2025/06/07 19:56:21
(kvz71Aoc)
行きつけのbarで言葉を交わして以来、
君との関係も一年になるのね。
バーボンのロックグラスをカラカラと鳴らし、
ピンライトの灯るカウンターで文庫に視線を落とす横顔。
素敵....。
思わず飲み干す言葉に前髪をかき上げ、さりげなく眼で
追っていた私。
頁を捲る指先は繊細なほどに長く、綺麗に整えられた爪先
に色気さえ感じさせる君。
「同じのを...」濁りの無い澄んだ声も心地よく、
私のカウンターチェアの背後を通り過ぎるその瞬間、
仄かなDiorのコロンが舞った...。
土曜の銀座でスーツ姿って、どんな職業なんだろう?
気が付けば君が訪れる時間帯をマスターに尋ねてみたり、
以来、君と同じカウンターに並ぶのが愉しみだった。
お客様のプライバシーは商売上守秘義務なので。
と言いながら、素知らぬ素振りで私と彼を繋いでれた
マスター。
「公認会計士だそうですね?」
君が初めてかけてくれた言葉、覚えてる?
そんな私達を前に、グラスを拭きながら口角に笑みを
浮かべていたマスター。
切れ長の奥二重の眼で真っすぐに見据えられると、
私はそれだけで眩暈を起こしそうだった...。
必要以上にお互いを詮索せず、ただ会えば世間話から
政治や投資の話まで。
時には26時の閉店まで、飽きもせずに語り合った私達。
君と私が初めて一つに成れた夜。
今この瞬間思い返してみても、私の躰は自ずと潤って
くるの...。
あけ放った窓辺にレースのカーテンが翻り、
僅かに届けられる数寄屋橋交差点の喧騒をBGMに、
蕩けるようなキスの洗礼。
互いに絡ませ合う舌の妙技に、
首筋から左右の耳孔を擽る様に滑らせる舌先。
そして再び絡ませ合う舌もそのままに、私は君のバックル
を世話しない手つきで解き、下ろしたファスナー越し、
君の欲情を象らせた造形にそっと右手を添えると、
私は卑しいかな、その全貌を摩る様に辿らせていた。
そのまま雪崩れるようにベッドに倒され、
胸元から裾迄連なるワンピースの釦を、慣れた手つきで
解き始めていた君。
やっ、シャワーを...。
そんな私の願いも空しく、フロントホックから撓むように
零れ出る乳房。
「綺麗だよ...」そう私の耳元で囁き、
乳房の感触を確かめるように揉みしだき、いきなり捻り
あげられた左右の頂き。
閃光のように走り抜ける痛みと快感が交差し、
思わず漏らしてしまう嬌声。
解いたネクタイで私の両腕の手首を頭上で縛り、
一気に剝ぎ取られたショーツ。
「君って凄いね、山椒のような刺激的な味覚がするよ..」
あたかも毛繕いをする猫のように、執拗に這わされた舌戯
そんな辱めの言葉に反し、しとどに濡れているのを自覚
さえしていた私。
私の熱い沼地に、音をたてるように侵入してくる欲棒。
ゆっくりと、力強く。
そして徐々に緩急をつけながら...。
抉るような抜き差しの反芻に、恥ずかし気も無く湧き出る
スプラッシュの放出。
こんな快感はかつてない事で、
気が付けば、意識を失っていた私。
今夜が最後ね。
オーストラリアでの成功、心から願っています。
沢山の悦びをありがとう!
理子より啓二へ。