”目を閉じておきなさい” 縛りを受けて高揚していく自分の身体、美しく縄化粧される気持ちの揺らぎを目を閉じることで覆い隠したい…
私の言葉に素直に瞼を下ろし自ら視界を閉ざしてしまう貴女… しかし、瞼の裏に浮かぶのは縛られた自分の身体…
”さらに美しく…” 想像を掻き立てられる投げかけを与え、気持ちを高めようとする。
背後では結びの処理をしていることが身体を通して伝わってくる… 小さな動きの中でも肌をいたわる配慮を行っている…
その動きが収まると二の腕に添えられた男の手を感じる… 姿見に向かい正面を向けその姿を強い視線で見つめている…
しばらくの沈黙、そして投げかけられる言葉。
「京子、お前ほど私の縛りが似合う女は初めてだ」
その言葉を投げかけられ、再び初められる縄の感触…
背中をクロスするように右から左の肩へと這わされる縄… 方から脇へと掛けられそして今後は左から右へと背中で交差させられていく…
自らまぶたを閉じて視界を閉ざしている貴女… しかし、その暗闇は縛られていく身体を強く意識させることに…
「京子、お前のこうやって縛ることがこれからの私の悦びだ」
瞼を閉じた暗闇の中…恥ずかしいからとそうしているのに、頭の中には先ほどまで見えていた光景が映っていて…布団が一組敷かれた狭い和室…姿見に映る縛られ自由を奪われた自身の姿…そして背後で真剣な眼差しで縄を操る中村会長…。然程長くない時間の筈だったのに、鮮烈な記憶がこびりついたように頭から離れません…。
背中で縄を触れる感覚…肌は擦れて赤くなっていますが…不思議と痛みはありません。
「は…い……ありがとう…ございます……」
称賛する言葉につい零れ落ちた言葉…京子自身が驚いてしまいます。なぜ自分を嵌めた男に礼を…?頭の中は痺れるような感覚で…混乱してしまいます。閉じた瞼の中で感情が揺れていると、中村会長はまた縄を体にかけていき…
「えっ…」
(どういう……こと……?)
何人もの若妻を喰ってきたはずの男からの熱く真っ直ぐな言葉に戸惑いを覚えます…本気で受け取るものではないとわかっているのに、また心臓がうるさくて……戸惑い、目を開けてしまいました…。鏡越しに目が合い…。
私が思わず吐露してしまった気持ちに短く戸惑う貴女… ”えっ…” あなたの言葉に縛りの手を止めて鏡を見ると視線が絡んでいく…
その視線を受け止めながらも表情は変えずに縛りを進めていく… 左右の肩から脇へと襷掛けしてさらに乳房の谷間を通して登る麻縄。 右肩からの襷に絡め左の襷へと、斜めの縄の交点は結び留めて右脇へと戻って行く…
「さあ、京子、これが私の緊縛だ。 お前に与える初めての縛り。 しっかりと気持ちに収めておきなさい」
理不尽な状況だが貴女の揺らぐ心を見透かしたような言葉… 再び目を合わせていい含めていく。
鏡越しに目が合うも…中村会長は何も言わず、また縄に視線を落としました。縄の形を整えるため…当然中村会長の手は京子の露出した胸に触れますが、あくまでそれは形を整えるため…。最初に触れられた時のような気持ち悪さは感じません。ただ場の空気に飲まれた…慣れた…それだけのことかもしれませんが…部屋に入った最初の頃より京子の気持ちは変化しているようですが、京子自身が戸惑っているのです…。
縛り始めてどれくらい時間が経ったのか…京子にはわかりません…。中村会長から京子への初めての縛り…揺れる感情のまま、鏡に映る自分の姿を見つめます……。
(……私じゃない…みたい……)
幾本もの麻縄が体を渡り、肌に食い込んでいます…。胸を強調するように…示すように施された縛りは、いやらしいものではあるのですが、美しさも感じてしまいます…。こんなにいやらしい姿…自分ではないみたい……。京子は率直にそう感じてしまいました。本来なら嫌がらなきゃいけないはずなのに……。
「…あ…ありがとう…ございます……」
何を言えば……どうすれば……自分の感情すらよくわからなくなっている京子は戸惑ってしまい、ぎこちなく礼を伝えます…。鏡越しにまた中村会長と視線が交わります…。すっかりと中村会長の空気感に飲まれている自分に恥ずかしくなってしまい…目を逸らします…。
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