遙か遠い遠い昔のこと。 幼馴染みというほど、親しくはなかったが、小学校低学年の時からよく一緒のクラスになってた、ノアって子がいた。 クラスが一緒というだけで、小学校時代は、あんまり印象に残るような出来事はないんだけど、さばさばした性格で、女の子っていうことを、意識させない存在だった。 6年の時、たまたま僕が窓際の席に座っていると、ノアが窓から身を乗り出すようにして校庭にいる子と何か話をしていた。 三階の教室から真下の子に叫んでるようで、踵を浮かせて背伸びしている。 小学校の制服は短いプリーツスカートを肩からストラップで吊るタイプなので、前屈みになったり背伸びをすると、すぐにスカートが上がって、パンツが見えてしまう。 たいてい女子はパンツの上にブルマやオーバーパンツをはいて、生のパンツが見えないようにしているのが普通だった。 それでも、僕は女子のスカートの中が見えるというだけで、オーバーパンツと分かっていても、ちょっとドキドキしながら覗いてしまうのだった。 そのときのノアは前屈みに+背伸び状態で、スカートの意味をなさないほど、ずり上がって、お尻が完全に見えていた。 どうせブルマかなんかだろうとちらっと見たら黒じゃなくて白。 何と生のパンツだった。 今みたいな可愛いおしゃれなパンツじゃなくて、ダボッとした木綿のパンツ。 それでも、その白い布地のお尻に釘付けになってしまった。 脚の間の奥の方は、薄黄色のシミが滲んだように見えたが、ただの影なのかもしれない。 息をのんで、スカートの中ばかり意識してたら、いつの間にかノアが首を回してこっちを見てた。 目が合うとかなり気まずくて、僕は何となく目をそらした。 「ヤナカくーん」 いままで聞いたことのないような、ノアの可愛い声に、僕はドキッとして窓際に視線を戻した。 ノアは窓の鉄枠にもたれ掛かるようにこちらを見ていた。 そして、スカートの裾を摘まんでパタパタと扇ぐように捲って、前の部分をチラチラさせて、 「こんなんばっかり見てたら、朝起きたらパンツの前、パリパリなってるでぇ」と、さっきの声とは違う、いつもの低めの声で、ケラケラ笑った。 僕は「パンツの前がパリパリになる」という意味が全くわからず、何かからかわれたということだけが、頭の中にこびりついてしまった。 それから、中学に進むと、ノアとは別のクラスになったが、ノアのことを何とも思っていない僕にとって、それは別にどうということでもない出来事だった。 それよりも、僕を苦しめたのは、クラスのワルによるいじめだった。 ワルと言っても、リーダー格の奴は小学校の頃は一緒に遊んだこともあったハルキという奴だった。 いじめと言っても、実態はカツアゲ。 最初は「10円貸して」から始まって、どんどんとエスカレートしていって、僕の小遣いは、ほぼそいつらに吸い上げられてる状態だった。 ハルキは、わずかな金額をむしり取っては、少ないと言って仲間と一緒になって僕を殴った。 こんなことが三年間続くのかと思うと、泣きたくなったし、実際、一人になると大声で泣いたこともあっら「。。 でも、いじめられているということがひどく恥ずかしくて、惨めな思いが強く、誰にも相談できなかった。 そんなとき、高校に通ってる姉が、盲腸で一週間ほど入院することになった。 手術がすんで、間もなく退院という頃、僕は一度くらいはと思って、病院に見舞いにいってみた。 四人部屋に姉ともう一人、同じ盲腸で入院してる子がいて、そこにはベッドの上で元気に飛び跳ねているノアの姿があった。 「わぁ、やっぱりヤナカくんの姉ちゃんやったんや」 二人は入院中に家族の話とかもしてたらしく、すっかり仲良しになっていた。 なんでも、ノアの方が一日先に手術したらしい。 「ノアちゃん、ウチの先輩やねんで」 姉は嬉しそうに笑った。 「ノアちゃん、めちゃくちゃ可愛いやん」 姉はすっかりノアが気に入ったらしい。 昔から、姉は「妹がほしい」と言っていたことを思い出した。 でも、女の思う可愛さと男の思う可愛さは違うと思う。 「なあノアちゃん、この子の彼女になったってや」 姉が冗談とも本気とも取れない口調でノアに薦めた。 「えぇー? どうしよ。ヤナカくんどうするぅ」 僕は、恥ずかしくてずっと下を向いていた。 数日して、姉が退院してきた。 ノアも無事、退院したんだろう。 姉はそれからも、しきりにノアのことを「いい子だから付き合え」と話していた。 でも、僕はノアが最近ちょっと不良っぽい連中と付き合ってることを知っていた。 いじめにあっている自分にとって、不良と付き合っているノアもいじめている連中と同類にしか思えなかったのだ。 しばらくして、実際、そうだということを思い知らされた。 その日、僕はハルキに要求された一万円が用意できずに、さんざん殴られたあげく、上級生のたむろしている3年生の教室に引っ張られた。 それまでも家のお金に手を出していた僕にはこれ以上の金額はもう無理だったのだ。 タバコの煙が漂う、その部屋に集まった大勢の不良の中にノアの姿があった。 ハルキは僕を上級生に上納金を上げるためのカモにしていたようだった。 偉そうに机に座ってる上級生が僕を引っ張ってきたハルキを睨んでいた。 「コイツ、先公にチクったりせえへんやろな」 「大丈夫っすよ。そんな度胸ありませんて」 手揉みするハルキは小蝿のようで、こんなやつにさえ逆らえない自分が一層惨めになる。 「タバコ代ぐらいやったら出せるやろ。上手いことやれや」 周りから「カトウさん」と呼ばれている上級生の言葉にハルキが、頭を下げた。 「スンマセン。ちゃんと出させます」 ハルキが僕の方を向いて、頭を張ってきた。 僕は緊張と震えでバランスを崩して、立ってられなくてその場にヘタリ込んだ。 とたんにゲラゲラと笑いが起きる。 「ちょっと、ハルキ。何でヤナカなん?」 聞き覚えのある、低めの声がした。 ノアの声だった。 みんな一斉に声のする方を向いた。 ノアは後ろの方で他の女子とならんで様子を見ていたようだが、部屋の真ん中にいる僕たちに前へ駆け寄ってきた。 「友達やったやん。なんでよ」 ノアがハルキに詰め寄った。 「関係あれへんやろ」 ハルキが周りを気にしながら大声を出した。 小学校の時にクラスが一緒だったぐらいで、いじめをやめてたら、いじめる相手がいなくなるんだろう。 それでもノアは食い下がってくれていた。 僕はただ怖くて震えていただけなのに。 「なんや! この女!」 ハルキが割って入ってきたカトウに、ノアと僕が小学校の同級生だと告げた。 「なんや、このガキ、お前の男なんか?」 床に転がったまんまの僕を爪先で蹴りながら、カトウがノアに親指を立てて見せた。 「男とはちゃうけど……」 ノアが言葉を濁す。 「それやったら黙ってろや!」 「けど、勘弁したってください」 ノアは直接上級生に訴えた。 「お前の男やったら許したろう思たんやけどなぁ」 カトウが意地の悪い目で、僕を見下ろす。 「あの、……男です。付き合ってないけど、その子、ウチが好きな男です」 ノアが口にした言葉に驚いた。 どう見ても、この場をやり過ごしたい言い逃れにしか聞こえない。 カトウは、それを気づいてか、僕の方を見た。 「すげえ、告白されたぞ! お前もコイツのこと惚れてるんけ!」 僕は、言葉が出なくてただカクカクと頷くだけだった。 「それやったら、おまえら両想いやんけ! お祝いに、オメコさせたらぁ」 僕は意味がわからなかった。 オメコっていえば、女のアソコのことを指す言葉で、他に意味があるとは、その頃は知らなかった。 「ここで二人でオメコしたら帰らしたるわ」 カトウが思い切り品のない笑い顔を作って、ノアを睨んでいる。 「せえへんかったら、ボコボコにしたる」 ノアに話し掛けながらも、カトウは足で僕を蹴飛ばし続けてる。 「いややったら、他のもんが相手したってもええんやで」 そいつがいきなりノアの胸を掴んだので、ノアは慌てて後ろに下がって両手で胸をかばった。 「どないすんねん」 そいつが凄むと、回りから囃し立てるようにオメココールが起こった。 回りはみんな、オメコ、オメコと声を合わせて叫んでいる。 ノアは、床に尻餅を突いて転がったままの僕を唇を噛み締めながら見下ろした。 「わかった! したらええんやろ!」 そう言って、ノアは僕の横にしゃがみこんだ。 とたんに周囲から歓声とどよめきが起こった。 ノアは僕にだけ聞こえるような小さな声で囁いた。 「ごめんな、ウチで悪いけど、ちょっとだけ我慢してな」 「何?」 僕は何が起きているのかよくわからなくて、固まったままになってしまった。 「もう、黙って脱いで」 ノアがいきなり僕のベルトを外してズボンのチャックを下ろした。 僕はとっさにズボンを押さえた。 「もう、いいから……」 ノアの目に涙が浮かんでいた。 ノアに任せるしかなかった。 僕はみんなの前でズボンとパンツを大腿まで下ろされ、頭がカッと熱くなった。 回りの声も遠くに聞こえる。 「出たホーケー!」 「メッチャちっこい!」 「それで出来るんか?!」 僕は仰向けに寝転がり、肘を突いて上半身を起こした状態で、股間をむき出しにしていた。 ノアが横でスカートに手を入れてモゾモゾすると、足から白い布を引き抜いた。 回りから、さらに歓声が沸き起こった。 ノアは僕の股間をちらっと見て、すぐに目をそらして僕の顔を見た。 そして、僕の腰の辺りに跨がってしゃがみこんだ。 ノアのお尻が直接腿に触れたが、僕の下腹部はノアのスカートに覆われて中の様子は見えない。 素早くノアがスカートの中に両手を突っ込んだ。 そして、僕の大事なところにノアの手が触れるのを感じた。 この状況で、すっかり縮み上がってお腹にめり込んでいた僕のモノがだったが、ノアの荒っぽい指の動きで次第に力をつけてきた。 そのとき、ケバい上級生の女が近くに来て、僕のお腹に掛かっていたスカートを捲り上げた。 僕は、自分のモノがノアの手の中にあるのを見た。 ノアは僕のモノを勃たせようと擦ったり引っ張ったりしているのだ。 そのとたん、こんな状況にありながら、それが一気にノアの手を押し広げるのを感じた。 「一年にしては立派なもんやんけ」 「アンタのより大っきいんちゃう?」 周りは好き勝手に言っている。 ノアは自分が掴んでいる手元を見ないように僕の顔に目を向けてきた。 唇を噛んでこらえてはいるが、頬は涙の筋ができていた。 スカートを捲っていたケバ子が手を伸ばしてノアの手からはみ出している怒張した先端部分を摘まんできた。 「ほら、こうやって優しく剥いたってな」 ケバ子に皮を剥かれて痺れるような感覚がお尻に走った。 「コイツ、もう出そう、出そう」 ケバ子が慌てて指を放してノアの手を押さえた。 「あんた、もう、入れたりや」 ノアはもう一度、僕の顔を見て、目をつぶった。 そして、お尻の位置を前にずらしてスカートの中で僕の先端をお尻の方にあてがった。 ケバ子に剥かれて露出した一番敏感な部分が何か温かい所に挟まるような感触があって、最初、お尻に当てているのだと思っていた。 温かな感覚は、ノアがお尻を上下に動かす度に、先端から次第に根元の方に拡がってきて、お尻から背中、そして脳髄まで電気が走るような得たいの知れない感覚がゾクゾクッと伝わった。 まるで、おしっこが漏れそうな感覚。 ノアは眉間にシワを寄せ、唇を噛んで苦しさに耐えているようだ。 横にいるケバ子がスカートを捲ろうするのを、ノアは必死で両手で押さえていたが、ノアが大きく動いたとき、苦しさに耐えかねたのか、一瞬手を離してしまい、中を覗かれてしまった。 「うわっ、メッチャ入ってる!」 僕も、見えた。 ノアの白い肌の裂け目に、僕の硬くなった先端が出入りしているのを。 「俺にもみせろや」 カトウがノアのスカートを捲ろうと寄ってきた。 僕は、温かな刺激と、目にしたノアの肌に、興奮が最高潮に達していた。 カトウにはノアの大切な部分は見せられない。 スカートを押さえなきゃと、頭の中で繰り返しながら、僕は頭の中が痺れる感覚に、意味もなくノアにすがるように手を差し出していた。 「うぐうっ!」 誰かの叫び声が聞こえたが、それは自分の声だった。 スカートの中で脈打つ僕が、ノアに向けて、何かを噴き出している。 一瞬間があって、回りから爆笑が起こった。 「うわぁ、ほんまに中だししよった?!」 「うそぉ? 俺も遣りてぇ」 口々にいいながら僕たちの回りを取り囲む輪がだんだん小さくなっていく。 ノアはポケットからハンカチを出すと、スカートの中で股間の辺りを押さえながら、立ち上がった。 それで、そのハンカチを、すぐ側にいるカトウの鼻先につき出した。 「こんでええんやろ」 「うわっ」 カトウは思わずのけぞって後ろに避けた。 その隙に、ノアは急いで僕を起こして、ズボンを履くように急かした。 「ヤナカ、行こ」 僕の先端からはまだ、ネバつく白い液体が滴り落ちていて、それを無理矢理パンツに押し込んで立ち上がった。 「ちょっと、待てや」 カトウがノアの二の腕を掴んだ。 「おまえ、なかなか上手そうやんけ。俺らのチンコも相手したってくれや」 「やめてや。話がちゃうやん」 「やかましい! 目の前で自分等だけエエことしといて、ただで済むわけないやろ」 僕は、なんとか勇気を振り絞って、カトウに言った。 「すみません。もう、勘弁してください」 僕は、なにも言われずに、横っ面を殴られた。 派手に音を立てて倒れ、床に響いた。 「おい!なにやっとんや? 下校時間過ぎとるぞ!」 そのとき、廊下で先生の声がした。 「ただのミーティングですよぉ」 何人かいた、廊下の見張り役のことさらにひょうきんな声。 先生が乗り込んでくる、と思ったが、 「一回りして、10分後にまた来るからな。それまでに片付けて帰るんやで」 といって外はまた静かになった。 「先生がお片付けの時間くれたんで、帰ろか」 カトウが残念そうにみんなに声をかける。 そして、ハルキに声をかけた。 「明日、この女廻すから連れてこいよ。このガキもな」 蜘蛛の子を散らすように、誰もいなくなった教室に僕たち二人だけが残っていた。 「帰ろか」 「うん」 教室を出ると、ノアが立ち止まった。 「ヤナカくん、悪い、先帰ってて……」 「え、でも、大丈夫か」 「うん、平気やから」 「今日は一緒に帰ろや」 僕は、ノアが心配で放っておけなかった。 「もう、トイレで洗うから、先帰ってて!」 「ああ。うん」 僕がノアの大切な場所を汚してしまったことを思い出した。 ノアが少し歩きにくそうにトイレに向かうのを見送って、僕は家に帰った。