五十路になって、定年もカウントダウンだなと思い始めた頃、懐かしい場所へ出張した。 そこは、物心ついた頃から中学二年まで住んでた街で、更にはアラフォーだった三年間、単身赴任してた街だ。 幼稚園、小学校と手を繋いで通った明日香、中学になって思春期を迎えた二人は、好きな思いを抱えたまま、それを伝えることができずにいた。 でも、俺が中学二年を終える頃、父の転勤でこの街を去ることになり、公園の木陰で初めてのキス、それはお別れのキスでもあった。 引っ越しの日、ご近所さんに紛れて明日香の姿があった。 見つめ合い、手を振った。 それから四半世紀が過ぎ、単身赴任でやってきた支社、他部署に明日香がいた。 あれから二人は、別々の道を歩き、別々の愛を育み、アラフォーになって再会した。、 「彰人君…」 「明日香か…」 中年になって再会した二人だが、明日香にはセーラー服を着てた時の面影が残っていた。 懐かしい旧友、と呼ぶにはあまりにも切ない思いを抱えていた。 その思いがどんな形で、どこへたどり着くのか、その時はまだわからなかった。 二人は懐かしい旧友という体で、時には外にランチしに行ったりして、幼い頃の思い出を語り合っていた。 単身赴任3年目、四十路になってた俺と明日香は、そばにいられるのもそう長くないことを感じていた。 あれは、9月の連休、毎年恒例の支社のイベントで家族の元へ帰れない夕方、イベント帰りに明日香が俺のアパートに着いてきた。 「へー…ここで暮らしてるんだ。意外とさっぱりしてるのね。」 部屋に上がり込んだ明日香も、それを打切れた俺も、ある覚悟を抱いていた。 中学時代に遂げられなかった思い…四十路になって見つめ合い、唇を重ねた。 この先は、お互いに抱えるもう一つの愛を裏切る行為だが、寄り添った二人にブレーキは無かった。 裸になり、四十路の少しくたびれた身体でシャワーを浴び、ベッドで抱き合った。 四半世紀を超えて遂げようとする思い、絡まる舌がそれがどれだけ深いものかを物語っていた。 お互い、贅肉がついた身体を抱きしめ合い、そして明日香の足を開き、夢に見た女陰を見つめた。 明日香の女陰は、長年連れ添う妻の女陰がそうであるように、ドドメ色に変色して変形し、卑猥な様相を呈していたが、俺はむしゃぶりつくように舐めた。 妻とは違う愛液の香りを噛み締めて、精いっぱい舐めた。 俺が初めて愛した女の女陰だから、精魂込めて舐めた。 明日香も、俺の男根を愛しそうに舐めた。 生で交わった。 愛しいまま別れた幼馴染が、一つになって抱き合い、舌を絡めて愛し合った。 目を閉じれば、そこにはセーラー服を着た明日香がいた。 深く交わり、お互いの性器を擦り合わせ、四半世紀の思いをぶつけた。 失くした愛を取り戻すかのように、貪り尽くした。 明日香の中に出したい、その思いを断ち切って、明日香のお腹に射精した。 身支度を整えた明日香が、玄関に立ち、 「最初で最後、思い出を作れて満足した。私、旦那の元に帰るね。」 「ああ、もう、ここへ来ちゃダメだ。旧友に戻ろう。」 明日香が出て行った。 遠ざかる足音が、やがて聞こえなくなった。 それと同時に沸き上がる妻に対する贖罪の念が、胸にこみ上げた。 その翌年、俺は本社に復帰した。 花束を抱えて転勤する俺を、明日香が窓から見送っていた。 会社に向かって手を振る俺は、明日香に向けて手を振っていた。 ご近所さんに紛れて手を振ってた、少女時代の明日香を思い出していた。 今度は思いを遂げての別れ、清々しい思いで明日香に手を振った。 そして本社の戻り、明日香と犯した過ちに懺悔するように、頻繁に妻を抱いた。 「今日もするの?大丈夫?そんなに毎日のようにして…」 「三年間週末に帰った時だけだったんだぞ。その分を取り戻さなきゃ…」 「あなたったら…」 頻繁に妻を抱いてると、妻の女穴の気持ち良さが身に染みた。 この世に、俺の男根をこんなに嬉しそうに受け入れて、もっともっとと抱きつく女が他にいるだろうかと、妻に対する宇土市差が次々と湧いていった。 おばちゃんになった妻だけど、可愛くて仕方なかった。 先の出張、久しぶりに訪れた支社には、明日香の姿は無かった。 一泊だったから、翌日、明日香を抱いたアパート、中二まで住んでた家を巡り、最後に明日香の家の前を通り過ぎていこうと足を向けた。 明日香の家の前を何気に通り過ぎるとき、チラッと横目で玄関を見ると、何やら雰囲気がおかしかった。 ふと立ち止まり、よく見ると生活感が全く無く、明日香が住んでた家は空き家になっていた。 明日香は、忽然と消えていた。 明日香は、もう、この街にはいないのだろうか。 ただ、明日香が二度と会えない人になったことだけはわかった。 どんなことがあって、明日香がこの地を去ったのかは一切分からなかったし、知りたくもなかった。 俺は、明日香の消息が知れない虚しさだけが残った。 「明日香…元気でいてくれてるのだろうか…」 一度は愛した明日香の息災を願って、帰路に就いた。 そしてここに、明日香との出会いと別れ、再会の思い出を書き記す。