかおっしゃっていた「位負け」っていうものなのかな？
担任とは全然大きさが違うってはっきり分かるんです。
チェリー、校長先生に素直に謝りました。
申し訳ありません。生徒の分際で先生にご無礼をいたしました。
「会長、合宿の準備大変だね。頼りにしてるよ。」
テニス部主将じゃないけど、頭を下げて
「イエス、サー。マイ、ロード。」
って言うのがしっくりくるシーンだった。
大人の大きさって初めて知ったよ。
校長先生が介入してくださったおかげで、担任との喧嘩はお開きです。
でも、この担任が歩行訓練を指導して大丈夫かな？
大いに心配だよー。

チェリー　よく言った！GJ!
『言うべきこと、伝えるべきこと』をきちんと言える･･
これは、これから一年間　共に学校生活を過ごしていく中で、とっても大事な事･･。
まぁ、学校だけだはなく人生においても言える事なんだが･･･。
とは言っても担任の先生　自分の価値観、世界観を押し付けて閉じ込めようなんて
器の小さい人間だね･･先生自身がいっぱいいっぱいで不安なのかもね･･。
それを見透かされないように、虚勢を張って威厳を誇示してるような感じ･･。
「先生の都合で物事が進むと思うなよ！」ってなことだよな･･。
滑稽だね･･チェリーが不安になるのも解るような気がするよ･･。
生徒会のメンバーより何倍も何十倍も、お付き合いしづらいな･･先が思いやられるね･･。
＊
お姉さまも今日の出来事を笑ってくれるはず･･加えてアドバイスもくれると思うよ･･。
チェリー　考え過ぎ、抱え込み過ぎには注意だぞ！
校長先生をも戦力にしちゃおう！位の考えを持って楽しむようにね･･。

昨日の事、お姉様にお話しました。
チェリーの歴史認識には笑っておられたお姉様ですが、校長先生のことをお話した時は笑いませんでした。
「お前は、校長先生に謝ったんだね。」
はい、いけなかったでしょうか？自分の態度が正しかったと主張すべきだったんでは・・・？
「いいや、違うと思うね。お前は介入した校長先生に対し、小さな自我を通さず素直に対応している。
　現在の自分を、客観的に見る能力ありって評価されてると思うよ。」
ああ、良かった。校長先生の事、まだよく知らないけど、「敵に回してはいけない人」ってことは分かります。
逆らおうにも、人間的にとてもチェリーの対抗できる方じゃないわ。
それはともかく、鍛練合宿の、いえ３５キロ歩行訓練への不安は増すばかりです。
今日、生徒会役員、運動部、文化部の主将、部長を集めて、予想される問題点とその対策を協議しました。
昨年の例から、
「隊列に付いて行けない生徒が出る。」
「遅れた生徒を待つから、青年の家への帰着が遅れて、夕食の後片付けで職員の方に迷惑を掛けた」
との問題点が出されました。
落伍しそうな生徒への対策として、柔道部主将の提案で、
「遅れた生徒を紐に捕まらせ、体力のある運動部員が引っ張る」
というアイデアが出ました。
会長権限で即決。運動部主将、各部から５名選抜願います。
夕食が遅くなる対策については、チェアマンから
「足の早い生徒を先に帰して食事の準備をさせ、本隊が帰ったらすぐ夕食だ取れるようにしておく。」
「落伍して食事が遅くなる生徒がいたら、職員の方には帰ってもらい、生徒が後片づけをする。」
との提案あり。
うん、良いと思うよ。食事作るのは衛生面とかで問題あるだろうけど、片づけ位なら私達でできるよ。
青年の家に着いたら、すぐ調理の職員の方と打ち合わせるね。
チェリーが会長に就任して以来、こんなに皆がまとまったことないよ。
皆、不安なんだよね。一応３年だもん。下級生の面倒は見てあげなくちゃ。
人間心理として、共通の敵や不安に対しては、団結・協力するもんだよね。
ちょっと不安なのがサブの態度。反対する訳でもないけど、なんか浮いてるの。
うーん、こいつ結構能力はあるんだよね。自他共に認めるエリートです。
味方に付けたら、頼もしい家畜になるんだろうけどね・・。
まあ、あせらず餌付するか。

鍛練合宿まで後６日だね･･。
案じてばかりは居られないから、考え得る事態に対策対応を講じておくことは大事だよね･･。
まぁその辺は、共闘してくれる仲間がいるから、チェリー会長もちょっとは安心出来るかな･･。
落伍者になりそうな生徒の事前リストアップをしておくのもいいかもよ･･
そうそう･･落伍者の中でも（落伍者以外でも）熱中症には要注意･･大事に至る場合があるからね･･
水分補給は勿論なんだが、市販で熱中症対策飴とかワンタッチ冷却パックもあるから、用意しておいたほうがいいね･･。
これは学校で用意するのか･･各自で用意するのかは分らないけど･･用意しておいて損はないと思うよ･･。
＊
サブの態度･･･プライド高い子なんだろうね･･。
場面場面で発言を求めつつ、その発言を頭ごなしに否定して懐柔しようとはせずに
まずは受け入れて、その上でチェリーが何か思うことがあれば問いかけて
コミュニケーションを図って、サブの人間性や考えを理解して行き
おいおい、何かの責任を持たせる仕事を任せる様にして行くのがいいんじゃない･･。
いっそ、鍛練合宿の３年生組はサブに任せてみるとか･･ちょっといきなり過ぎるかな･･。

午後に連休明けの鍛練合宿の説明会がありました。
去年と一緒で、携帯電話、薬以外の食べ物の持ち込み禁止です。
それは良いんだけど、歩行訓練の説明が大問題。
全行程３５キロの自然道を、約９時間で歩かねばなりません。
もちろん、途中にコンビニなんか無しのずっと自然歩道。
担任の先生、全校生徒に地図を配りました。
何、この地図。数か所の分岐点が描かれた道路を表す線が書かれてるだけ。
目標物が何も書かれていません。こんなの見ても、自分の現在位置が分からないでしょ。
隊列の説明でさらに不安倍増。
「私が先頭を歩きます。最後尾は××先生です。」
××先生は、高齢の女性でしょ。後押さえ任せてだいじょうぶなの？
保健部員が質問しました。
「救護班の位置は、どこですか？」
「えーっと、考えてなかったな。私と一緒に先頭集団にいてください。」
わかった。この先生、準備をしてないんじゃない。
何も知らないんだ。
動けなくなった人の治療をするために戻る必要がないように、救護班は最後尾が原則です。
さらに、最後尾は落伍者収容のため、それなりに力量のある指導者が必要なはず。
そんな知識をまったく持ってなかったんだ。
さあ、大変なことになるぞ・・・。
説明会の最後に、校長先生が発言なさいました。
「少し予定を変えます。私も歩行訓練に参加します。一番後ろを歩くとしましょう。」
ああ、校長先生は分かったんだね。この先生じゃ危ないってことが。
もうすぐ６０歳で、初めの計画では青年の家で待機するはずだったのに。
担任先生、意味が分かってない。怪訝そうな顔をするだけです。
放課後、また三年生の幹部会を開いて対策を協議しました。
いよいよ落伍者が大勢発生して、隊列が保てなくなったら、
先に戻って、本隊の受け入れ準備をする先遣隊。
普通の生徒が隊列を作って歩く本隊。
落伍者を収容しながら最後尾を行く後続隊。
に分かれます。
先遣隊指揮はサブ、本隊指揮はチェアマン、チェリーは最後尾に付きます。
先遣隊は健脚の陸上部、バスケット部男女が人員を選出して。
後続隊には、落伍した子を引っ張れるようなパワーがある人を他の部から５名づつを選抜しておいて。
万が一に備えて、各リーダーは全員小さなＬＥＤ懐中電灯を携行して。１００均のでいいから。
あと、警笛もね。叫ぶより遠くまで聞こえます。
今は、三年の皆の積極的な協力を期待するしかないよ。
事故が起こって責任を取るのは、担任先生と校長先生だろうけど、実害を被るのは生徒だからね。
皆、頼むよ。

担任の先生は、赴任したての鍛練合宿未経験者かな･･。
鍛練合宿はチェリーの学校の伝統行事なんじゃないの･･？
総勢数百人の隊列になるんだろうけど、引率先生は３名だけなの･･？
過去の実績から培ったノウハウが生かされてないんじゃない･･。
人選ミス？･･･なんか･･先生が落伍者になりそうな予感･･
加えてチェリーがプッツンしそうな予感も･･･そう感じるのは、私だけかな･･。
ほんと皆の協力が不可欠だね･･無事に終える事を願うばかり･･。

鍛練合宿には20名の先生が一緒に参加してくれます。
だいたい、自分のクラスの先頭を歩くんだけど、去年の例では
後半はもうバラバラになっちゃいます。ばててた先生もいたよ。
昨夜、お姉様にチェリーの不安をお話しました。
「校長、大失敗だね。」
一緒に歩かれることがですか？生徒のために、歩いて下さるのに。
「その前の時点、担任を責任者にした時点で失敗だね。責任を取らなきゃね。」
「何で、担任から計画を事前に提出させて、検討しなかったのかね。
　校長の大きな失敗だよ。責められてもしかたないよ。」
うーん、上に立つ者は下を信頼するのが大切って読んだことあるんですけど・・・。
「それで、結果が失敗ならば、信頼した上の者の責任だよ。」
「チェリー、お前も覚えていなさい。人を使う時は、その人を知ってから使え。
　使った以上は、使ったお前に責任があるんだよ。」
はい、会長って立場、すごーく責任重大なの、分かりました。
「さあ、あとの心配は、問題が起こってから考えな。
　お前、明日から3日間、毎日3時間歩くこと。歩くのに慣れなくちゃね。」
「あと、毎晩遅くまで勉強してるけど、今日から12時まで。体調管理ね。」
えー、だって5月末には中間試験なんです。お姉様。
この連休中に勉強量を稼いでおきたかったんですが？
「だーめ、ご主人様の絶対命令。」
チェリー、がっくり。
「そのかわり、私が寝かしつけてあげるよ。」
わーい、それならいいです。短時間集中勉強で頑張りますね。

午前中、お姉様から言われたとおり、3時間歩きました。
なんか疲れてる。こんなはずじゃなかったのに。
3時間も歩くと歩幅が少しづつ狭くなるの。
歩き方のリズムも良くない。呼吸と足が合ってない。
まいったよ。こんな事でどうしよう。
お昼過ぎに、くたくたチェリーがバイヨネットに到着。
お姉様方、にやにや笑ってる。
ゆっこちゃんだけ心配してくれました。
お姉様曰く。
「ほらね、歩いてみて良かったろう。」
はい、その通りですね。身体なまってました。
「それだけじゃないと思うよ。明日は口笛を吹いてごらん。」
えっ、口笛ですか？
「マーチだよ。マーチ。
バグパイプでブラックビアを吹くつもりで、口笛を吹いてごらん。」
あっ、そうか。音楽ですね。行進曲。
これは良いこときいたぞ。生徒皆が疲れたら、皆の知ってるマーチを
歌ったり、口笛吹いたりしてみようっと。
戦場に掛ける橋の「ボギー大佐」だとか、大脱走のテーマだとか・・。
まさか、軍艦マーチはないだろうけど・・。
お姉様から、早く帰れって言われて、口笛を吹きながらバイヨネット
から帰りました。
うん、手足が動くよ。お姉様のおっしゃる通りだ。
お姉様、ありがとうございます。
今晩は、お姉様のお好きなグラタンしますからね。

チェリー　今日一日お疲れ様！＾＾
心と体の準備運動大事だよね･･お姉さまからのアドバイスもありがたい･･。
不安な気持ちは消えないだろうけど、３日後に迫った鍛錬合宿に気を病んでもしょうがない･･。
今出来る事は、チェリーが体調を整えて置くこと以外ないもんね･･。
準備運動の時間が自由に出来るなら、朝昼夕で１時間ずつ歩いてみるのもいいかもよ･･。
余談だが･･夜和子ちゃんにも、この鍛錬合宿で少しでも強くなってほしいもんだ･･。

チェリーの作ったグラタン美味しそうだね！私も食べてみたい･･。（笑）