2025/07/17 16:35:07
(kWAJNOrm)
私、井ノ上胡々希は大きな声を出す事があっても身体が震えるほどの怒りを感じる事は今までなかった。
そのせいか過呼吸になりその場に膝をつく、ハァハァハァ………、早く浅い息づかい…、そのままブラックアウトする。
心配する声が聞こえる、あまり聞き覚えのない声、確か私は今まで彼氏の渡辺照と話してたはず彼の声じゃない。
頭を支えられ首元に柔らかい物が…、横向きにしてくれ、洋服の上からブラのホックを外す手。
この手知らない、でも性的な物は一切感じない、ショートパンツのボタンも外されたがその上に重みがある。
鞄?何だろう……、こんな駅前で倒れてしまった私を助けてけれてるの?
ストレッチャーかな?体が浮き寝かされてバイタルを取ってるみたい。
……何も考えられないまま救急車が走り検査が行われる、目が重い、開きたくない。
胡々希の右手が宙を浮く。
「パパ、ママ……、置いていかない………で。
私、パパとママみたいに…、したかったのに……。
さいよう、しょうがくきん…、頑張ったのに…、もうダメだ……。」
佐久間亮平が緊急連絡先に連絡をすると胡々希の父の姉、胡々希からして伯母、井ノ上里香。
里香
「胡々希の就職先の社長さんでいらっしゃるんですね、……申し訳ありません、ここ十年ほど胡々希には会っていませんし疎遠なんですよ。
胡々希から聞いてません?早くに胡々希の父母が居なくなり、父方の祖父母と生活してたんですが……。
胡々希には本当に悪い事をしました、私の元旦那が胡々希に手を出そうとしたんです、それを私、責めてしまって……。(泣き声)
胡々希は悪くないのに…、中学生の胡々希が誘惑する訳無いのに…、嫉妬心から罵ってしまいました。
今更、私、合わせる顔ありません、謝罪ついでに胡々希に付き添っていただけませんか?
そしてその彼氏とか言う男から遠ざけで頂けませんか?
厚かましい願いと思いますが胡々希も今更、私に会いたくないでしょうし………。」
翌朝、目を覚ますと………。
「えっ?社長?」
椅子に座り腕組みをし眠っている佐久間亮平。
(心の声(昨日の…、あの時からずっと傍に居てくれたの?
おじいちゃんやおばあちゃんみたいに心配してくれてるのかなぁ?
……それとも就職前に問題を起こしたから採用取り消し?
そうだよね、取り消し仕方ないよね、トラブルになるなら切られても仕方ないもんね。
悲しいけどお礼を言って去るしかないよね。))