『鬼ごっこはしない』って聞いてまた少し笑う。
「冗談ですってば。」
真面目にに答える先生がおかしかった。
じゃなくて、今、瞳子は2人きりの状態が嬉しいから些細な事も笑んでしまうのだと実感する。
「そうです、アパートみたいなマンションに一人暮らし。気を使わなくて良いですよ。
仲の良い男子ですか?仲の悪い男子の方が少ないかなぁ」
つまりは好きな人以外は男ではないという説明も無く話す。
「ここは居心地最高ですよ、香りが良いんです、ずっといる人には分からないですよ。」
饒舌に話していた時
『それとも……』
と問われ
また「え…?」
と言ったまま口を紡ぐ。
(それとも……って……)
目が泳ぐ。
だって近くに居たいから、なんて言えないよね…
【はい、既婚者の方が良いです、独り身では。パーティーとかパートナーを連れていかなければならないですし、妻と瞳子を比べて欲しい、と思いました。
気がついて頂きありがとうございます。】
『冗談は、わかってますよ。』
瞳子のシャンプーの匂いが鼻腔をくすぐる。
持っていたマグカップを床に置き、それとも・・・・と言ったまま視線をずらす瞳子の顔をこちらに向ける。
ゆっくり顔を近づける。
逃げるかなと思いながら、触れ合う寸前で動きを止めるが、逃げる気配がないとわかると、そのまま瞳子の唇に重ねる。
唇を重ねたまま、舌先を瞳子の口の中に。
【既婚、了解です。
間が持たないとか、いろいろ話題を振ろうと思いましたが、直接行動に出てしまいました。】
(それとも……)
なにか答えを出さなければいけないと思っていた時、先生が瞳子の身体の向きを変えて
ゆっくり顔が近づいてくる
(せんせ…)
何が起こるか分からなかった。
何をしようとしてるかも。
そのままクチャが重なる。
瞳子は目を開けたままフリーズしている
先生の暖かくて滑らかな舌が口内に入ってくる。
キス初めてではない。
好きと告白されたあとでもない
全く突然のキスに反応が遅れる。
そのまま瞳子は先生の舌を受け入れる様に口を開いた。
【会話は難しいですよね】
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