知人の絵画教室で、妻が半年ほどヌードモデルをしていたことがある。
ヌードを許可していたわけではなく、妻は、着衣だと説明していた。
本当は、セフレを兼ねた関係で、むしろ男はそれが目的だった。
きっかけは、男の個展に、妻を連れて行ったこと。
男に「あなたが描きたい」と口説かれて、帰宅後も嬉しそうにその話をされて、妻を連れて行ったことを後悔した。
男の才能や、その気にさせる話術の巧みさに、内心激しく嫉妬した。
「じゃあ、本当に描いてくれるつもりがあるのか、今度聞いといてあげる」
嫉妬していることを、妻に悟られるのが、悔しかった。
だから、自分の気持ちとは、反対のことを言っていた。
でも結局のところ、男に口説かれたのは、妻ではなくて自分だった。
「描かせてくれるっていうことは、つまり、セックスもしていいのかな」
「奥さん、きっとOKするよ」
「ヌードでもセックスでも、君には、内緒にするだろうけど」
だからやめておけと、自信たっぷりに笑う男が、無性に腹立たしかった。
同時に、男の前で、裸になって足を開いて、じっとしている妻を想像していた。
「奥さんの体を差し出すつもりがあるならね」
そんなに簡単に口説かれるわけがないと思う気持ちと、そうなるかもしれないと思う気持ち。
誘いをきっぱり断って、口説かれたことを報告してくれて、男のことを軽蔑して罵っているところが見たい。
それとも、もしかしたら、男の誘惑に負けて・・
「本当だったよ」
「個展が終わったらアトリエに来てくださいって」
妻を試してみたかった。
2026/09/19 09:15:01
(skR9D5OT)