2020/05/16 19:29:26
(Qqyfda3D)
第002話【美樹との出逢い】
居酒屋に集結した男女10名は小上がりの小部屋で5人づつ向かい合わせに座り、いよいよ合コンのスタートです。
当日の女性陣の顔ぶれは29から32歳の5名。こちらは、友人正樹を最年少とした30から39歳の5名でした。
まず、女性側の代表者であるという子の挨拶から始まりました。
この子が、同窓会で会った際に正樹に対して合コンを呼び掛けてきた子です。
「久しぶりに同窓会で会った正樹君にお願いして、今回の合コンを企画させていただきました。この度は、急なお願いにも拘らずお集まりいただき有難うございます。私は、〇〇美樹と申します。私が主催者であるという認識の上、最初だけは仕切らせていただきますが、この後は、皆さんで盛り上がっていただければと思います。どうぞ宜しくお願い致します…(中略)」
しっかりとした挨拶をする女性だなと思いながら、話を聞いていた私でした。
そして…その挨拶の最後に綴られた言葉が…
「実は、女性陣に一人ドタキャンがありまして、やむなく人数合わせのために私が参加させていただきました。ただ…私は、この合コンに参加資格のない主婦なのです。すみません。」
というものでした。あらまぁ。
美樹の挨拶がそれで終わり、残った女性陣の自己紹介。そして、そして、男性陣を仕切らせてもらった私の挨拶の番となります。
「アツキと申します。正樹に今回の企画を聞いて、微力ながら男性陣集めをさせて頂きました。実は…先ほど美樹さんの話にもあったのですが、こちらも一人ドタキャンがありまして、私がサクラ的立場で参加させてもらっている状況です。私も、妻帯者です。でも、幸か不幸か、お互いにマイナス1となり、人数的には丁度良くなったという事で、今日は私も、皆さんとは別な立場ながら、楽しんで帰りたいと思います。」
そんな私の挨拶が終わり、続いて、正樹、そしてその他の男性陣の自己紹介が続きます。
早速談笑が始まったのですが、これまた、俺が声を掛けた男性陣の最初のノリが悪く、俺と正樹が場を盛り上げるような形で進みました。
そんなタイミングで…
「アツキさん?私たち二人は、他の人の邪魔にならないようにあちらで話をしませんか?」
と、美樹が話しかけてきたのです。
(なるほど…確かにそうだ。他のメンバーのスタートが悪いからって、俺が出しゃばってしまっては、会自体が成り立たないよな。)
そう思い、島は同じながらも、他の8人と少しだけ間を開けて、美樹と対面となる位置に座り直しました。
この段階で、独身者4VS4の合コン 配偶者有1VS1という組み合わせで奇妙な宴が始まりました。
(続きます)