2022/04/27 18:04:57
(lrNb3BpW)
【答えだしてくれてありがとう。あとは大丈夫…】
あ…あぅ…んひ…ひっ!ひくっ!
(このまま、まなみとして健二くんが入ってきていたら、大事な何かを失うところでした。抱かれた胸の中で静かに紀子は泣きます。健二くんのまなみへの想いはとっくに区切りをつけていたんだ…そう思うと…)
よ…よかった…よかった…
あのまま…まなちゃんとして抱かれてたら…のん…ホントのまなちゃんを嫌いになるところだった…
現実でも…想いの中でも…けんじの視線の先にはあの子がいて…嫌な気持ちがグルグル渦巻いて…
さっき出してくれたけんじの…すごく苦かった…
のん!いま胸がくるしいよ!せつないよ!つらいよ!
(けんじくんの胸の中で、だんだんと感情が昂る紀子は、抱かれながらけんじくんを見上げます。)
わたしの中の忌々しいあの子への醜い感情は、どう精算したらいいの!?会う度にわたしのけんじの気持ちを連れ去っていくあの子の幻影をどう消したらいい?
わたしは…わたしは…あなたを好きな気持ちは…誰よりも長いのよ!ずっとずっと!あなたの影であなたの背中をずっと見惚れてた!
もう覚えてないだろうけど…「おまえを守ってやる!」って言ってくれたあの日!わたしはあなたしか見えなくなったの!それなのに!それなのにぃっ!
(紀子自身収拾がつかなくなっています。やはりわたしはあの子のように、心を広く優しく深く持てない…みて!わたしだけをみつめて!そうでないと…どんどん醜くなっていくの…あなたの素敵な恋の思い出も…汚してしまうの…
項垂れて胸元に涙の雫を何滴も落とします。もう…わたし…ダメだ…「ごめんね、けんじ…別れよ?」と言おうとした瞬間、肩を強く掴まれます。)
「紀子!俺を見ろっ!」
(はっ!として言葉を飲み込み、目を丸くさせてけんじくんを見つめます。ものすごく真剣な顔…見れない…また目を逸らそうとすると)
「のりこっ!」
(強く名前を呼ばれ、またその瞳に吸い寄せられます紀子はその目を見据えたまま、ボロボロ泣き出します)
や…やっぱり、わたしむりだよぉ…
まなちゃんを好きな気持ちごと…包んであげられない…
「それでいいんだ」
いつもずっとわたしだけを見てって!
他の女になんて目もくれないで!って、叫ぶわたしがいる…醜い嫌なわたしがいる!
「…誰にだってあるだろ?我慢するなよ!」
もうわたし!子供の頃からのように、あなたの影からあなたを見ていたくない!あなたの隣に立って!死ぬまでずっと!あなただけを見ていたいの!
「気付くのが遅くなってすまなかったな…もっと早くとなりにこれば…」
できるわけないでしょ!あんな…綺麗で…悲しい目をしながら…あの子を見つめるあの頃のあなたの…あなたの隣に…行けなかったの…
…ねえ、けんじ?残酷な我儘、言っていい?
(心の葛藤をすべて吐き出して、何もない真っ白な状態になった紀子。泣きながら微笑みかけ…そして…)
…あなたの中の…あのこを…まなみを…今ここで消して?置いていって…
けんじのなかのまなみがいなくなれば…わたしは嫉妬も憎しみに近い嫌な感情を置いていける。
自分勝手だってわかってる…誰かに聞かれたら、何様だって…言われるでしょうね?
でも、こうしなければわたしは…あなたも…まなみも…今後見れなくなる…だからお願い…
ふたりで…一緒に区切りをつけさせて…なによりも愛してる人の横に立てない…大好きな友達を憎まなければいられないこの感情を…忘れさせてよ…
おねがい…もう…わたしだけしか…見ないで?
(喜怒哀楽、全てを内包したなんとも言えない表情で、涙を零しながら紀子は本当の自分の心の内を告白します。まっすぐけんじくんの目だけを見つめて…)
【もしかしたら拒否されるかも…それでも、のんちゃんとして、まなちゃんとの心の区切りをつける答えは見つけました。本心見られたがりだったな…とは、いま思い出した、あたしがこの子にあげた性格。おねがい、けんじくん…どうか応えて!】