2025/07/22 23:51:26
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「そんなことがあったのか。黒木君もしょうがないな。まだ続くようなら考えなきゃならんが…」
その時少し息を切らせた黒木とウェア業者が姿を現す。
「おはようございます。駅で業者の方とお会いして…」
と挨拶する黒木。
その黒木の挨拶を聞きながらウェア業者の男性は小声で女性に
「△△さん、俺達黒木さんと会ったの、ジムのすぐ手前だよな?」
「ええ、でもわざわざこちらから事を荒げる必要もありませんよ、ここで本当のこと言ったら黒木さん、業者を変えちゃうかもだし、触らぬ神に祟りなしでいきましょう〇〇さん。」
ウェア業者の男性女性も黒木に続いて
「「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」」
それに対して亮平が代表する形でウェア業者の担当者に
「〇〇さん、△△さん、わざわざご足労頂きありがとうございます。今日はよろしくお願いします。(亮平心の声:駅で会った?嘘だろ。業者の人は息荒げてないのに黒木は少し息切らせてるからな。黒木が口裏合わせを頼んだか、営業上の事を考えて、わざわざ事を荒げないようにしてるか…後で聞いてみるか。)」
「「はい。」」
その後堂本が今日のスケジュールを発表して、先ずはウェアの採寸にということになる。
堂本「そうだ〇〇さん、ウェアなんですけど○月〇日には必要なんですけど間に合いますか?」
〇〇「いつもお世話になってる佐久間スポーツジムさんの依頼ですから、特急で良いものを仕上げますよ。任せてください。」
堂本「そうですか、助かった……私服じゃ格好がつかないとと思ってたんですよ。」
〇〇「ただ一点しんそざ……」
黒木「あっ、〇〇さんその件は……」
そこまで聞いた黒木が慌てて言葉を被せるように言って、自分の唇に人差し指を縦に合わせる。
堂本「しんそ…??」
〇〇「いえ、申し訳ありません。他社以来の別件とごっちゃになってました。」
堂本「そうですか。じゃあ採寸始めてください。大西君は社長室、井ノ上さんは応接室ね。〇〇さん、△△さん宜しくお願いします。」
男女に分かれそれぞれ社長室と応接室に向かう一行。
その場に残された堂本と亮平。堂本は亮平に、
「社長。さっきの黒木君の慌てよう見ました?」
「〇〇さんがなにか言いかけた時に止めたやつか。堂本君何か心当たりはあるの?」
「以前打ち合わせた時に、角度によって透けて見える素材ってのを黒木さんと一緒に聞いたことがあって…それにその後、井ノ上さんを採用するって決めた後、黒木さんが業者と電話してたんですよね…」
「そうか……なんか引っかかるところはあるってくらいか…黒木のことは様子見かな。何か企んでるのか思い過ごしか、悪いけど、少し注意してて見ててくれないか。」