【おかえりなさい。】
船に乗っている間、急に振動が強くなる。ひっ、と小さな悲鳴が漏れるがアトラクションの音に紛れてその場は事無きを得た。でも穏やかな乗り物の雰囲気とは裏腹に、天音は体が熱せられているようだった。
(だめ、だめ、なんで、たえて、たえて)
「ほら、天音みてみて」
「んっ、あ、かわいい、ですね」
はあ、と熱い吐息が漏れる。身体は熱く汗が出ている気がする。冷や汗かもしれない。
下着が湿っているのを感じる。このまま続いたら・・ぞっとしたときに、急に振動が止まった。ホッとしたが、いつまた動き出すのかと不安に襲われて、アトラクションは全く楽しめなかった。
祐一には何とか悟られないまま過ごすことができた。下りた後にトイレへと駆け込む。ローターを取り出し、思いっきり踏んで壊した。そのまま、汚物入れに捨ててしまう。掃除の人は驚くかもしれないけど、致し方なかった。何もかも、あいつのせいだと博昭の顔を思い浮かべた。
湿った下着は気持ち悪いけど、履かないわけにはいかない。これでようやく楽しめると祐一のもとに戻った。
そのあと、目一杯に祐一と遊園地を楽しんだ。
お土産も買ってその帰り、駅に着くと人がごった返している。天音は何とか乗り込むが、祐一が人に押されて乗ることができなかった。
ドアと人の間で押し潰されそうになるのを何とか堪えながらラインを返す。
「先に乗っちゃってごめんなさい。私も帰ったら言うね。」
でも、今日は楽しかった。途中までは最悪だったし、帰ってからのことを思うと気が滅入るけれど。
ドアに持たれながら余韻に浸っていた。
【パソコンの弊害かもしれないですね、いつも隙間時間にありがとうございます。】
迂回で流れてきた人たちか、サラリーマンやらがやたら多い。
そんな中で、白いTシャツの小柄な女の子は埋もれて見えないし、今の時代、誰もスマホに夢中で周りを見る余裕もない。
それがいいのか、悪いのかは別にして、可愛い女の子のお尻を触ったりする輩はいつの時代にもいる。
現に、天音の周りにも。
電車の揺れで、前の女の子のお尻に意図的とはバレぬ様に手の甲で触る。
少し強く押してみる。
女の子の反応はない。
今度は、掌を太ももあたりを触り、すぐに離す。
小さい女の子は電車が揺れるたびに右に左にと体を乗客にもたれかける。
カバンを抱え込もうとした瞬間にも、電車が揺れて、抱え込んだ右手が女の子の胸の辺りに。
引き抜こうにも全く動かせない。
指先はどうだろうと、曲げ伸ばしをすると、それが胸の膨らみを擦ったようで、柔らかい。
左手で女の子のお尻をジーンズの上から撫でる。
生地が固く、ごわごわしていて、どこを触っているかわからないけど、太ももから上に這わしていくと、何とかわかる状態か。
女の子は気づいていないのだろうか。
いや、流石にここまで触られてはおかしいと、思っているはずだが。
もしかして内気な性格で恥ずかしくて何も言えないタイプかな?
右手の指を伸ばして胸の膨らみを突く。
プニュプニュしてる。
電車が再び揺れて、女の子の下半身に自分の下腹部が密着した。
大きくなるな、大きくなるなよと念じれば念じるほど、言う事を聞かない我が息子。
女の子のお尻に勃起したズボンの前がくっつく。
密着しているので揺れれば擦れる。
どんな顔をした女の子なのか、想像も一緒に膨らんだ。
【こんばんは、
見てくれていてよかったです。】
ギュウギュウな車内に特に疑問を持つことはなく、早く着かないかなあ、なんて考えながら、ドアの窓から外を見てみたりスマホを覗いて祐一から返信がないか見てみたり。
何も無ければそんなにかからない距離なんだけれども。
異様なほど混んでいる電車だからか、密着度が思った以上だ。こんなもの、なのかな、なんて思いながら過ごしていた。
電車が揺れて、後ろの男の人らしき手が前に差し込まれた。驚いて声は出なかった。混んでいる電車だと、これが当たり前?普段こんな混んだ電車に乗る習慣のない天音にはわからない。
警戒心からさっきまで背負っていた小さなリュックを前にしていたから、ぎゅう、と抱き締める。
デニム越しにグイグイと下腹部を押される感触はわかるが、これも混んでいるから?それとも?わからなくて、確証が持てなくて混乱する。
(気のせい?・・はやくつかないかな)
まさか、痴漢なんて。バイアスがかかって、脳が否定する。特に抵抗せず、外を眺めて過ごす。
【私も嬉しいです。】
あぁ、デニムじゃなかったらよかったのに、と思いながら、下腹部を押し付けてる。
また、電車が揺れる。
女の子のお尻が俺の左手とくっついた。
女の子のお尻と、俺の左手を自分の体で隠して周りから見えないようにしながら、左手でお尻を撫でる。
もう少し、あとちょっとで太ももの付け根に届く。
ガタンッ。
伸ばそうとしていた左手が、女の子の股の間に。
ヤバいと思って、急いで引き抜く。
女の子の肩がビクッとしたような気が。
祐一からLINEが届く。
≪次の電車に乗れたよ、すごく混んでる。気を付けてね。≫
【スカートじゃないのが残念です。
今度は制服姿の天音を痴漢したい。】
すごく混んでて、ちょっとしんどい。身体がいつも以上に密着する。皆何も言わないから、これが通常なのだろうと判断した。
ガタン、と揺れた直後、脚の間に何かが入ってきた感触があった。引き抜かれて気付いた。
意識してしまう自分は変なのだろうか。わからなくてキョロキョロと周りをうかがう。当然誰とも目が合わない。
(意識しすぎなのかな・・)
ふう、と吐息をもらすと、右手に持ったスマホが光る。
「満員だから、ちょっと苦しいかも」
と返した。気を付けるって何を?と思った。
【してほしいです】
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