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雨宿り4

投稿者:まなみ ◆8wwUsyplVU
削除依頼
2021/07/07 17:48:35 (cJdnAsKN)
ゆうすけさん、お待たせしました。
 
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118
投稿者:律子 ◆lhmAJ0ETT2
2021/12/22 19:45:52    (dvP04dTt)
(抱いてもらおうと深く寄りかかり、目を瞑り唇を差し出すと、しゅんくんは肩を両手でしっかりと掴み、今回の旅行の本当の目的を話してくれました。)

やっぱりね…そんな事だろうと思ってたよ?
でもね、しゅんいち…今回ばかりは…もう無理かもしれないんだ…

…あたし…壊れちゃったみたい…なの…

(表情は変わらず穏やかに微笑みます。最愛のしゅんくんの話も、穴の空いた桶に水を流すように、今の律子には響きません。まるで微笑む事以外全てが欠落したかのような様子と一言に、しゅんくんはゾッとします。)

…まな?
それは無理だよ?あの子とは、魂の根っこのとこで繋がってるみたいな感じがするほど近いの。
だから…たぶん今もまだ…あの子泣いてるのがわかるんだ。あの子もまた…あたしが壊れちゃったのに気づいてる。
それにね?守られてたのはあたしの方。孤独にならないようにしてくれて、泳ぐきっかけを与えてくれて、ずっとそばにいてくれて…
しゅんいちはまなのせいだって言ったけど、それ…正解だよ?
(それなら…と言おうとするしゅんくん。抱きしめようとするその手を、律子は軽くいなします。)

それでも…それがわかってても…
しゅんいちっていう、優しくて素敵な、生涯をずっと寄り添える人がいても…
あたしはあの子を離せない。離したくないんだ…
今のまんまじゃ、しゅんいちもまなも、お互いを誤解してる。
あの件は、前にも言った通りみんなが悪いの。
まな、のんちゃん、さやか、ゆきちゃん、そしてあたし…それぞれに後悔と自責の気持ちがあるから、だからごめんは一度にしようって決めたんだ。
(いなした手をとると、律子は自分の頬にあてます。きゅっと押し当てるとすりすりとほおずり…)

あったかい…おっきな手…
…ありがとね?本音、聞かせてくれて。みんながみんなあの結末で納得できるわけないもんね?
しゅんいちがあたしのこと、大事に大事に思えば思うほど納得できずにモヤモヤする気持ち、よくわかるよ?逆だったら同じことするもの…

…わかった。
まなのことも含めて、掘り起こされた過去の恐怖に…ちゃんと向き合ってみる。
この旅行で、これからの事を決めようと思う。
それで、あたしがどんな答えを出したとしても…
この手は…離さないでね?ずっと…温もりが…届くところにいて…それができるのは…あなたしか…いないんだ…お願い…
(そう言って笑う律子。その微笑みには心なしか、僅かでしょうが前向きな何かが宿ったような気がしていました。そのまま2人は長い長いキスをして…はにかんで微笑む律子は、ゆっくりと静かにしゅんくんの胸の中に収まり、眠りはじめました…)


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投稿者:星野瞬一 ◆Nvwi/zPrkY
2021/12/22 18:22:02    (CM4ZIcd8)
僕は早速フェリーの予約をして、律子ちゃんの気が変わらないうちに次の週にはフェリーに乗船していた。

本音を言えば、今の律子ちゃんからまなみさんから少しでも身も心も離したかったのだ。

この日、律子ちゃんは最近にしては珍しくロングスカートを履いて、ストールを肩にかけていた。

夜になってフェリーのデッキで暗い海を眺めていると「ねぇ、瞬一…夜の海って怖いくらい綺麗だね?空と海の境がわからないのに…月明かりだけがさ、こう。スーって…わたしたちに向かって伸びてくるの…」って微笑む律子ちゃんは体調が悪くなってから確実に痩せていて、その姿はまるで別人だった。

少し前なら周囲の人から「もしかして、あの娘、竹田律子?」って言われていたけど、今は誰も気づくことはなかった。

前みたいに気を使うことはなくなったけど…でも何となく寂しい気持ちにもなった。

しばらく夜の海を眺めてたら「…冷えてきたね?中…戻ろうか?」「そうだね?身体冷やすのは良くないからね?」「船選んで正解だったね?ゆっくりゆっくり…わたし、今までずっと忙しく飛び回っていたから、こういうの、凄く新鮮…」「それなら良かった…たまにはゆっくり移動するのも良いだろ?」と話ながら僕は律子ちゃんの手を取り肩を抱いて船内に戻った。

しかし律子ちゃんの仕草ひとつひとつが穏やかすぎて…何か不用意に触ると壊れそうな綺麗だけど脆く儚い美しさに目を惹かれる男もいるだろう…
だけど、僕はこの事件前の律子ちゃんが好き。
今の中身のない空っぽな律子ちゃんを元に戻したいと思って札幌行きを決断したけど…

そう思いながら部屋に戻ると「あたしね?最近考えるの…
もうこのまま…戻らなくても良いのかなぁって…
あなたのための…あなただけの…あなたの妻になろうかなぁって…ね…
またそれなりに泳げる様になったら、近くのスイミングで子供たちを教えて…瞬一のお仕事の帰りをお家で待って…そんな幸せもありだよね?」とゆったりと僕にもたれかかって話す律子ちゃん。

そうなれば、確かに嬉しいけれど…今の状態の律子ちゃんからはそんな言葉は聞きたくなかった。
だけどどんな言葉をかけて良いのか、悩みながら律子ちゃんのか細い身体を優しく抱きしめた。

そしてゆっくりと覚悟を決めた様に「律子ちゃん…そんな生活も確かに良いけど、お母さんと交わした約束はどうする?
今はちょっと色んなことがあって休んでいるだけだろ?
そんな生活は律子ちゃんが思い切り泳いで、やり残した事がなくなってからする生活だろ?
僕はずっと君の側にいる。何があっても離れない。
律子ちゃんも、もう原因はわかっているだろ?まなみさんが原因だってことを…
もう一度ちゃんと向かい合おう、今度は1人じゃない。僕がついている。
一度は克服したんだろ?今度もきっと克服できるよ!
律子ちゃんにとってまなみさんは凄く大切な相手ということはわかっている上で言う。
あの時、札幌に来た理由をもう一度思い出して!
あの時は裕介さんがいたけど、今度は僕がいる。それとも律子ちゃんは僕じゃ役不足とでも言うつもりかい?
自分の信じた道を進むって極めたんだろ?あの日に…
いつまでもまなみさんの騎士(ナイト)でいなくて良いんだよ?
身を投げ出して守る必要はない。今は戻しまなみさんには裕介さんがいるのだから…」と言った。

別にまなみさんと別れろとは思ってもいないが、もう少しまなみさんへの依存を減らして欲しいと思って言った。




【まなみさん、お待たせしました。】


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投稿者:律子 ◆lhmAJ0ETT2
2021/12/20 21:31:17    (mIl7f/sY)
ねえ、しゅんいち…
夜の海って…怖いくらいに綺麗だね?
空と海の境がわからないのに、月明かりだけがさ、こう。スーッて…あたしたちに向かって伸びてくるの…
(旅行に行こうと決めてからのしゅんくんの動きは早かったのでした。律子の気が変わらないうちに、というのもありますが、何より少しでも遠く心も身体もまなみから離したかったのが本音でした。
律子は確実に少しやつれていました。夜のデッキで暗い海に映る月明かりを見ながら微笑んで話す姿はまるで別人です。この頃にしては珍しくロングスカートを履き、ストールを肩にかけて遠くを見つめる律子。以前はあの人…もしかして…と囁かれていましたが、今は周りも律子をあの竹田律子と気づかずにいます。)

…冷えてきたね?中…戻ろうか?
船選んで正解だったね?ゆっくりゆっくり…
あたし、今までずっと忙しく飛び回ってたから、こういうの、すごく新鮮…
(しゅんくんが差し出す手をとり、肩を抱かれながら中に戻ります。その仕草一つ一つが穏やかすぎて…強く抱きしめたら壊れそうな綺麗さで、それはそれでまた注目を集めそうです。
それは何も知らない人たちが見たらですが…近しい人には、中身のからっぽな危うい綺麗さ…)

あたしね?
最近考えるの…
もうこのまま…戻らなくてもいいのかなぁって…
あなたのための…あなただけの…あなたの妻になろうかなぁって…ね…
またそれなりに泳げるようになったら、近くのスイミングで子供たち教えて…しゅんいちのお仕事の帰りを家で待って…そんな幸せもありだよね?
(部屋に戻って、ゆったりとしゅんくんにもたれながら、律子は話します。これもまた律子の本音。そうなれば一番嬉しい…けど、今の律子からそれを聞くのは…どうしようもない気持ちの中で、しゅんくんは黙って律子のか細い身体を優しく抱きしめます…)


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投稿者:星野瞬一 ◆Nvwi/zPrkY
2021/12/18 22:47:48    (fogGfjAE)
律子の携帯の電源をいつもの様に落として、律子ちゃんから遠ざける様に置いて僕はどうしても抜けれない仕事に向かった。

まさかその前に律子ちゃんが携帯を留守録にしていたとは知らずに…

まなみさんから何度も連絡があったけど、その都度以前と同じように冷たく対応していた。
その対応が良いとは思ってないが、律子ちゃんの事を考えるとまなみさんに会わす訳にはいかなかった。

だけど、仕事から戻ったら律子ちゃんの様子が少しおかしい…携帯を律子ちゃんの隙を見て、確認したけど、おかしな点はなかった。
一抹の不安を抱えながらも律子ちゃんは以前みたいに吐くようなことは少なくなったけど…

僕を向ける穏やかな笑顔が、何か虚ろに見えてやはりまなみさんに会わす方が良いのか?
でも会えばまたあの時のフラッシュバックが…
僕では律子ちゃんの心の傷…抉られた心の傷を治す事は出来ないのか?
散々悩んだ結果、僕は律子ちゃんに2人の思い出の場所、札幌行きの提案をした。

その頃にはテレビでも律子ちゃんのあれほど盛り上がっていた話題は無くなり、他の選手の活躍の話題にとって変わり、話題にも昇らなくなり、一見は平穏な生活に戻った様に思えたが…

律子ちゃんからも水泳の話も出なくなり、まなみさんの事も触れなくなり…このまま僕の奥さんになってくれるのか?
そんな淡い期待もしてしまうくらいだったけど、今の律子ちゃんは穏やかすぎてまるで全てを無くして、空っぽになっているみたいで…

やはりこのままではいけない、律子ちゃんの心の傷とちゃんと向かい合わないといけないと思って2人にとって思い出の場所、札幌で一緒に思い出の場所を巡れば何か見つけられるかも?と思い切って誘った。

「えっ?さっぽ…ろ?
…なに?突然。わたしならもう大丈夫だよ?
最近は吐く事もなくなったし、心が乱されらることもめったになくなったから…」と言う律子ちゃん。

いやいや…その状態が良くないんだって!と思って「そうだけど、結婚する前にもう一度思い出巡りをしたいなって、思って…だからどうかな?」と律子ちゃんに気を使わせない様にして聞いたら「え?結婚前に?もう一度思い出巡りしたいの?
そう…だね?そうしようか?」と言ってお守り代わりにこのところずっと持っていた律子ちゃんのお母さんの形見のブローチをギユッと握ってあの時と同じような笑顔を見せた。

そんな笑顔を見て、胸の奥がギユッと締め付けられた感じがして「それじゃ、早速予約を入れるね?今回はゆっくり船旅で行こう?フェリーでさ?」と手を握って言った。

律子ちゃんの両親の時代ならきっと同じようにフェリーで行ったと思うので、出発した場所は違うかも知れないけど、出来るだけ律子ちゃんの両親と似た状況で移動したいと思っていた。

ただその一方でまなみさんとも一度ちゃんと話をしないといけないと思っていたが…律子ちゃんが抉られた心の傷が癒えてからと思っていた。
今のままではまなみさんと会った時、今まで通りに接する事は出来ない。
律子ちゃんの心を抉られた原因を作ったのがまなみさんの行動のせいだと僕は思っているからだ。

【まなみさんの展開の方が良かったかも?
でも、今回は頑張ってみます!】





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投稿者:律子・まなみ ◆pVvpmy/qE2
2021/12/17 19:53:32    (IuvnQBvu)
(…瞬一がどこかよそよそしい…
律子はしゅんくんの態度がどこか違うことに気付きます。特に携帯をわざと遠ざけるようにする事が多くなり…精神的に弱りきっている今の律子は、こころなしかやつれてさえ見えます。1日の大半をベッドで過ごして、何かの動きで腰が上がると怯えて…)

…しゅんいち?あれ?しゅんいちぃ?
(ある日、起きるとしゅんくんがいません。出かけたのでしょうか?居間には律子の携帯が。恐る恐る電源をいれて中を見ると…
水泳の関係者やスポンサーさんからの電話やメールがたくさん入っていました。でも…なにか足りない。意図的に何かがなくなっている…
その何かはわかっていました。律子はいつもは設定しない留守電を入れると、また電源を落とします)


…やっぱり出ない…ゆうすけにはまなから連絡するからとは言ったけど…どうしちゃったんだろう…
…っ!あっ…
(その頃、まなみはいつものように律子に連絡をいれます。今回もまた繋がらないと諦めていたところに留守電になりました。まなみは叫びたい気持ちを堪えて、大きく一呼吸おきます。そして…)

『りっちゃん?まなです…
身体、大丈夫?心配です。
何度連絡しても繋がらない。星野くんもなんだか素っ気なくて。たぶんきっと、まなが関係してると思います。
でも、星野くんも何か考えがあるんじゃないかな?
今までまなはあなたにたくさんたくさん助けられてきました。今回はまなが何を犠牲にしてでもあなたを助ける番…
今はこうして静かに見守る事があなたを助けることに繋がるのなら…まなは待ちます。
だから必ず、必ずまた帰ってきてください。
まなって呼んで…抱きしめて…髪…なでて…
まなは…まなは…どんなになっても…あなたを愛してます…』

(最後は涙声になってしまいました。留守電を切った後、まなみはその場にうずくまり激しく泣きます。そうは言ったものの、ほんとはすぐに駆けつけていきたい!渋るしゅんくんを押しのけて抱きしめてキスして…でも…いまはダメ…
ある意味、まなみにとって律子と距離を置くのは身を引き裂かれるのと同じくらい辛く苦しい事です。
でも…いまはそれしかないと信じて…
激しく嗚咽し、咳き込み、それでも声の限り何度も律子の名前を呼んで泣き叫んで…いつのまにか居間の真ん中で眠ってしまっていました)


まな…まなぁ…
(そしてそのメッセージを聞いた律子も、目頭を熱くさせます。あの子のためならいくらだって元気を振り絞れる、頑張れる!
抱きしめたい…その胸の中に小さなあの子を埋めて離したくない!
律子はまなみの声を心の深くにしまい、留守電を消去します。そして携帯の設定を元にもどして電源を落とし…一瞬伏せ、開かれた目には何か火が灯りかけましたが、まなみの顔を思い浮かべると同時に…)

っ!うぶっ!んぶうううっ!
おええっ!おげえええええっ!

…はぁ…はぁはぁはぁ…
なんで…どうしてよ?どうして邪魔するの!
なんで立ち直らせてくれないのよおっ!
どうして?どうしてええええっ!
(しゅんくんの心配通りなってしまいました。まなみが引き金になって思い出してしまうトラウマ。律子はその場で戻しそうになるのを必死に堪えて、台所に…ひととおり吐くと、その場にうずくまり悔しさで叫んでしまいます。)

…え?さっぽ…ろ?
(さらに日にちはすぎ、まなみからの連絡も、あれから来なくなりました。テレビであれほど騒がれていた律子の休養騒動も、話題の流れに埋もれて流れていき、律子の心を安定させます。
もうこのまま泳ぐ事はできないかも…まなともこのまま…でも…いっそこのまま、普通に、この人の妻として…
それはしゅんくんが望む最良の結果。律子もそれを受け入れようとしています。でも、しゅんくんに向ける笑顔は穏やかすぎて…全てを無くしたように空っぽの笑顔をするようになってきていた律子を見ていると、やはりこれでは解決にならないと思ったのでしょうか?突然札幌旅行を提案されます)

…なに?とつぜん。
あたしならもう大丈夫だよ?
最近は吐く事もなくなってきたし、心が乱されることもめったになくなったから。
…え?結婚前に?もう一回思い出巡りしたいの?
そう…だね?そうしよっか?
(この頃はずっとお守りがわりのようにずっと肌身離さず持っていた、亡き母のブローチ。律子は無意識にぎゅっと握りしめると、まるでその母を亡くした時のような笑顔で見つめ返すのでした…)


「まな?あれから律子には…?」
?りっちゃんに?何もしてないよ?
いいの、今はそれで。それがあの子のためだから…
「っ!なにもって!いいのそれで!
…なんて顔してるの?まな…」
(その頃、唯はまなみを誘ってお茶しにきました。
もちろん唯の耳にも律子のことは入っています。連絡を取ろうと思えば取れるのですが、まなみに固く止められていました。
近況を聞き、驚く唯。笑っているものの、その顔は不安に溢れて今にも崩れそう…唯はそっとまなみを抱きしめると、優しく頭を撫でます。
その唯の胸の中で声を殺して静かに震えるまなみ。
唯は抱きしめたまま、自分にも言い聞かせるように…)

「大丈夫…律子は必ずあなたのとこに戻ってくるわ?ただいま、まな…てね?
まなが一番つらくて苦しいだろうけど…待ちましょう?星野さんに託して…」

【ホントはすぐ神戸に行く予定でした。
玄関まできて呼び鈴鳴らして…
まなみがいる!一瞬瞳に火を灯し、出ようとする律子はしゅんくんに止められて。律子は泣き叫びますが、その声はまなみに届きません。
引き止めるしゅんくんを振り払って、インターフォンの画面を見ると…もうそこにはまなみはいなくて。またズルズルと崩れ落ちる律子を抱きとめ、なだめて寝かせて。
そっと玄関のドアを開けると、まなみはその場でうずくまっていました。必ず会えると信じて…
しゅんくんの辛そうな、そして自分に対する憤りを混ぜたような瞳で察したまなみは、思わず
「律子を返して…」と呟いてしまい、その場で口論に。その中でしゅんくんの本意に気づくと、頭をさげて謝り、律子を託して帰っていき、後日唯と会う流れに…
そんな感じで考えてました。札幌旅行も素敵な結末になりそうなので、今回は全て委ねますね?】

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投稿者:星野瞬一 ◆Nvwi/zPrkY
2021/12/15 21:25:26    (LNIH5QTE)
まなみさんからテレビ見て…といった電話があった後、僕はここでまなみさんから電話あったと、もし律子ちゃんに伝えたら、いつもの様に喜ぶだろうか?否、きっと律子ちゃんなら今の姿を見られたくない!そう思う筈…
だからまなみさんに気づかれたくないと無理してでも会ったに違いない。

そんな事したらその後更に悪化する可能性だってある。
だからせめて律子ちゃんが起きれるくらいに回復するまでまなみさんと会わせない方が良いだろうと、僕は思ってわざと冷たく対応した。

電話に気づいた律子ちゃんが「瞬一…だれ?」とたずねて来て、「なんでもないよ?律子ちゃんはもう少し休んでいた方が良い…」と言って携帯を律子ちゃんから遠ざけて置くと、律子ちゃんに寄り添い、そっと寝かせ頭を撫でた。

ただ…どうすれば、何をすれば、律子ちゃんの抉られた心を治す事が出来るのか?
まだ寝ている時間が長くなる前にバイクの後ろに乗るが出来た時に色々綺麗な景色見せたりして気分を変えようと試みたけれど…駄目だった。

しかしこのままだと、まなみさんが心配して此処に何時来てもおかしくない状況になってしまった。

まさかテレビで取り上げられるとは…改めて律子ちゃんの存在がいかに注目されていたか、わかった。

だからといっていつまでもこんな状態を放置していく訳にもいかないので、僕はひとつかけてみた、律子ちゃんにとって、まなみさんの存在に匹敵する相手…しかしながらその相手は…


僕は数日後、律子ちゃんに「あのさ、律子ちゃん…僕と再び再会出来た札幌に行ってみないか?
もう一度、律子ちゃんのお父さんとお母さんの思い出の地を巡ってみないか?」と聞いた。

今の律子ちゃんには無理かも知れないが、何か回復するひとつのきっかけにならないかと思って、提案してみた。



【まなみさん、前レスをこちらに変えます。】





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投稿者:星野瞬一 ◆Nvwi/zPrkY
2021/12/15 00:33:21    (LNIH5QTE)
あの後、しばらくの間は律子ちゃんは以前と変わりない様に過ごしている様に見えたが…
ある日の夜…
ふと目を覚ますと隣で寝ていた筈の律子ちゃんの姿が見当たらない…
身体を起こし、まさかまた律子ちゃんうなされていたんじゃ…と思いながら周りを見渡すと台所から明かりが漏れていて、お水でも飲みに行っているのかな…と思って少しホッとしてたら、突然激しく咳き込み、吐いている様なので僕は慌てて律子ちゃんの元に駆け寄り背中を擦ってやると「瞬一…ありがと…もう大丈夫だよ?何か、食べ合わせとか…まずかったのかなぁ…」と言う律子ちゃん。

最近うなされて起きる事が増えているということは律子ちゃん自身も気づいていると思うけど、僕に心配かけない様に誤魔化しているのか、それとも本当に気づいていないのか…
僕がどちらか判断出来ずに過ごしていた。

しかし律子ちゃんの状態は良くなる事なく、やがて水泳の泳ぎまで影響が出てきて、久しぶりにゆかりコーチと泳ぐと言って出て行った律子ちゃんだったけど、調子は上がらずコーチに調子の浮き沈みはあるものだから、そんな時は泳ぐのを休んで?と言われて帰ってきた律子ちゃんとその夜、どちらともなく手を繋ぎキスを交わし…
いつもの様に律子ちゃんの身体を丁寧に愛撫して感じさせて、いつもの様にトロトロになったおまんこにおちんちんを突き入れると官能的な声を上げて悶える律子ちゃん。

そしていつもの様に横にして奥まで捩じ込むと「くるしい!でもいいよ!瞬一!もっと深く奥まで!」と僕にしか見せない鳴き方でよがっていて、このところの律子ちゃんの様子がおかしかったのは、僕の杞憂だったか?と思いながら体位をバックに変えて、律子ちゃんお気に入りの潰す様にのしかかろうとすると…

「やだ!離して!」と凄まじい力で僕を押し退けて険しい顔で叫び、布団のシーツを身体に巻いてベッドの端に逃げて怯えた表情を見せた。

そこで初めて、特定の体勢になるのが駄目というのが、わかった気がした。

するとすぐに我に返ったのか済まなそうな顔をして「ご…ごめん瞬一…そんなつもりじゃなかったの…実はあたし…あれから…関根の一件があってから…」と律子ちゃんがポツリポツリと言ってきて、僕は「わかって…いたよ…?」とポツリと答え頭をそっと撫でると律子ちゃんは僕の胸の中に飛び込むと身体を震わせ静かに泣き始めた…
そこで初めて律子ちゃんが自分の身体の異変に気づいた事がわかった。

静かに泣く律子ちゃんを見て、もっと早く僕が対応できたら…律子ちゃんの身体からサインは出ていたのに…何故僕は律子ちゃんをサポート出来なかったのだろう…
そんな事を思いながら律子ちゃんを抱きしめ、「大丈夫、僕がついているから…」と慰めながら言っていた。

しかし自分の身体の異変を自覚してからの律子ちゃんは体調の崩れは早く…
あれから数週間たつ頃にはもう律子ちゃんは寝ている時間の方が長い状態になってしまい、僕はコーチに連絡して「疲れからか、なかなか体調が回復しないので、しばらく休ませて下さい。」とお願いした。

弱々しくなっている律子ちゃんの側に寄り添いながらも仕事も量を減らしながらも続いていた。

そんなある日まなみさんから電話があった。
律子ちゃんが身体の異変を自覚してから、何度かまなみさんに連絡をしたが、何故か連絡がつかなくて、そうするうちにどんどん律子ちゃんの体調は悪くなってしまい…

そんな折りにまなみさんからの電話…「あっ…星野くん?まなです。りっちゃん、今テレビ見て…あの…」と言う声が聞こえて
「あ、まなみさん…こちらは大丈夫だから、もうこれ以上、関わらないで。」と冷たく言って電話を切った。

「瞬一…だれ?」「なんでもない…間違い電話だよ?」と言って律子ちゃんに寄り添いながら携帯を律子ちゃんから遠ざける様に置いて笑顔を見せて「律子ちゃんは何も気にしなくて良いよ?僕が守ってあげるから…」と言った。


きっとまなみさんの事だから今度は私が…って思っているに違いない。
でも…今回ばかりはまなみさんの出番はない。
僕がきっと律子ちゃんを助ける!助ける番だ!こんなふうに律子ちゃんがなった原因の1つはまなみさんにもあるんだから!

だから律子には悪いけど、まなみさんと会わすつもりはない。
これを機会にまなみさんとしばらく離れてもらうよ?
まなみさんと深いとこで繋がっているとは言っても、今回の事は僕が許せない。

そんな律子ちゃんをきっかけはどうあれ、昔の傷を抉り出され、それが今の身体の異変に繋がっているのだから…出来ることなら、まなみさんの事も忘れて、あの事件の事も忘れて、僕だけの律子ちゃんになって欲しい。

いつも律子ちゃんに守ってもらっているまなみには、今の律子ちゃんには会わす事は出来ない!まなみさんさえ人の言葉に耳を傾けてくれさえいれば、律子ちゃんがこんなふうにならずに、きっとオリンピックだって出れたであろう…



【まなみさん、年末だからね?
忙しいのは良くわかります。
僕はちゃんと待ってますよ?】



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投稿者:律子 ◆lhmAJ0ETT2
2021/12/13 17:50:24    (qJBNSFv6)
あああっ!やだっ!やだやだっ!お願いやめて!
まなっ!まなあああっ!
(それからしばらく後のある夜、律子は夢を見ます。それは心と身体に傷を刻みつけられたあの事件…犯され尽くされたまなみはぐったりと倒れ、意識があるのかないのか分からないような虚ろな瞳で、焦点が定まらずどこか遠くを見ているよう。
「次はおまえだ…」先生はそういうと、律子の頭を押さえつけ、お尻を上げさせます。ろくに濡れていないおまんこに、とうてい受け入れられない程の大きさのおちんちんがあてがわれて…)

やだっ!いやいやいやっ!いっ…
うぎいいいいいっ!あっ!ぎゃあああああっ!
っ!うぷっ!んごっ…

…はっ!
…ゆめ…か…
(メラメラメリッ!と音をたてて身体の中に許さない物が入り、その嫌悪感に叫び嘔吐するその瞬間、律子は目を覚まします。息は荒く、布団を握りしめて…隣ではしゅんくんが寝息を立てていました。)

また…この夢…もう何度目?
(律子は起き上がり、水を飲もうと台所に。コップを取ろうとしますが手を滑らせて落としてしまいます。なにげにかがんで手を伸ばしたその時…)

っ!ひっ!な…
んぶっ!げぇぇっ!おごっ!おええええっ!
(瞬間身体中を恐怖が走ります。訳もわからず怯えて身体が硬直し、そのまま流しで激しく吐いてしまい…異変に気づいたしゅんくんが駆け寄ってくれて背中をさすってくれました。)

おっ…げふっ…かはあ…
しゅんいち…ありがと…もう大丈夫だよ?
なんか、食べ合わせとか…まずかったのかなぁ?


「りっちゃん、久しぶりに泳ぐ姿見るけど…飛び込みのフォーム…変じゃない?なんだか…腰が引けてるよ?泳ぎ自体は問題ないんだけど、ターンの時とかも躊躇いみたいなのあって…タイムも良くないなぁ…」
(その日は久しぶりにゆかりと一緒に泳いでいました。泳ぐステージが上がり、ゆかりの手を離れてもやはり師弟。ゆかりは律子の泳ぎの乱れを即座に指摘しました。)

う…うん…なんだか…最近調子悪いの…うまく身体が動かないというか…なんというか…ね…
「そっかぁ…まあ、調子の浮き沈みはあるからね?そんな時は泳ぐのやめて、だんなさんに癒やして貰えばぁ?」
…うわぁ…ゆかりさん、やらしい顔してる。オジサンみたいよ?それに、まだ旦那さんじゃ…
「何言ってんの!もう確定でしょ?この幸せ者がぁっ!」
(そうだよね…ちょっと頭を切り替えてみようか…
その時はそんな軽い気持ちでした。そしてその夜、どちらともなしに手を繋ぎ、キスをして…)

んっ…あっ…はああっ…あ…ああぁ…
ひあうっ!そんなっ!クチュクチュって!やだあっ!
…んっ!おあっ!んおおおおっ!
(丁寧に愛撫されて、おまんこをトロトロにさせられます。お尻までびちょびちょにされる頃、しゅんくんのおちんちんに貫かれ、官能的な律子に切り替わります。どちゅんどちゅん!と突かれるたびにビクンビクン!と反応して、湧き上がる声を口を押さえて必死に堪えます。ですが、奥まで捩じ込まれると抵抗できなくなり、シーツを握りしめて叫び…)

おあああああっ!あぎっ!おおおおあっ!
くるしいっ!でもいいよおっ!しゅんいち!もっと深く!おくまでぇっ!
ひあああああっ!おっ!おっ!おっ!んあおおおっ!
(いつものように横にされると、さらに奥にねじ込まれます。いつもと変わらず、彼にしか見せない鳴き方で律子はよがり、求めます。しゅんくんも、この所の心配も杞憂なのか?と思いつつ体位をバックにかえて、律子お気に入りの潰すようにのしかかった時でした…)

あおっ!んっ…あああっ!やだっ!はなしてっ!
(のしかかられた瞬間、律子は人間が一瞬出せる物凄い力でしゅんくんから逃れると、険しい顔で叫びます。布団を身体にまきつけてベッドの端に逃げて怯えた表情を見せて…が、すぐに我に返るようにすまなさそうな顔をします)

ご…ごめんしゅんいち…そんな…そんなつもりじゃなかったの…
実はあたし…あれから…関根の一件があってから…何かおかしいんだ…うま…うまく…からだが…動かなかった…り…泳げなく…なっちゃって…たり…
(わかってた…その一言だけを言われると、たまらなくなり、律子はしゅんくんにとびこみ、胸の中で静かに泣きます。自分の身体の異変を自覚して、見えない出口を探すように震えて…
そしてそれから数週間後です…)

「りっちゃん…あれから連絡ないけど、元気かなぁ?…あ、もう!ゆりなったらテレビつけっぱなし……え?」
『速報です。たったいま発表があった模様ですが、オリンピック候補に名があがっていた、水泳の竹田律子が、活動休止するとの情報が入ってきました。期間などの詳細は明らかになっておりません。
くりかえします…』
「な…どういう…こと?とにかくりっちゃん!」
(ある日の夜、まなみは律子の心配をしながら夕飯の片付けを済ませて、リビングにつけっぱなしのテレビを消そうとリモコンに手をかけます。夜のニュースが始まり、その中で律子の活動休止の速報が…
まなみは慌てて律子に電話をかけます)

「…あ、星野くん?まなです。
りっちゃん、今テレビ見て…あの…
…え?大丈夫だから…関わらないでって…
あのっ!ほしのく…あっ…」
(いつもなら優しく、律子に変わりますね?って言ってくれていたしゅんくんが、わざとまなみを遠ざけるように冷たく「関わらないで」と言うと、何も言わずに電話を切ります。そしてそのまま電源を落として。)

…しゅんいち?だれ?
(自覚してから体調の崩れは早く、砂の城が崩れるように、今の律子は寝ている時間の方が長くなってしまっていました。しゅんくんはなんでもないよ?というと、携帯を律子から遠ざけるように置いて、律子のそばに寄り添います)

「なんだろう…星野くん、おかしい…
でも、りっちゃんが弱ってるのは確かだ…
今度はまなが…まながあの子を助ける番だよね…」
(携帯を胸にしっかりと抱きしめて、まなみは決意を固め始めました。)

【お待たせです。ここんとこ忙しくて…】
110
投稿者:ゆうすけ ◆Nvwi/zPrkY
2021/12/07 18:20:27    (PEcjkA00)
唯さんらと話をしている傍らで、さやかとゆきさんがまなみと律子に…
「はい、これ。まなちゃんとりっちゃんに…」
「これって…」「そっ、姫とは一緒に卒業できなかったでしょ?だからのんちゃんと高田に相談して、声かけるだけかけたみんなに、寄せ書きを書いてもらったの。
で、りっちゃんの方はこれからの活躍に期待を込めて、頑張れ王子様バージョンで書いてもらったんだ。」「のんちゃん…さやちゃん…ありがとう…」と涙ぐむまなみに対し「泣くのはまだ早いよ、姫?真ん中の下、1人分空いているでしょ?」「さやか、もしかして…」「りっちゃん正解。2人それぞれに最後ひと枡書いてくれたら完成なの。」と言って色紙を差し出すさやか。
「ええ?りっちゃんの目の前でって…恥ずかしいよ。」「あたしもちょっと書きずらい…かなぁ…」「じゃあお互い背中合わせでね?」「のんちゃんまで…そこまで言うなら…ね?りっちゃん…」「そう…だね…」「そうだよ?せっかくこんなふうにクラスの主要メンバーが顔を揃える機会何てなかなかないんだし…」と高田君まで言って薦めてきて。
まなみと律子は背中合わせで互いの寄せ書きに向かい合って、考えているうちに背中が合わさり、どちらともなくもたれかかり…互いの事を想いながら考え、2人同時に書き始めるので、ここまで阿吽の呼吸で書き始められるものなのか?と感心しながら見ていると…

「できた!」「あたしも…」「じゃあお互いに渡してあげて?」
「…まな、卒業、おめでとう…」「りっちゃん…これからもよろしくね?」と言って互いの想いを読む2人。
先に泣きだした律子を心配したしゅんくんが肩を抱くと律子はしゅんくんの胸の中で静かに泣く律子。
そこには『あなたが見ている空は、どんな空ですか?
宮島まなみ』と一言書かれてあった。
僕は以前、律子からまなみとの出会いを聞いた事を思い出し…教室の窓からいつも見上げていた空、このまま消えてしまいたい。そう思って見ていた空がまなみと出会い、気持ちを重ね、あの事件の後、一時期離れていても心はずっと繋がっていて…見上げる空は離れていても同じ空。
そして今はただ前に進む為に見上げる空…

「まな…反則だよ…宮島の名でなんて…」
「えへ…へ…りっちゃん…りっちゃん…」とこらえきれず涙を流すまなみ。

僕もそんなまなみの傍らにそっと座り、優しく手を握りまなみの方に書かれていたのをみんなで見てみると『いつまでも、あなたの王子でいさせて下さいね?
星野律子。』とあった。
あえて星野と書いた律子に「えっ?」としゅんくんが驚いていると「いいでしょ?」と呟き微笑む律子。

「いや…まぁ、悪くはないけど…」としゅんくんが嬉しいような、でも記念の色紙にまなさんはわざと宮島と旧姓で書いたのに律子ちゃんが…と困惑の色を見せていたが、まなみさんは小学生の頃の律子に向けて、でも律子ちゃんはこれから先に向けて…と思ったら納得できて微笑み返した。

すると2人はどちらともなく抱き合い、泣き合っていた。
やはり2人は特別な絆で結ばれているんだな、僕にはそんな相手、まなみ以外いないから…羨ましい…そう思って僕は見ていた。

その様子を見ていた美由紀が「いいなぁ…アタシにも…できるかな?」と呟く。
「…美由紀しだいだよ?…ただあの2人は根っ子のふかぁいところで繋がっているから、特別なんだけどね?」と唯が答える様に言った後…

「いいわねぇ?羨ましい…私も可愛い妹達の同期会に混ぜてもらうね?」と言ってまなみに抱きつくと「…ゆいちゃん?酔ってる?…ああ!こんなに飲んじゃって!」と唯の座っていた席に転がる空いたコップを見て言ったけど、唯がまなみの胸とか脇を擽る様に触り「や…ちょっと…変なとこ触んない…でよぉ!」と身体をくねらしながら抗議するまなみ…

「唯さん、いくらお世話になったとは言え、まなみは僕のモノだから…」と僕がまなみを唯さんの手から放す様に抱きよせたりしているうちに大将も美由紀さんも加わり、笑いの絶えない楽しいひとときを過ごした。

そして…宴もたけなわになり「それじゃあ、またね、まな…みんな」「うん、りっちゃんも頑張ってね!」と大将の車に乗ったりっちゃんとしゅんくんを見送った。


瞬一

律子ちゃんと駅に着くと新幹線ホームで新幹線を待っていると律子ちゃんが「…瞬一?今日ずっと浮かない顔してたけど、どうしたの?」と下から覗き込んで聞いてきた時、律子ちゃんが持っていたペットボトルを落としてしまい
「あ…落としちゃった…」と言って律子ちゃんがわざわざしゃがんで拾った。
手を伸ばせば届く距離なのに…しかも一瞬、躊躇う様子をみせて…
「…そんな事ないよ…」と言いかけた時だっただけに僕は言葉を一瞬失ってしまった。

やはりまだ抉られた心の傷は治っていなかった…みんなの前では、特にまなさんの前では平気なふりをしていたのだろう…
まさか律子ちゃん、自分でも抉られた傷に気づいていないのか?
それはないだろう…でも今日のみんなと過ごした時間、特にまなさんといる時はそんなふうに見えなかったのも確か…と色々思ったけど
「そんな浮かない顔してたかなぁ?自分じゃ良くわからないよ?」と言ってとりあえずこの場は誤魔化してみることにした。


【お待たせしました、まなみさん。
自分で感じた違和感ながらこの先どうりっちゃんを癒して行くか…悩んでいます。】


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投稿者:まなみ ◆8wwUsyplVU
2021/12/04 16:28:49    (sesO6r/0)
「はい、これ。まなちゃんとりっちゃんに…」
…これって…
「そ、姫とは一緒に卒業できなかったでしょ?だから紀子と高田に相談して、声かけられるだけかけたみんなに、寄書き書いてもらったの。
で、りっちゃんの方はこれからの活躍に期待をこめて、がんばれ王子様バージョンで書いてもらったんだ」
のんちゃん…さやちゃん…ありがとう…
「泣くのはまだ早いよ、姫?
ちょうど真ん中の下、1人分空いてるでしょ?」
「さやか、もしかして…」
「りっちゃん正解。2人それぞれに最後ヒトマス書いてくれたら完成なの。」
ええ?りっちゃんの目の前でって…恥ずかしいよ。
「あたしも…ちょっと書きづらい…かなぁ…」
「じゃあお互い背中合わせで…ね?」
ゆきちゃんまで…そこまで言うなら…ね?りっちゃん…
「そうだ…ね?」
(全員に絆されて、まなみと律子は背中合わせでそれぞれの寄せ書きに向かいます。考えているうちに2人の背中が合わさり、どちらともなしにもたれかかり…お互いのことを想いながら考え、そして2人一緒に書き始めました。)
…できた!
「あたしも…」
「じゃあお互いに渡してあげて?」

「…まな、卒業、おめでとう…」
りっちゃん…これからもよろしくね?
(お互いの想いを読み、2人とも目頭を熱くさせます。先に泣き出したのは律子。その様子を心配したしゅんくんに肩を抱かれて、胸の中で静かに泣きます。そこに書かれていたのはただ一言…

『あなたが今見ている空は、どんな空ですか? 宮島まなみ』

…まなみと知り合う前までは、どこかに消えてしまいたくて見ていた空。まなみと知り合い、気持ちを重ね、だんだんと同じ空でも見方が変わってきました。今はただ…前に進むために…)

「まな…反則だよこんな…宮島の名前でなんて…」
えへ…へ…ぐすっ…りっちゃん…りっちゃぁん…
(堪え切れずにまなみも涙をこぼします。そんなまなみの方には…

『いつまでも…あなたの王子でいさせてくださいね? 星野律子』

…まなみと知り合い世界が広がった律子。気がつくといつもまなみを目で追っていました。誰にでも優しく、明るく笑うまなみ。他人との距離が近くてどこか危なっかしいまなみを、自然と守りたいと心に決めて。お互いそれぞれに幸せな家庭を見つけても、やはり律子にとってまなみは一生かけて守りたい大事な姫。それを今回の事で余計に実感したようです。迷いのない優しい字、そして律子の方はあえて星野の名前を使い…みんなで見ていて「えっ?」と驚くしゅんくんに、「いいでしょ?」とつぶやいて笑います。
2人はどちらともなしに抱き合い、泣き合います。
それはその場の全員を暖かくさせる歓喜の涙。)

「いいなぁ…アタシにも…できるかな?」
「…みゆきしだいだよ?ただあの2人は、根っこのふかぁいところで繋がってるから、特別なんだけどね?」
「いいわねぇ?羨ましい…私も、可愛い妹たちの同期会に混ぜてもらうわ?」
…ゆいちゃん?…酔ってる?
ああ!もうこんなに飲んじゃって!や…ちょっ…変なとこ触んない…でよぉ…もうっ!
(そこからは全員入り混じっての楽しい騒ぎになりました。大将もみゆきも心から笑い、そんな楽しい時間はあっという間にすぎて…)

「それじゃあ、またね、まな…みんな」
うん、りっちゃんもがんばってね!
(宴たけなわとなり、解散になりました。律子たちはそのまま神戸への帰途につきます。駅まで大将に送ってもらい、ホームで電車を待っていると)

「…しゅんいち?今日ずっと浮かない顔してたけど、どうしたの?」
(下から覗き込んで律子は聞きます。その時持っていたペットボトルを落としてしまい…)

「…あ、落としちゃった。…っしょ…と…」
(そのまま手を伸ばせば届くのに、律子はわざわざしゃがんで拾います。しかも一瞬の躊躇いの動きがあった事を、しゅんくんは見逃しませんでした)

【おまたせです。
結婚式を前に、しゅんくんの憂いの通り抉られた心の傷が癒え切らないりっちゃんはスランプに陥ります。先端よりも、前のめり等でお尻が頭より高い位置になると無意識で反応してしまっているのです。
これが水泳に響いてしまって…
でもちゃんとしゅんくんに癒してもらって調子を戻して、そして式にいきたいです!】

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