誰にも簡単には話せないことなので、ここに書くことにしました。
私は無精子症で、子どもを望んでいても、自分の子どもを授かることができませんでした。
そんなこと妻に言えず、私はネットで知り合った男性に、妻を口説いてみないかと持ちかけました。
妻には何も知らせていませんでした。
最初は、自分でも軽い気持ちだったと思います。まさか本当に二人が会うようになるとは思っていませんでした。
ところが、二人は何度か会うようになり、やがて男女の関係になりました。
そのことを知ったとき、もちろん複雑な気持ちはありました。
でも、それ以上に強く感じたのは、妻が彼に本気になっているということでした。
私はそこで、自分の中にあった気持ちを初めてはっきり認めました。
「この人なら、妻と子どもを作ってほしい」
私は彼にそのことを伝えました。
彼は驚きながらも、快く引き受けてくれました。
普通の夫婦とは違う形になることへの不安もありました。嫉妬することもありましたし、これから先、気持ちが変わったらどうするのかという怖さもありました。
そして、しばらくして妻が妊娠しました。
妊娠が分かったとき、私は嬉しさと同時に、言葉では表せないほど複雑な気持ちになりました。
お腹の中にいる子どもが、自分の遺伝的な子ではないことは分かっています。
それでも、その子を授かるまでの時間を妻と一緒に過ごし、少しずつ大きくなっていくお腹を見ているうちに、そんなことは次第に気にならなくなっていきました。
そして、子どもが生まれました。
初めてその顔を見た瞬間、涙が出ました。
自分の血を引いていない。
それでも、私にとっては大切な子どもでした。
抱き上げたとき、「この子を守っていこう」と自然に思いました。
彼も喜んでくれました。
妻も幸せそうでした。
今でも、私たち三人の関係は続いています。
周りから見れば、理解されにくい関係なのかもしれません。
私自身、最初から迷いなく受け入れられたわけではありません。
それでも、あのとき妻と彼の関係を知り、そして自分自身がこの選択をしたからこそ、今この子がここにいる。
それだけは間違いありません。
私は、この子の遺伝上の父親ではありません。
けれど、この子が生まれてから今日まで、一緒に笑ったり、泣いたり、成長を見守ったりしてきました。
だから私は、自分を「父親ではない」とは思っていません。
血のつながりだけが家族を決めるわけではない。
今、妻のおなかには、2人目がいます。もちろん、彼の子。
2026/09/13 07:30:51
(idn1LIKw)