2018/01/15 17:23:24
(uFjYuwn8)
長い間 お付き合いありがとうございます。
かおるさんが 41歳になり 私は 22歳
このまま 漠然と同棲を続けていくんだろうなぁ
と 呑気な自分でした。
3年半程経ったある日
『和君は 私の事 好き?』
『うん なんなの急に?』
『………………』
『 どーしたの? 』
『………………………こんな おばさんでも?』
『嫌じゃないの?』
『もし 私が和君の 子供が欲しいって 言ったら
どーする?』
えっ 『…………………』
長い沈黙の後
『冗談よ 冗談 何困った顔してるのよ』
『ごめんね 和君 困らせるような事言って』
別に かおるさんとの間に子供が出来る事が
嫌だった訳では無く
思い詰めた かおるさんの顔が 重く悲しそうで
返事が出来なかっただけ だった。
22歳の自分には その重さを受け止める自身が無かった
何と言っていいのか 気不味い空気を払いのけるように
かおるさんは 『私 馬鹿ね 和君を困らせて…
和君が何処かへ行きそうな気がして 凄く不安になるの』
『私 今すごく幸せ でもこんな幸せずっと続かないってわかってるのに… 怖いの いつ和君から 別れようって言われるか 怖いの
和君の人生 駄目になる前に 別れなければってわかってるのに
一人になるのが 怖いからじゃ無く 和君と会えなくなる そんな生活
想像すると 押し潰されそうになるの だから もし私に子供が出来て
結婚すれば ずっと ずっと和さんと暮らせるって………』
『なんで 私はこんなに歳をとってるんだろう…』
『なんで もっと若い時に和君と出会え無かったのか』
『毎日 そんな事ばっかり考えるようになって…』
『ばーか かおるさんが 20歳の時に出会ってたら
俺 赤ちゃんだよ』
『もぉ~ わかってるよ そんな事 馬鹿』
『でも わかってても そんな事 考えてしまうのって事よ』
それから 二人は 子供が出来たら 小学生に入学の時は
何才になってるとか 中学生になったら 何才だとか
そんな 話しをしながら 寝た
朝起きると テーブルの上には いつものように
卵焼きとおにぎりが置いてあった
手紙も何にも無く 自分は少しホッとした
もしかして かおるさん 朝になったら居なくなってるかもと
少し 心配していたから
よかった よかった 考え過ぎだよな
そんな事を思いながら おにぎりを食べていると