我儘な女の買い出し・・つまり娘の扱いではなくて俺のオンナの扱いなのだろうか。こんな男のオンナに誰がなるか、何を言っているんだと行為中は何度も思っていたのに、祐一が離れていくのかもと思うとホッとしてしまう自分もいて、天音は戸惑った。博昭の中では、自分はまだ価値のある女なのだと思えた。
「・・今日は、しないの?いつもみたいに。」
いつもあれだけ嫌がって抵抗して、何なら泣いて怒ってとしているのに。まるで望んでいるかのような言葉だが、天音はただただ不思議だった。博昭の性の捌け口になっていないときはどの立場にいるのだろう、と疑問だったのだ。
博昭は体調の悪い天音を気遣うばかりで、一切いつものような意地悪さや男の本能のような一面を見せてこなかった。それが天音にとっては違和感だし、むず痒くて、顔を覗き込んできた博昭につい聞いてしまった。
【こんばんは。今日もお疲れ様でした。
ありがとうございます。甘えられるのはやっぱり楽しいですね。】
『・・・・?、熱でうなされてるのか?
して欲しいのなら、早く体を治せ。元気になったら、いつでも抱いてやる。
天音には、俺しかいないんだから。』
おでこに手をあてながら、病人は大人しく寝ていろ、と言っている。
『それとも、ところ構わず、自分の性欲の為だけに天音を抱いていたと?』
実際はそうでしょう?と天音は思うかもしれないが、ほとんどの場合、博昭は射精するのは天音がイったあとで、
何度も、何度も天音を導いた後での射精だった。
自分勝手に射精をした覚えはない。
『大人しく寝ていろ、買い出しに行ってくる。他に欲しいのはないか?』
あまり気にも止めず、天音に聞く。
【お疲れ様です、天音がどう出るのか、楽しみです。】
天音には俺しかいない、のはこれまでなら何を言っているのかと憤慨して怒ったり、体の相性のことだけを考えて戸惑ったりとしただろうが、今の天音には違う響き方をした。存外、オンナとしては大切にされていたのかもしれないと感じた。
そもそもの意思は無視されていたかもしれないけれど。
(ところ構わずはそうでしょ・・)
バスの中、祐一の目の前と天音の記憶には新しい。
「・・後でにして、家にいて。」
買い物に行こうと、博昭は天音の方を見ず身支度を始めた。服の裾をソファーに座ったまま摘んでみる。
「一緒にいるのにしないの、変な感じするから、してよ」
服を引っ張ったことで、何だ、とこちらを見た博昭と目が合う。
うっ、と言い淀んだ後、そう言った。目をそらしてしまったし、可愛げはないかもしれない。
ただ、天音なりの一緒にいてほしいの気持ちのあらわれで、厳密にはエッチがしたいわけではないけれど、一緒にいる理由のためにしようと誘ったのだった。
博昭と何もせずに一緒いるのは、この1週間の間にすっかり変な感じになってしまった。元から積極的に一緒に過ごす距離感では決してないが、抱かれている間は一緒にいれるだろうと、いる理由になるだろうと考えたのだった。
結局、一人でいるのが寂しいのか?
それにしても、思い切った事をいう。
振り返ってみると、確かに天音と二人で過ごしてるときは、寝てるか抱いてるかだった。
そう思うと、確かに今の二人の距離感は違和感があるのかもしれない。
することは大事だが、それが全てじゃない。
出来るだけ、長く二人で居られる時間を作る為に、体の関係が全てではない、と天音には伝えたい。
でも、若いうちは、体の関係で愛情の重さや、優劣を計ってしまう事がよくある。
博昭は博昭の人間性にもっと目を向けて欲しかったが、それはどうしても継父という眼鏡を通してみることになる。
それでは、永遠にわかってもらえない。
まだ、高校生だ、もう少し、人生経験が必要という事か。
『わかった。』
天音の手を抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこの状態で、そのまま寝室まで連れていく。
いつものようにベッドに天音の体を投げると、天音に覆いかぶさるようにして天音の顔を見た。
『天音はこれがしたかったのか?
それとも、俺と一緒にいるのに、違和感があるからした方がいいと思ったのか?』
どういうリアクションが返ってくるのかと思っていたが、存外静かで驚いてしまう。間を置いてわかったと博昭が言うと、そのまま手を引かれると抱き上げられた。
「きゃあっ」
流石に驚き、昨夜のように博昭に思わず抱き着く。そのまま先程まで寝ていた寝室に戻った。
先程までの印象とは裏腹に、いつものようにベッドに乱暴に下ろされる。ギャップに驚いてしまうが、これがいつもだっけと思い直す。
覆い被さる博昭の問いかけに言葉に詰まる。図星だったから。
「えっ・・だって、こういうのが、したいから一緒にいるんでしょ・・」
至近距離で見下され、顔をそらすことは許されなかった。
視線を彷徨わせ、これが正解だと疑わない天音はそう答えるしかない。
まだいつもより高い体温がパジャマ越しに博昭に伝わる。
|
|
【プロフ動画】暑い夜は ID:masaki3285
|