仕事が終わって部屋に帰ったら、部屋に入って直ぐピンポーンとチャイムです。
ドアを開けたら、中学の制服姿のあの子がいました。
どうしたの？って俺が言う前に、がばっと飛び付かれて抱きつかれました。
今日は、俺も自然にあの子の背中に手を回して抱きしめ、そのままあの子を抱き上げました。
やっぱり細くて、とっても軽い。
それと、温かいなって思いました。
このままずっと抱き上げていたいところだったけど、あの子から
｢お兄ちゃん、重いでしょ。
もう下ろして良いよ。｣
って言われて下ろしたら、急に
｢お.か.え.し｣って言って笑い出しました。
ただこれだけのために、学校が終わって直ぐJRに一人で乗って来たそうです。
明日、学年末試験の発表があって、それからまた猛勉強になるみたい。
週末にあの子の家に行っても、あの子が勉強に集中出来なくなります。
俺があの子の家に行って良いものかどうか悩むことが無いように、って来てくれたみたいです。
俺が、車で家まで送っていこうって言ったら、
｢だめ！お兄ちゃん、明日も仕事でしょ。｣
って反対に叱られました。
駅まで送って行って、ホームで見送りました。
一緒に居たのは20分位かな。
そんな柄じゃないって思うけど、電車が去っていくと涙出そうでした。
女々しいですよね。
泣き掛けたなんて、あの子には知られたくないです。

あの子の身体を抱きしめてきました。
仕事終わってから直ぐ書き込み読ませてもらって、たまらなくなって車を飛ばしてあの子の家に行きました。
近くから電話して、お母さんに｢土曜に渡し忘れたものがあるから｣って言って、9時を過ぎてたけど、家まで行きました。
あの子が怒って顔を見せなかったらどうしようって心配だったけど、玄関までお母さんと一緒に出てきてくれました。
お母さんが｢あがってお茶を..｣って先にリビングの方に行ってくれたから、玄関であの子と二人になれたんだけど
｢どうしたの？｣って顔してるあの子を、両手で捕まえるみたいにしてぎゅってハグ。
もし大きな声出されてたら、お母さんにばれちゃうところだけど、あの子は小さく｢あっ！｣って言っただけ。
抱きしめた第一印象は、この子ってこんなに細いんだ、か細いんだ..、って感じでした。
折れちゃいそうって思いました。
そのくせに、抱きしめた両手の力を弱められないんです。
あの子がちょっと身を捩ったから、苦しいのかもしれないって思ったんだけど、そのまま抱きしめていました。
あの子が小さな声で｢お兄ちゃん..｣って泣きそうな声を出してから、やっと腕の力を抜きました。
離れて顔を見たら、あの子はもう目がうるうる。
小さな声で
｢ありがとう｣
って言ったら、多分そんな顔をお母さんに見られたくなかったんだと思うけど、階段を二階にかけあがって行っちゃいました。
俺ももうここにいる必要ないって分かったから、大きな声で奥のお母さんに
｢用事終わったからこのまま帰ります。｣
って声を掛け、お母さんだけに見送られてあの子の家を出ました。
玄関を出てから、視線を感じてあの子の家を振り反ったら、二階の窓が開いてて、あの子が手を振ってくれてました。
今は自分の部屋に帰ってるけど、すごく満ち足りた気持ちです。
無理やりじゃなかった。本当に自然に抱きしめてあげられた。
そんな感じ。
皆さん、力を貸してくれてありがとうございます。
あと二時間だけど、ちょっと寝ます。