俺と史奈(ふみな38)は結婚10年目の夫婦です。
ですが俺はけっして10年の結婚生活でいい旦那でありいい父親であった訳ではありません。
それに気がついたのは昨年の出来事でした。
それまでの俺は仕事はする。金も稼ぐ。ちゃんと生活費も入れる。それだけは最低限やってました。
ですが休日になれば趣味のバイク弄りをしたり友人と飲みに行ったり、この10年間、家庭の仕事は全て妻の史奈に任せっきりで俺はおごがましくも家父長として家庭に君臨していたのです。
史奈も「少しは家の事手伝ってよ!大変なんだから!」と何度も言ってました。ですが俺は、「俺は朝から夜まで仕事してんだろ?自分のやるべき義務は果たした上で休んでるんだよ!そっちこそなんでもかんでも後回しにして先送りにしてるから今になってしんどいのだろ?やりかた変えろって!ほんとにお前って頭わるいよな!」と言ってました。
すると史奈は「子供の世話だっ、、」「子供のせいにするな!子供はお前の怠惰の免罪符じゃなねぇ!!」と酔った勢いで怒鳴った事もありました。
そんな口論をしたある日、、、
俺が家に帰ると家がシーンとしているのです。
最初は(昨日言いすぎたから実家にでも行きやがったか?金曜だしな。日曜日になれば帰ってくるだろ)と思ってました。
ですが日曜日の19時になっても帰ってきません。
LINEをしてみると既読すらつきません。
妙に胸騒ぎがし不安になってきたのです。
そしてLINEに「警察いくぞ?」だけを短く打ちました。この狙いはLINEを広げたら既読がつきますが、短く文章なら通知だけで読み取れると思ったからです。
すると、、、22時頃になって電話があったのです。
男「毅さんですね」
毅「はい、そうですけど?おたくは?」
山﨑「やまさきといいます」
毅「山﨑さん?史奈の電話番号ですけど?どういったご関係?」
山﨑「知人ですかね」
毅「その知人さんが何のようですか?」
山﨑「史奈さんですが、非常にあなたのことを恐れていて私が庇護しています。お子様も安全です」
毅「だから、さっきから言ってる事がわかんないんだけど?オタクは何なの?史奈は?」
毅「今は無事であるとだけお伝えします。ですが直接会話することは今は出来ません」
毅「だから、オタクは何者なの?なんで俺たち夫婦の関係に割って入ってくるの?」
山﨑「夫婦、、、ですか。その夫婦の関係を終わらせたいと史奈さんが望んでおられてましてね」
毅「は?意味わからんこと抜かしてんじゃねーよ。史奈に代われよ。それに明日、子供も学校だろうが」
山﨑「お子様に関してはしばらく学校は休ませる方針です」
毅「休ませるにしても理由だとか連絡とかあるだろうが」
山﨑「その点はこちらでやりますので。ただ警察に捜索願とか出しても意味はないですよとお伝えしようかと」
毅「じゃ、何?あとはオタクが俺たちの関係の間に入って調停するって?」
山﨑「はい。そのつもりです。ですが今日は遅いし私も明日は早いので今夜はこれくらいにしましょう。ともかく奥さま、お子さんは無事ですから。その点はご安心下さい」
毅「明日また連絡してこいよ。明日が早いのは俺も同じだから」
こうして第一回の電話はきったのでした。
史奈と子供は山﨑なる男の場所にいる。
夫婦子供はしばらく学校を休むらしい。
この段階では俺は怒りで腸が煮えくり帰っていた。そして深夜になればなるほど不安にもなってきた。
結果、、翌朝になってアイロンのかかってないワイシャツ、ズボンを見て会社に行く気を無くしてしまう。
俺はとりあえずその日、仕事を休んだのだった。
2026/10/09 02:52:23
(jg/io4PK)