短大出てすぐの頃に出会った人、今も忘れられない。 もう会えない人だけど、あなたがいたから今の私があると言える大切な人だった。 人生で二人目の男性だったあなた、初めて抱かれた時、その前戯に蕩けた。 短大時代の初めての人は、あんなに長い時間クンニをしなかった。 あなたは、アソコがふやけるほど舐めてくれたし、クリちゃんを吸いながら舌先で撫でるようなやり方で、前戯だけで気が遠のいた。 あなたをフェラするとき、ああ、これが入れられるんだと思うと、愛しさに溢れた。 あなたとの相性は最高だった。 クリちゃんもいいけど、中でも感じるって初めて知った。 アソコの中でグニグニされると、身体が溶けちゃうそうなくらい気持ち良かった。 していることは子作り、生殖行為で、無防備で、大股開いてはしたない格好で、アヘアヘしたっみっともない姿を晒してでも手に入れたい快感だった。 初めてイクことができたのが、あなただった。 絶頂を教えてくれた。 当たり所が良かったのもあっただろうけど、それだけじゃなかったような気がした。 いつしか、週末は同棲状態になった。 それが、日々どちらかのアパートで暮らすようになった。 そして同棲…そのまま結婚するものだと信じて疑わなかった。 毎日セックス、お休みの日は一日中セックスに明け暮れた。 私に生理が来ると、私は手で扱いてピュピュっと出る精液を眺めてた。 射精を見るのが好きになって、一日何度も扱いてた。 あなたは、恥ずかしがりながらもいっぱい出してくれた。 一緒に暮らして一年過ぎた頃、生活がだらけていることに気付いた。 お片付けのこと、お掃除のこと、ほんの些細なことだけど、相容れない何かがあって、もういいやって諦めが出始めたことが、怠惰になった原因だった。 そして、これ以上一緒に暮らせば、だらけたことを相手のせいにし始めて、二人は傷つけあってダメになると気づき始めた。 あの日、二人は向かい合って頬杖ついて、言葉にはしなかったけど、私達はもうダメなんだろうなあ、と思った。 そんな時、あなたが誘った最後の旅… 温泉街の外れにある渓流沿いの宿、川のせせらぎが心地よかった。 あなたとお散歩して、細かな彫刻が施された祠に驚いて、更に「クマに注意」の看板にもっと驚いて、宿に戻ってきたのを思い出す。 この旅が終わればきっとお別れ、そんな空気が漂う旅だった。 月明かりが差し込む部屋で、障子を開け放ってあなたに抱かれた。 これが最後のセックス…そう思うとあなたの手触り、舌触り、愛しかった。 これを舐めるのも最後…私も愛しく舐めた。 あなたと一つになったとき、これが抜かれたら最後の精液を浴びるんだ…そして私たちは終わる…そんなこと思ったら、あなたに抱かれているのに涙が出た。 あなたは少しでも長く繋がっていたいからか、いつもより動きがマイルドだったから、あなたも最後だと感じているんだなと思った。 そして訪れた最後の射精…あなたの精液を身体に浴びながら、終わったことを悟った。 その夜、あなたの胸の中に顔を埋めて寝た。 あなたの匂い…記憶に刻んだ。 翌朝、二人でトボトボと帰路に就いた。 部屋に戻ると、あなたは出ていくために荷造りを始めた。 元々私が住んでたアパートだから、ああ、やっぱり終わりなんだと再確認した。 あなたは事前に引っ越し先を確保して、荷物も整理してたようで、旅から帰った翌日、 「色々と世話になったな。さよなら…」 「素敵な思い出ありがとう。さよなら…元気でね…」 彼が出ていった。 聞きなれた車のエンジン音が、遠ざかった。 それを玄関にもたれて聞きながら、泣いた… あなたと別れて20年が過ぎた。 あの後、私は今の夫と結婚して、あなたと暮らした街を出た。 そして今、転勤で巡ってきたこの街の奥座敷は、あなたが誘った最後の旅で訪れた温泉街… 一度だけ、行ってみた。 あなたと訪れたあの季節に…懐かしさが溢れた。 あなたに最後に抱かれた宿、渓流のせせらぎ、祠、クマ注意…違うのはあなたがいないこと。 「もう、20年前なんだ…」 そう呟いて、あの頃の切ない旅の記憶をたどった。 夫がいて、子供たちがいて、そこそこ幸せな日々がある。 夫は優しくて、四十過ぎた私を大切にしてくれる。 でも時々、あなたと暮らしてたら…と思うときがある。 そのたび、あなたと私がなぜダメになったかを噛み締めてる。 そして、やっぱり一緒に暮らすのは夫なんだと確認する。 そして、今はどこでどんな暮らしをしてるのかも分からない、あなたの幸せを祈る。