2016/04/15 11:12:49
(CqFgPr36)
2ヶ月後、しおりさんはお店を辞めました。次の仕事探しも全然慌ててなくて、しばらくはゆっくり過ごすようです。
そんな彼女は夜の7時になると、決まってメールを僕に送ります。「いいよ。」「ダメ~。」のどちらかが書いてあります。
息子の大平が帰ってくる日、それとしおりさん自身の生理の日、まあ他にもありますが、これから彼女の家に行っていいか悪いかの確認メールです。
だいたいは「いいよ。」メールで、毎日のように彼女の家で過ごすことになります。更に、僕の家族にもウソをつきます。
「これから県外の仕事になるわ。通うつもりだけど、帰れそうもない時は向こうのホテルで泊まるわぁ。ホテルは会社が用意してくれるから。」と。
そんな二人の生活が始まりました。帰ると(行くとかな?)、夕食が用意されてて、一緒に食べます。お風呂は別々で、出ると居間で二人で時間を過ごす。
彼女が小さな子供を相手にするように僕を可愛がり、ジャレながら段々と本気モードになって、寝室に向かいベッドイン。そのまま、一回戦。
そのあと眠りにつき、どちらかが目を覚まさなければ朝まで就寝。目を覚ませば、明け方に2回戦目が行われる可能性が高い。そんな生活です。
憧れた生活でした。彼女にいろんな女性の姿を見てしまいます。彼女、妻、母親、姉、時には子供のようにも甘えて来ます。
そんな憧れた生活が始まり、僅か2日目に事件が起こります。その日は土曜日で休みの僕、夕方には彼女の家に泊まりに来ていました。
着いて、すぐに彼女をベッドに誘いました。「まだ早いかな?」とも思ったのですが、この日の彼女は乗り気でした。
この日の彼女は積極的でした。かなり激しかった。主導権を一切渡してくれない。ずっと、僕の上に乗ったままでした。
騎乗位の彼女は、「アァ~…気持ちいい!アァ~…気持ちいい!」と自分の腰をコントロールしながら、振り続けています。
そんな時でした。『えっ!?うそっ!』と彼女の動きが止まり、ベッドを下ります。携帯を覗き込み、「来てるわぁ!」と慌てます。
「なにごと?」と思い、彼女を見ていました。彼女は急いで着替えを始め、僕に言います。「ヒロキ、帰って来た。」と。
「ここでいて!」と急いで部屋を出て、階段を掛け降りて玄関に走りました。一人残された僕は、物音も立てずに、服を着ます。
すぐに玄関が開き、「ただいま。」「おかえり~。」の母と息子の挨拶が交わされています。もう、何年も会ってない大平がそこにいるのです。
そのまま、居間にいったのでしょう、静かになります。もちろん、それでも動けません。一階なら、窓から脱け出すことも出来ますが、ここは2階です。
1時間近く、一人にされました。無駄なのことは分かっていますが、その間は部屋の隅でジッとしていました。
しばらくして、ドアが開きました。恐る恐る見ると、しおりさんが立っていました。安心します。彼女は僕の靴を持っていました。
「危なぁ~。セ~フ。」と言い、靴を僕に渡します。「あの子、私の部屋には入って来ないから。大丈夫。」と安心させてくれます。
「さて、どうやって脱出するか?」、僕はそればかり考えていました。ところがしおりさんは違いました。
「なんか、楽しいねぇ。」
「はあ?やばいでしょ。」
「ううん、面白いわぁ~。なんかワクワクするし。」
「ほんき?」
「君といると、ほんとバカばっかりやねぇ?」
「なんでもいいけど、どうするの?」
「居たら、いいやん。帰るの?」
「帰らんの?」
「まだ途中だし…。」
「いやいや、そんな問題じゃないでしょ。」
「帰りたい?」
「ん~…、しおりさんに任せるわ。」
「ならダメ。今日、男の子の日なのよねぇ、私。」
と、結局はそんな理由で残ることになりました。ちなみに「男の子の日」とは、月に何度かしおりさんが男が欲しくなる日があると言います。
生理の日を「女の子の日」と呼ぶので、それに引っ掛けた言葉だと思います。
さて、長い夜になりそうです。