もう、去年だね。 新宿で「立ちんぼが増えてる」って話題になってた頃、 私もちょっとだけ気になってしまって。 どうせ誰にも声なんてかからないだろうけど、 一度くらいは…って。 黒のジャケットに、レザーのショートパンツ。 黒のパンストにハイヒール。 少しだけ強気にまとめてみた。 職安通りから路地に入ったあたり。 時間は夜9時くらいだったと思う。 大久保公園を一周したりしながら、2、3時間くらい立ってたかな。 視線は感じる。 でも、みんな若い純女の子ばかり見てる。 中年の女装なんて、やっぱり相手にされないよね。 「何やってるんだろ、私」 そう思って、苦笑いしながら帰りの駅のほうへ歩き出した。 西武新宿駅の脇あたりに差し掛かったところ、 声をかけられたのはその時。 「お姉さん」 呼ばれて、少しドキッとして振り向いた。 40歳くらいの、普通の男の人。 嫌な感じはしなかった。 「俺、女装の人、好きで…」 少し迷ったけど、断る理由もなくて。 そのまま一緒にホテルへ行った。 彼の裸を見た瞬間。 「えっ、すごい...」 カリ高で太くって 気が付いたら彼の足元に膝まづいていた。 お里が知れるってこういうことだよね。 一生懸命、綺麗な恰好でまとめてみてもこういうところで本性が出ちゃう。 袋から竿へゆっくりと舐めあげていって 時折上目づかいで精いっぱいの媚を売って。 ショートケーキのいちごみたいにごほうびの亀頭は最後に残すように 「チンポ好きなの?」 「うん、大好き」 「じぁ、後ろ向いて」 ゆっくり挿入されて、 そしてバックでピストン。 恥ずかしくて、でも気持ちよくって喘ぎまくっちゃって そして、メスイキしちゃった。 同時に彼も私の中で。 終わったあと、彼は 「気持ちよかったよ」 そう言って、ホテル代を枕元に置いて部屋から出ていった。 扉が閉まっても私はしばらく動けなかった。 身体がほてって頭がぼんやりしていて。 天井を見上げて、ただ、静かな幸福感に包まれていた。 あの夜だけは、 女装でも、若い純女の人たちと少しだけ肩を並べられた気がした。