12月上旬。大学は冬休みに入りました。この頃には、周りの友達も車の免許を既に取得している人も多くなっていました。翌年の秋から始まる就職活動を見据えて、僕も免許をこの冬休みの期間に取得することにしました。今後のスケジュールを考慮すると、このタイミングが良いと思いました。入学後から一貫して働かせてもらっていたアルバイト先も、これまでの勤務態度から嫌な顔せず2週間ちょっとの休みをくれたので、僕は隣県の合宿免許へ行きました。トモミと会うのを一週間すら空けたことがないので、僕はもう行く前から寂しさを感じています。前日の夜に電話で「浮気したら、おちんちんハサミでチョキンだからね(笑)」と送り出されました。最寄りの駅まで新幹線で向かい、駅につくと入校する他の人達と一緒に自動車学校のバスに乗せられて、これからの宿泊先となるビジネスホテルに降ろされました。僕はシングル部屋のコースを予約していたので、その部屋に荷物を置いてから、またバスに乗って自動車学校へ連れて行かれました。教習を終えて、ホテルで夕食を取ってからは部屋にこもって、持参したノートPCと本を開き、冬休みの課題のレポートに取り掛かかってからシャワーを浴びて、ベッドに入りオナニーをする。基本的にはこのような日を3~4日続けました。一緒に教習を受けるメンバーも専門学生や大学生でした。顔を合わせれば話はしていたものの、そのメンバーが修学旅行かのようにするなか、僕は課題もあった手前そうはしませんでした。その日も課題に取り組んでいると、携帯電話が鳴りました。トモミからです。「どう?」「うん、ボチボチかな」と答えると、トモミは合宿のことを、あれやこれやと聞いてきます。「友達はできたか?」とか「ご飯はどう?」とか「可愛い子はいるのか?」どうやら、聞きたかったのはそれだったみたいです。それにありのままに答えると「はぁーーー!?(怒)」「大丈夫、大丈夫、俺、人見知りだし・・・それに、ご飯食べてからレポート書いてるから」「レポート増やしてもらえないの?(笑)」「いやいや、まだ3つ抱えてるのに、これ以上増えたら・・・(汗)」「そっか、そっか(笑)頑張ってね!」「というかさ・・・あートモミに会いたい!!」と寂しさから、どストレートにに伝えました。トモミも「うーん、会いたいねぇ・・・」「めちゃくちゃ会いたいよ!もう毎日、トモミを思い出してオナニーだよ・・・(汗)」「えぇ!?そうなの?????(笑)」「うん、リアルにそうだよ」「ヨシヨシ(笑)」「帰ったらお願いね・・・(泣)」「しょうがないなぁ・・・(笑)あ、そろそろ時間だね・・・・・(汗)」「あ、そっか・・・(汗)」「うん・・・じゃ、レポート頑張ってね!おやすみ」「おやすみ・・・」僕達は、一度「携帯電話料金」で大失敗をしたことがあったので、電話はどんなに長くても一回15分と決めていました。電話を切ると、より一層寂しさが増します。それを打ち消すかのように、レポートに取り掛かってしば
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今回は先に結論を言うと、大変後悔した話です。未だに悔いています。書くのも、正直なところ迷いました。しかし、僕はできた人間ではないですし、もちろん綺麗な部分だけではありません。ただ、自分への戒めとして記すことにしました。もし、読んでくださる方の中に、今、ご自身の大切な方に当時の僕と同じようなことを考えている方がいらっしゃいましたら参考にして頂ければ、これ幸いです。(お叱りのコメントがきそうで戦々恐々としていますが、あまんじて受け入れる覚悟はできています・・・汗)2月下旬。後期のテストを終えて、長い春休みに入っていました。早いもので既に大学生活の折返し地点です。アルバイト先の社員さんに「免許を取ったら、すぐに運転しないと怖くて運転できなくなる」と言われていたので、この日はレンタカーを借りてトモミと日帰りで混浴温泉に出かけました。実は僕は、昨夏の出来事を忘れられずにいました。男子高校生が、トモミを見て「乳デカっ」と性の対象として見ていたこと。大波で水着がはずれ、公の場で誰にも見られなかったけれどトモミの乳首が見えてしまったこと。そのことに半年経った今も興奮を覚え続けていました。そして、いつしか「そういう機会」が作れないか・・・と考えていたのです。ある時、インターネットで色々検索していると「ナンネット」を見つけました。刺激的な言葉の数々。自分の求めるものを見つけるまで、そう時間はかかりませんでした。「生で見せたいカップル」まるで、宝箱を見つけたような感じです。どういう方々がどういう募集をしているのか見て、確認をします。様々なものがありましたが、とりわけ僕を惹きつけたのが「混浴募集」でした。この時の僕のありのままの胸の内を明かすと、「合法的にトモミを露出させられる」と直感的に思いました。僕達の該当地域の掲示板を見ると、30~50代のカップル、夫婦がそのほとんどの割合を占めていました。時折、彼女が20代という方もいらっしゃいましたが、男性の方が30代以上です。それに20代と言っても、僕が確認したところ、どんなに若くても20代中盤ぐらいです。当時の他の地域のことは分かりませんが、ここまで来ると僕達がかなり「レア」な存在だということが分かりました。それにも興奮している自分がいます。ただ、やはり大変、勇気のいることで僕の中でも凄く葛藤がありました。色んな最悪なケースも想定しました。「やっぱり、やめよう」と「僕の求める興奮がそこにはある」の繰り返しです。なかなか踏ん切りがつきません。ただ、そんな自分の背中を押したのは「トモミは『僕の為』にだったら、何でもしてくれる」という身勝手な考えでした。しかし、それをそのままトモミに伝えるのは憚れます。何か良い「誘い文句」はないか。「他人に見られたい」ことが目的ではないということを隠すための「理由」を探し始めます。なかなか上手い言い訳が見つかりません。どうしても、他人に見られることには変わりはないのですから当たり前です。これだけでは確実にトモミが嫌がるのは明白です。「見られる」を肯定した理由。ある時、急に閃きました。そこに『僕の為』を付加させればいいんだと。「あのさ、トモミ・・・今度さ、混浴温泉行ってみない?」トモミは貸切風呂と思っているのか「いいよ!温泉行きたい!」と返します。僕は「トモミ、他の男にハダカ見られてもいいの?」「ええっ?やだよ・・・混浴って家族風呂とかじゃなくて・・・?」「うん・・・」「それはちょっと・・・やす君は、見られてもいいの・・・?(汗)」
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4月。早いもので、もう大学3年生です。トモミは専門学校を卒業して、郊外のホテルのレストランに就職しました。当初、憧れていたホテルのレストランではないものの、ほぼ同格のレストランで社会人デビューです。そして、通勤の為にウサギがモチーフになっている軽自動車を購入しました。僕はトモミの就職祝いに例の猫のブランドのキーケースをプレゼントしました。それに、真新しい車の鍵、自宅の鍵、それに僕の部屋の合鍵を付けて嬉しそうにしていました。僕はこの頃、あるところを就職先としての第一志望に定めました。「就職氷河期」という時代は、この前年までを後に定義付けされましたが依然として、まだまだ就職戦線は厳しそうです。圧迫面接が当たり前のように行われ、まだまだ企業側にアドバンテージがある時代でした。その為に僕はこの段階で第一志望を定め、学内のある講座を受け始めました。通常の講義に加え、教職課程、学内講座そしてアルバイト。トモミとは、なかなかこれまでと同じようにまとまった時間を取って、ゆっくりとは過ごせなくなりました。それでもトモミの仕事終わりに僕がトモミの家に行ったり、トモミが休みの時は僕の部屋で食事の準備をして僕の帰宅を待っていてくれたり、そうやってお互いにやりくりして会っていました。慣れない社会人生活の為かトモミが少しだけ疲れているように見えたりもしました。僕は「間もなく慣れたら」それもなくなるだろうぐらいに考えていました。トモミは働きだしてからの1ヶ月程は、その慣れない社会人生活のためからなのか、なかなかゆっくりと会える時間がない焦りからなのか、トモミは何度も求めるようになっていました。そういうことは、確かに今までも「単発的」に何度かありましたが、今回はそれまでの「それ」とは何か違うように感じます。そして、この間のトモミはよく「生」で欲しがりました。ただ、トモミともう1年半の付き合いになってはいましたが僕はハタチのまだまだ「やりたい盛り」なので、その嬉しい申し出を深く考えず受けます。僕も同じように、ゆっくり会えない焦りもあり、それまでよりも激しくSEXをしていました。そんなこともあり、僕は時間が経つにつれ燃え上がれている「この状況」を大変嬉しくも思っていました。周りの友人達や学内で聞こえてくる話を統合すると、折角できた恋人と1年も付き合うと別れる人も多いようだったので、僕とトモミとの関係は周りの「それ」とは違っていると安心感を覚えていました。この頃には、僕は薄っすらと「トモミとの将来」を意識していました。そのために、僕は早々と第一志望を決めていたのです。とはいえ僕もまだまだ若く、周りから聞こえてくる「もう経験人数○○人」などの自慢話に少し羨ましさを覚えていたのも事実です。しかし、自分の欲望の為にトモミを悲しませ泣かせたことを混浴の件で肝に命じていたので、それと引き換える訳にはいきません。僕のすべてはトモミが第一優先です。口にこそ出しませんが、僕も卒業してある程度のところに就職をして、少し仕事に慣れてきた頃に・・・そんなことを考えていました。だからこその、それを叶えるための僕なりの全力投球です。4月下旬のある日の昼。僕はトモミと大学近くのコンビニで待ち合わせました。この日、トモミは仕事が休みで、僕も午後からの講義が休講になっていたので久々のデートです。僕はトモミと運転席を代わります。少し車を走らせてから、適当なファミレスに入り昼食を取って、ドライブデートをすることにしました。これまで、時間を気にせずに車を使えることがあまりなかったので、行ったことのない方面へ気ままに車を走らせます。しばらく、走ると小高い山々が連なる麓の県道を走っていました。トモミが前方に何か見つけて、それを指差し「ねぇ、あれ何だろう?」運転しながらも、その方向へ視線を向けると並びの小高い山よりも、頭ひとつ高い山の山頂に何やら建物のようなものが小さく小さく見えます。
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6月下旬。この地方でも梅雨入宣言がなされ、雨が続いていた頃です。トモミは休日で僕の部屋に来ていました。その日も夕飯の準備をして僕のアルバイトからの帰宅を待っていてくれました。もう22時を過ぎているというのにトモミもそれを食べずに。夕飯直後に最近、気になっていたことを聞きました。「あのさ、最近なんでメール途中で途切れちゃうの?」以前であれば、その日のメールはお互いに「おやすみ」で締めくくられていたのが、ここ数週間それが無いことが多くなったいました。トモミは僕のその問に「ごめんね・・・どうしても、疲れて寝ちゃって(汗)」これが、トモミが僕と付き合いだしてから、初めて僕に言った「疲れた」でした。しかし、僕はそれをこの時に気にも止めませんでした。トモミは続けます。「そんなに、早く寝るつもりもないし、やす君ともっとギリギリまでメールしていたいから携帯開きながらベッドに横になるんだけど・・・つい寝ちゃって・・・ごめんね(汗)」僕は、その理由を聞いても「言い訳」として、しか捉えることが出来ず少し腹を立てました。僕は言います。「仕事で疲れているのは分かるんだけど、気持ちが薄れてきたんじゃないの?俺だって、人より多く履修して、講座行って、バイトして疲れてるよ。それはお互い様でしょ?」僕は語気を強めていました。さらに続けます。「トモミみたいに『疲れ』を『できない』理由にあげていたら、キリがなくなるよ。それよりも『できる』理由をあげていかないと本当に何もできなくなるよ」そう言いました。まだ、アルバイトの経験しかない学生のくせに、さも、それらしいことを自分にとって都合のいい『正論』をただ、ぶつけていただけでした。そして、それは自分のことしか考えていない自分の『正当性』を説いているだけです。後から思えば、こんなことを言わずになぜストレートに「寂しい」と言えなかったのか。そう思います。そして、初めてトモミが発した「疲れた」の意味をもっと汲むべきでした。そして、それは裏を返せば「僕がトモミのことを分かろうとしていない。分かろうという努力もしていない」ことの証明になります。この時僕のすべきことは、生意気に学生が講釈たれて説教することじゃなくて、トモミのことを心配してまずはしっかりと話を聴くことでした。ただ、トモミはそのことについて「ごめんね・・・ちゃんと眠くなったら『おやすみ』ってメールするね・・・」と謝りました。僕はここにきて、やっと「俺の方こそ、ゴメン。ちょっと言い過ぎた・・・ごめん。」初めてしたトモミとの喧嘩。その「心にかかる負荷の大きさ」をこの時、初めて感じました。トモミは声をあげずに泣いています。僕はまたもやトモミを泣かせてしまいました。この涙を見てから、初めて思うのです。「自分のことしか考えていなかった」それにやっと気付いてから、泣くトモミを優しく抱きしめました。トモミは僕の胸に顔を隠してから、さらに泣きました。何度か「ごめんね」と呟いて、トモミの背中を擦りました。その度に僕の胸元にあるトモミの頭がコクンとします。僕はそれが慰めになるのか分かりませんでしたが、学内講座を受け始めた理由を話しはじめました。「俺さ、〇〇講座受け始めたでしょ?実はね、ただその職業に憧れている訳じゃなくてさ。」胸元の頭が頷いています。
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