私は父を高校二年の時に亡くしました。その後母は半年も経たずに他の男の人と一緒になりました。父の死亡後半年を過ぎていないために籍は入れられなかったのです。 当然私は母に連れられて、見ず知らずの男の人のお世話になりました。 「さあ、今日からこの人がお前の新しいお父さんだからね。」 母はそう言いましたが、私は未だ亡くなったお父さんの事を忘れる事など出来ず、只々下を向いていました。 「薫ちゃんと言ったかな?無理してお父さんだと思わなくていいから、お母さんの再婚相手だと思っていていいから。ゆっくりと家族になりましょう。」 母から紹介された男の人は優しく言いました。 「はい。宜しくお願いします。」 私はぺこりと頭を下げました。内心は「いつまで経ってもお父さんとは呼べないだろうな」と思っていました。 男の人の家に引っ越してから毎晩の要に私はあの時の母の喘ぎ声を聞かされる様になりました。母親の事を本心軽蔑しました。父を亡くして未だ半年も経っていないのに、 他の男の人に抱かれて嫌らしい喘ぎ声を発する母を軽蔑しました。 男の人の家に越して来てから二ヶ月経った時でした。その日学校は創立記念日でお休みでした。部屋に一人いると、男の人(養父)と呼ばなければいけなかったのでしょ うが、どうしても私にはいつまで経っても「男の人」でしかありませんでした。 「何か御用ですか?」 そう聞く私に男の人は、 「未だお父さんと呼んでは貰えないんだね。」 と少し寂し気に言いました。私は黙ったまま男の人を注視していました。 「まあ、別にお父さんと呼んで貰えなくとも私はいいんだけれど。」 そう言うと、男の人は急に私に抱きついて来たのでした。そのままの勢いで私たちは畳の上に倒れこみました。 「きゃっ!何するんですか?」 そう言うと、 「お前がいつまでも私の事を父親だと思わないのなら、こっちだってそう言う態度で臨むしかないだろう!」 私の身体の上に覆い被さる様な態勢になった男の人の手が、ブラウスの上から私の胸をワシ掴みにして来ました。更に私の唇まで奪おうとして来たのでした。 「止めて下さい。お母さん!」 母に助けを呼ぶと、 「お前の母さんなら買い物に行ってるよ。この家にいるのは、お前と私の二人だけだ。静かにするんだな。」 男の手が私のブラウスのボタンを外しに掛かりました。 「嫌!嫌だったら。止めて!」 私は必死に抵抗しました。その時です。突然部屋のドアが開きました。買い物に行っている筈の母が現れたのでした。 「お前。ずいぶんと早かったじゃないか。」 男の人は慌てた素振りで母を見たのでした。 「お母さん助けて!」 私が助けを求めると、この部屋で何が起こっているのか、察しが付いたようでした。でも、信じられない事が起きたのです。母は私達二人を見ると踵を返すように部屋の 外に出て行ったのです。「バタン」と閉まったドアが全てを物語っていました。私は母に見捨てられたのでした。その様子を観た男は勝ち誇った様に私に言いました。 「お前の母さんは、二人が男女の仲になってもいいらしいな。」 「そんな。お母さん!」 私は再び母を呼びましたがそれきり母は姿を現しませんでした。 「お前の母さんが黙認して呉れたんだ。諦めるんだな!」 身体から力が抜けた私の身ぐるみ剥がすのは、力強い男にとって容易い事でした。私が何一つ纏わない生まれたままの姿になるのに、そう時間は掛かりませんでした。 裸になった私を男(最早男の人でも無くなりました)が、猟で捕えた獲物の様に弄んだのでした。未だ「処女」だった私の貞操は本来なら父親になる筈だった男奪われて しまったのでした。 その日を境に男はことある事に私の身体を求めてきました。その事を母に相談しようとしても、はぐらかされてしまいます。どうやらその事で男と争う事を避け自分の 保身だけに走っているよう見えました。仕方の無い事かも知れません。父の生前にも御嬢さん育ちの母は働いた事が無く、いま男に捨てられてしまっては生きていけない でしょう。でも、その為に実の娘である私を男の人身御供にするとは・・・。 あの日から三年が経ちました。いま私達は四人暮らしです。新しく二歳の男の子が家族に加わりました。そうです。二歳になる男の子は私と男の人(養父)の間に産ま れた子供でした。母はお婆ちゃんになったのでした。子供を産んだ事で母と私の立場は逆転して、今では私が第一夫人。母は第二夫人に成り下がってしまったのです。 でも私にとっては大事な母親です。私は最早母を恨む事無く、四人家族として仲良く暮らしています。