2026/04/12 22:02:19
(EO6G4J7/)
ーーーーー居酒屋 酔いどれ酒場(笑)ーーーーー
海斗の身代わりで、宙斗が入店すると、怪訝な顔をしながら名前を呼ぼうとする大将のサカモト。
やはり外観がそっくりでも、二人と付き合いの深い人間が見れば、ちょっとした仕草等で即座に違いは分かってしまうらしい。
宙斗は急いでサカモトを指で制して、莉奈の待つ座敷の引き戸を開ける。
その音に反応して莉奈が笑みを浮かべて振り向く。
「(莉奈ちゃん可愛いよな。やはり海斗なんかには勿体ないな。ランドでは手繋ぎとキスだけで止めといたけど、俺の女になるべき女だな。)莉奈ちゃんごめんごめん、放り出しちゃって。誘ったのにこれじゃだめだよね。」
そう言った時に大将のサカモトが
「海ちゃん、ビールどうする?温くなっちゃたろ。」
と引き戸を開けながら声をかけ、分かってるからといった感じで、宙斗に軽くウインクを送って来る。
「じゃあ、冷えてるのに変えて貰おうかな。」
「いやいや変えてもらうって、お題はちゃんと、貰うよ(笑)」
「なんだよ、サービスじゃないのか(笑)、じゃあ、生一杯ね。」
そう言いながら、割られていない割り箸を割って、お通しの煮しめの人参に手を伸ばし口に放り込む宙斗。
その様子を【えっ?】ッという感じで莉奈が、【あっ!】っという感じでサカモトが見るが時すでに遅し。
宙斗を違った表情で凝視している莉奈とサカモトに、
「大将美味いよ、このお煮しめ。今度作り方教えてよ。」
と言った後、二人の表情に気が付き
「二人ともどうしたの?俺の顔に何かついてる?」
と。
「いやっ、何も。」
と一言言い残して、キッチンに戻っていくサカモトと、吃驚した表情が猜疑の表情に変わって来る莉奈。
「(どうした?俺何かやっちゃた?)」
いくら考えても分からない宙斗。それはそうだろう食べ物の好みまでは把握し合っていないのだから。
「やっぱりこんなとこまで来てもらって、疲れちゃったかな。莉奈ちゃんの家に近い方に移動しようか。」
そう言って、伝票を掴み席を立つ宙斗。