『まったく…あの若い女の子…いったい…なんて子なの…。』「はぁ…はぁ…はぁ…。」フロントでの辱めから逃れ、やっとの思いでブースに辿り着く。勢いよく閉めてしまった扉が大きな音を響かせて私を戒める…。『落ち着かなきゃ…冷静に…。』自分に言い聞かせるように心の中で繰り返し呟いてみるものの、フロントでの辱めの記憶は私の理性を取り戻すことを拒むかのように鮮明な映像となって私に襲いかかる。『あんなにイヤらしい目で…舐めるような視線を…。』周りから浴びせられる躊躇いのない淫らな視線。『それにあの子…あんなに焦らすような触り方…。』太ももを撫でる掌と、股間付近での指使い…。まるで女を昂らせるツボを心得ているかのような指先の動きに翻弄されてしまった…。『なんで…。なんであんなに恥ずかしい事を…。』夫への恨み言にも似た感情が芽生え、貶められる哀れなヒロインを演じているかのような感覚にも陥る。『あなた…どこまで私を辱めるの…?あなたは…何を望んでるの…?』夫にメールをしようとスマホを手に取るものの何を尋ねたら良いのか…。そもそも、どのように切り出したら良いのか…。冷静さを失い、快楽の淵に惹き込まれそうな私には言葉すら思い浮かばなかった。目の前には数々の指示を与えてきたあのサイトが映っている。サイトからの見知らぬ男性による指示。それを夫は止める事なく、むしろ興奮したと言って喜んでいる…。『あなた…いいのね…?まだ…あのサイトの指示に従っても…。』夫への苛立ちは背徳を生み出すように私の心を淫らな世界へと向かわせる。ブースを出た時のままのサイトの画面を更新すると、新しいコメントが届いていた…。『マジックで…イタズラ描き…!?私の身体に…イタズラ描きって…。』あの男性からのコメントを読み、卑猥なマークの意味が分からず、検索サイトで調べてみる…。『なにコレ…コレが…そのマークなの…?』初めて見たマーク…ではなかった…。遠い記憶の何処かに、見たことがあるような…。それがどこだったのか…鮮明に思い出させてくれたのは次々にアップされる卑猥なコメントだった…。『公衆…肉便器…。淫乱…露出狂妻…。』「はぁ…はぁ…はぁ…。」『痴漢OK人妻…。中出し…専用…。』コメントの卑猥な言葉を心の中で読み上げるたびに、淫らな気持ちは高まり、呼吸も乱れていく…。そう…その言葉達を私は昔に見たことがあった。とある小さな公園の前に差し掛かった時、急な尿意に見舞われて公園の小さなトイレに駆け込んだ時…。男女共用の汚いトイレではあったものの、家まで辿り着く事は出来ないと思い、仕方なくそのトイレで用を足した時だった…。目の前の壁にビッシリと落書きされた文字。その中に卑猥なマークも心の中で呟いた言葉も…所狭しとひしめき合うように並んでいた…。『あのトイレと…同じだ…。』まだ男性を知らなかった私は、その文字を見て怖くなり、急いで用を足すと逃げ出した事も思い出した。怖くなった…。それは後の言い訳だったのかもしれない…。正確には…。その文字達を見て…身体が熱く火照るような感覚に戸惑ったのかもしれない…。
...省略されました。