「そんなわけないっ…本気だから、本当に入園させたいから…ここにきたの。」
ここに来たくて来たわけじゃない…そうでもしないと入園ができないから。夫と子どもと離れ離れにさせられるから、これ以外に選択肢がない…本当に仕方がなくでした。
「仕方なくね。どうして私のところへ来たのかな?他の私立幼稚園の園長のところへ行ってもよかったのでは?私なんかより格好よくて優しい男性もいただろ。」
と言ってから
「まあ。取りあってももらえなかったのだろうけどな。」
と美玖さんに言った。すると美玖さんは他の私立幼稚園から不合格通知が来たし合格通知が来て入園手続きをしようとしていたところからも断られたことを話した。
「それはなんてことだ。しかし合格通知が来たとこまで入園出来ないとは不思議ではないかい?」
と言った。
一度合格通知を出した後に取り消しになった園には夫婦で話をしに行きましたが、申し訳無いが理由は話せないと言われてしまい、帰されてしまいました。
「それは……」
美玖も夫も不思議でたまらず、だから直談判をしにいったのです。でも園も頑なで…何か後ろめたいことがあるのか焦った様子で追い返してきたのを覚えています。
「!…まさか…なにか知ってるの?」
どうしてそんなことを聞いてくるのか…この余裕のある表情や態度は何なのか…不審に思ったところで、この目の前の男が何か根回ししたのではないかと勘付きます。
美玖さんが山本園長が何かしたのではと疑っているのがわかり
「その通りだよ。私が息子さんが他の私立幼稚園に入園出来ないようにしたのさ。」
と言った。
「これでわかっただろ?息子さんを私立幼稚園に入園させたいなら私の幼稚園に入園するしかないということが。」
と美玖さんが絶対に許せない行為をしていたことが発覚した。だからといって公立の幼稚園には入園させることは出来ない美玖さん。山本園長は
「どうするかね?当幼稚園に入園したいなら私の性処理を定期的にするなら認めてあげるが。」
と一度だけではなく何度も身体の関係になることを要求してきた。
幼稚園の不合格は全てこの男の策略…つまり、今ここに来ていることも全て彼の想定通りのことなのだとわかります。
「卑怯者っ…!なんで、こんなことっ…」
合格にする代償がエスカレートしていることに気付き、唇を噛み締めます。しかし美玖はこれを拒否する選択肢は残されいないのです…。
ここで断れば家族が離れ離れ、地域ぐるみで不合格にされた息子もこの先どうなるか…考えれば考えるほど、美玖がこの男のものになるしか…。
「わかった…。何でもするから、息子を…悠真を入園させて…。」
ソファーに座ったまま…膝の上で両手を握りしめて…そう言います。
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